ホテルトランクの対談風景

世紀末ホテル対談


対談というものが紙面などに載る場合、実際の対談風景が冷え切っていたり険悪なものになっていたとしても基本的には編集が頭を絞り和やかなものであるように工夫されたりするものですが、今回、取り上げた対談は字面からだけでも険悪なものが伝わってくるという中々に希有なものであり、正直、そのまま読むだけでも相当に面白いのですが、筆者は途中で何故かラオウとケンシロウがイメージとして湧いて来たので超訳してみました。

以下引用とラオウとケンシロウと書いてある部分は超訳部分となります。

実際のインタビューのゲストと聞き手

ホテルトランクの対談風景

ホテルトランクの対談風景画像PRTIMEより

実際のゲスト
藤原ヒロシ氏(写真左)
BUMP OF CHICKENのボーカリスト兼ギタリストで前髪を切れとよく言われる人ではなく、音楽プロデューサーにしてアーティストとして活動している人なので適当にボケた割には意外に近い。そして裏原宿ストリートのカリスマとしても知られている人らしいです。

実際の聞き手
田中宏枝氏(写真右)
ググって調べてみたところ、元テレビ静岡のアナウンサー。中学校及び高等学校の国語科教員免許を持っている。趣味はダイエットと旅行とあったので、ああ、趣味の旅行が高じてホテルのディレクターを行っているのかと思ったら同姓同名の別の人でした。
依って、元アナウンサーと田中宏枝氏とトランクのTRUNK クリエイティブディレクターの田中宏枝氏は別人です。
そこでTRUNKの田中宏枝氏についても頑張って調べてみた所、ブライダル関係でプロデュースを行うTRUNKきってのオシャレ番長さんであだ名はデンコさんだそうです。
あだ名の由来は会社で無駄な電気を生意気な下っ端社員が使っていると「電気無駄使いすんな!!こんにゃろー!!」と叫んでぶん殴ってきたらからだと想像するのですが如何でしょうか?

筆者の脳内で変換されたゲストと聞き手

脳内変換されたゲスト

ケンシロウ

北斗の拳ケンシロウ画像ニコニコ大百科より

ケンシロウ
相手をぶん殴った後に「お前はもう死んでいる」と言う掛け声を合図に相手は「ひでぶ」という掛け声と共に身体が破裂するという伝説的なギャグを生み出した世紀末を生きる漢。一子相伝の北斗神拳、第64代伝承者。北斗の行くところ戦乱有り。その為に今も放浪の旅を続けている。

脳内変換された聞き手

ラオウ

北斗の拳ラオウ 画像ニコニコ大百科より

ラオウ
世紀末覇者拳王を名乗っている。拳王軍を率いて、核戦争後の荒廃した世界を恐怖と暴力で制圧した暴君。一人称は基本的に「俺」だがTPOに応じて「わし」「わたし」に変わる。意外と空気を読む漢。もし核戦争が無ければ、その統率力と頭の切れと腕力によって普通に起業家として成功していそうだなぁと思う。きっと社会インフラを抑えれば失敗はないと考えて「世紀末電力」とか立ち上げて成功していたに違いない。

実際のインタビューコンセプト
新たに渋谷に誕生するTRUNK(HOTEL)を巡る対談の第1回目。ゲストにお迎えしたのは、90年代から現在に至るまで、渋谷・原宿の音楽&ファッションシーンを牽引し続ける存在として、その活動が常に注目を集める藤原ヒロシ氏。今回、TRUNK(HOTEL)のクリエイティブディレクター・田中宏枝が、同じ「シブヤ」という場所を拠点に情報を発信し、文化を創造する者として、これからの時代に求められるホテルのあり方について、貴重なご意見を伺った。

脳内変換されたコンセプト
死武谷に誕生する世紀末ホテル、トランクを巡るファーストバウト。ゲストは数々の悪を倒した結果、単なるホームレス、いえ、自由人として放浪。行く先々のホテルでバイトしたりしながら、その活動が注目を集めるケンシロウ氏。同じ「死武谷」という町で情報発信する者として、これから求められるホテルのあり方について貴重なご意見を伺った?

|Chapter_1
もはやホテルとは呼べない存在

- 田中(T)
日本では2011年の東日本大震災、海外では2003年のリーマンショックを機に、社会の流れがそれまでとは大きく変わりました。それに伴って、人々が求めるモノ・贅沢さ・豊かさなどの価値観も変わってきたと思うんです。こういった環境の変化は、藤原さんも敏感に感じ取ってらっしゃるんじゃないかなって思うのですが、その中で、我々のホテルでも、どんな形でお客様にサービスを提供していくべきなのだろう、どんなモノを、どんな形で提供していったらいいんだろう、と試行錯誤してきました。今日は是非、我々の持つ色々な分野における課題意識に対して、藤原さんのご意見をお聞かせ頂き、参考にさせて頂けたらと考えています。

- 藤原(F)
そうですね…。
でも、僕はその辺を考えたことがないですね。

- ラオウ
我々は環境の変化を捉えておる。どうせ貴様の事だ。犬コロのように暮らしているのだろう。実際に貴様の名前もケンシロウ(犬シロウ)という事だしたまには野良犬に旨いもので喰わせてやろうと思ってな。まずは貴様の考えるホテルについての考えを聞こうか。

-ケンシロウ
ホテルについて考えた事などない。

- T
例えばホテルのあり方についてはいかがでしょう。藤原さんも海外を飛び回ってらっしゃるので勿論ご存知だと思うのですが、昔は「ラグジュアリー」もしくは「格式高い」というイメージだったと思うんです。それがこの15年ほどで大きくホテルのイメージが変わってきましたよね。そのあたりの変化は感じていらっしゃいますか?

- F
そうですか? あまり大きな変化は感じたことありませんね。

- ラオウ
ホテルは変わり続けておる。そこはどう思う。

- ケンシロウ
そうなのか?オマエが変人なだけじゃないのか。

- T
ホテルのトレンドを変えたのは、ポートランドのエースホテルだと言われていますよね。

- F
エースホテルはもちろん知っていますよ。でも、一番苦手なホテルですね。オープン当時に泊まったのですが、「このホテルには二度と泊まりたくない」と思いました。サービスがちょっと、ね。開業直後だったという理由もあるかもしれませんが、ルームサービスもなく、ベッドも冷たい雰囲気で、普通の部屋みたいな感じでしたし、音もうるさかったですね。

- ラオウ
否、変わっておる。ポートランドのエースホテルを見るがいい。

- ケンシロウ
では答えよう。あれはクソだ。

- T
地元住民も宿泊客も、分け隔てなくホテルロビーで寛いでいるというオープンな良さもあると思うのですが、いかがでしょう?

- F
そうですね。でも、僕はそういう中に入って皆と和気藹々とするのが苦手なので、一人にして欲しいですね。

- ラオウ
あれには貴様のようなボッチを受け入れる器があることが、うぬには分からぬか。

- ケンシロウ
受け入れて貰う必要などない。

- T
なるほど。最近利用された中で、ここは静かで落ち着いて良かったなと思ったのは、どこのホテルですか?

- F
どこでしょう。ハイアットリージェンシーでしょうか。いわゆる「デザイナーズホテル」というようなホテルは苦手ですね。

- ラオウ
ならば貴様を満たしたホテルを聞こうではないか。

- ケンシロウ
一つだけ言おう。デザイナーズホテルなどと抜かす小賢しいホテルは必要ないという事だ。

- T
それでは、食(フード)についてもお聞きして良いでしょうか?最近、いろいろなところで藤原さんがお話しされている記事などを拝読すると、料理の世界、フードカルチャーに注目されているとお見受けします。「フードを通じたコミュニケーション」「食を通じて人とのつながりを持つことができ、そこに文化が生まれる」という部分にご興味を抱いているということでしょうか?

- F
注目ではないですが、フードは面白いなと感じています。人とのつながりっていう部分で言えば、「横のつながり」が重視されている、「ヒエラルキーに縛られない関係性」というのが面白いと思います。

- ラオウ
ならば、貴様は食には興味があると聞き及んでおる。これについて聞いてやろうではないか。

- ケンシロウ
ぬうぅ。食は興味があるかもしれん。

- T
ホテルなので、「泊まる」「食べる」という部分で、レストラン(TRUNK(KITCHEN))と串焼き(TRUNK(KUSHI))が入っています。レストランでは、特に「食の健康」にフォーカスして、「オーガニック」「一汁三菜」をテーマにしています。バランスの良い食事を出すように考えています。フードコーディネーターとコラボレーションし、これらのメニューを考案しています。

- F
その点で言うと、僕は「身体に良いモノ」には全然興味がありません。コンビニエンスストア(CVS)の食事でも生きていけるし、唐揚げでは某CVSのものが一番おいしいと思っているくらいなので。もちろん、高級レストランの食事もおいしいと思っていますけどね。

- ラオウ
我がホテルは串焼きすらも受け入れておる。更には健康に良いのだ。

- ケンシロウ
下らん。飯など美味ければ良い。

- T
藤原さんの食の基準はどこにあるのでしょう?

- F
「おいしいもの」ですね。どちらかというと、体に良い悪いは特に気にしない。化学調味料も好きですし、おいしいのであればどんどん使いたいですね。ニンニクが少し苦手です。30年以上前に肉を食べるのをやめたので、焼肉は食べません。

- ラオウ
では問おう。お主の食とはなんだ。

- ケンシロウ
美味ければ良い。だが肉は喰わん。そしてニンニクも駄目だ。

- T
ホテルのエントランス近くに串焼き屋さん(TRUNK(KUSHI))を用意しています。渋谷の人気焼肉店「焼肉ゆうじ」さんと一緒に開発中です。ホテルのエントランスなのにスタンディングで串焼きを食べることができ、インバウンドの方などにシブヤカルチャーを感じてほしいと思っているのです。なぜ串焼きなのかというと、実は新橋と渋谷に串焼きの起源があるらしいのです。戦後の闇市ですね。

- F
串焼きってどんな料理?

- ラオウ
我がホテルは串焼きを食らうことが出来る。

- ケンシロウ
肉は喰わんと言った筈だが人の話を聞いていたか?

- T
串に刺して食べる肉です。焼き鳥屋さんなどで出している、あのスタイルのことですね。

- F
なるほど。焼き鳥などのことですか。

- ラオウ
貴様の話になど興味はない。

- ケンシロウ
仕方ないから付き合ってやるが、貴様の言う串焼きとは所詮、焼き鳥に過ぎん。

- T
昔、渋谷のハチ公も、よく串焼きをもらって食べてたようで、亡くなった後でレントゲン撮影したら、たくさんの「串」が胃の中に残っていたらしい。そんな話も聞きました(笑)。

- F
僕が以前住んでいた場所の前を、毎日ハチ公が歩いて通ってたらしいです。近所のおばあちゃんが言ってました(笑)。

- ラオウ
どうやら貴様は犬並の知能しかないようだから言って置くが串を喰らってはいかんぞ。

- ケンシロウ
ほう、では犬の話になら付き合ってやろう。

- T
そうした話もあり(笑)、私たちがせっかく渋谷の地にホテルを作るのであれば、もともとこの地にあったものを、新しく渋谷に入ってきた方々に感じてもらいたいと思って、串焼き屋を出すことにしたのです。

- F
先程おっしゃっていた「ホテルのあり方」というのが、確かに変わってるのかもしれませんね。「ホテル」と名付けていいのかどうか…。違う名前にしたらいいんじゃないでしょうかね?

- ラオウ
うわははは!!我は元から住む愚民共すらも喜ばせてやろうと考えて焼き鳥ではなく串焼きを出すのだ。犬の話になど興味はない。覚えておくが良い。

- ケンシロウ
オマエのは単なる独り善がりに過ぎん。それはホテルですらない。

- T
(笑) 。同じことをスタッフの間でも繰り返し話しています。客室は15部屋しかなく、レストランや串焼き屋、ショップなど、その他の空間を充実させていて、ホテルというよりも「複合施設」を作っているような感覚でいるのは事実です。

- F
それは「渋谷オーベルジュ*」の方が合っていますね。
* オーベルジュとは、フランス語で「宿」を意味する。それぞれ自慢の食事を提供することを主目的とし、いわば「宿泊設備が備わっているレストラン」。都市部よりも郊外を立地とすることが多く、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツなどで数多く見られる。

- ラオウ
笑止。寧ろホテルを越えた存在である。

- ケンシロウ
オマエの目指すものは既に存在している。それも、おフランスやなんかでな。

- T
名前変えましょうか(笑)。

- ラオウ
ぬうう。

|Chapter_2
「これまでにないホテル」へのチャレンジ

- T
「ホテルラウンジ」について私たちなりに考えたとき、敷居が高くて入りにくい。それも良いところでもありますが、私たちはあえてノマドワーカーに開放したり、渋谷のママ会に開放するなど、コミュニケーションが取れる場所にしたいと考えているのです。「こんな場所、渋谷にあるかな?無いよね」と。求められているかどうかは分かりませんが、新しいから作ってみよう!ってのが、ホテルラウンジの考え方の発端になっています。

- F
人とはあまり出会いたくないタイプなので、僕は苦手ですね(笑)。

- ラオウ
我等は敢えて愚民共を吸い寄せようと考えておる。

- ケンシロウ
先の焼き鳥の件と言い貴様は本当に人の話を聞かんな。何度も言うが俺は一人が好きだ。

- T
私たちの経験上、ホテルは結婚式や食事などのキッカケがないと行かない場所だったので、「あそこに行けば誰かいる」という感じで「気軽に普段使いできる場所」があってもいいのではと思います。今までのホテルの概念を変えてみたかったのです。

先ほどエースホテルはあまり好きではないとのことでしたが、実は以前に弊社会長の野尻やスタッフでポートランドに行ったときに「宝探しゲームしよう」ということになったのです。ポートランドにある面白いものを持ち寄って、夜の食事のときにお互い提案しようという嗜好で2班に分かれて。そして、野尻が偶然、エースホテルのアトリエを見つけました。アポイントなしで入ると、エースホテルのクリエイティブディレクターがいて、「日本でこういうホテルを作ろうと思っているんだけど・・」と話してみたら、意外にも波長があいました。ロサンゼルスにエースホテルを作った当初は、その地域は治安が悪かったのですが、ホテルができたことで治安が良くなり地代も上がったとのことでした。そういうことを見据えながらホテルづくりを進めていくことに非常に強く共感したのです。現在でも、エースホテルとは、良い関係を築いています。

- F
なるほどね。
いま手掛けているTRUNK(HOTEL)はどこにできるのでしょう?

- ラオウ
貴様の意見などどうでも良いわ。我等はいい年をしてキャッキャウフフと人様の敷地内で勝手に宝探しゲームをして真実に辿り着いたのだ。

- ケンシロウ
そうか、ではそのTRUNK(物置)とか言うのはどこに出来るのだ。

- T
明治通りと青山通りをつないでいる、渋谷から「こどもの城」に抜ける道沿いです。もう外観も出来上がってる状況ですね。今年の5月オープンです。先ほどエースホテルの話もありましたが、おっしゃられた通り、実際泊まるとサービス面やアメニティ面が不十分だと感じますよね。従って、エースホテルを全てマネするつもりはなく、日本人にとっては物足りなく感じる部分はしっかりと充実させたいと考えています。働くスタッフも、付かず離れずのお客様との「距離感」を意識してます。あまりラフすぎるわけでもなく、ベタベタするわけでもなく、お客様にとって心地よく感じられることを日々スタッフと考えてます。

- F
(ホテルのイメージパースを見つつ)ホテルっぽくない外観ですね。

- ラオウ
渋谷に出来るのだ。また愚民共とは一定の距離を置く。彼奴等は直ぐに付け上がるからな。

- ケンシロウ
(ホテルのイメージパースを見下しながら)収容所かホテルだかよく分からん建物だな。

- T
メインの中庭には渋谷区の木であるケヤキを植えています。ホテルのショップにも隣接していますので、そこでお弁当などを買ってきて中庭で召し上がっていただく、というような使われ方もイメージしています。その横を抜けてエントランスの脇に行くと、先ほどの串焼き屋があります。ホテルなのに煙がモクモクした串焼き屋があって、そこにも立ち寄って頂くこともできます。

隣接するショップでは、私たちの考える「社会に優しいもの」を販売していく予定です。例えばビーチサンダル。これは使わなくなったゴムを集めて再生して作ります。決して社会貢献を全面に出すつもりはなく、デザインが気に入って買ってみたら、たまたま社会貢献の背景を持っていた、という程度のスタンスで考えています。

(ホテルラウンジのパースを見せながら)ラウンジでは約80名が座れて、奥にカウンターのバーがあります。

- F
宿泊者に対するホテルじゃなくて、街の人に対するホテル・施設ということですね。
宿泊者のイメージは? どんな人が泊まるのでしょう?

- ラオウ
中では愚民共から小銭を巻き上げる仕組みも出来ておる。串焼き屋からはケムリがモクモクしておるが火事になってはいるのではない。しかしケムリをおかずにして飯を喰ってはならぬぞ。

更にはごみを売り付ける仕組みまである。それも気付いたら喜んで持って帰り次の日には何故こんなゴミを自分は高い金を払って買ってしまったのか首を捻り、やがてエコだ社会貢献をしたと自分に言い聞かせることで納得させるというものだ。

しかも奥では酒を出して判断力も鈍らせる。帰りにはどうなるか分かるな。

- ケンシロウ
そんな所に泊まる奴などいるのか?

- T
15室のうち10室はシングルルーム。基本的にはビジネストラベラーが多いと思ってます。他には最大14名まで泊まれるスイートルームもあるので、家族やグループでの利用も想定しています。

- F
東京のホテルには東京の人は泊まらない、と聞きますよね。地方の人、海外の人が多いんじゃないでしょうか。

- ラオウ
何も知らぬ辺境の民が泊まるのだ。

- ケンシロウ
俺は泊まらんな。

- T
そうですね。東京の人でも、スイートであれば記念日にパーティ使いしてもらってそのまま泊まってもらってもいいかなと思っています。
(シングルルームについて)部屋の作りは結構シンプルです。

- ラオウ
貴様のような捻くれた奴はいらん。リア充でも気取りたくなったら来るがいい。

- F
広いですね。こんなに広いのですか?

- ケンシロウ
部屋も無駄に広い。

- T
あくまでパースです(笑)。こちらの資料を見てもらうと分かりやすいでしょうか。

- ラオウ
錯覚だ。しっかり狭く作っておる。

- F
18㎡なので通常のビジネスホテルぐらいでしょうか。でも天井高はあるので広く感じるかもしれませんね。

- ケンシロウ
天井が無駄に高いだけか。

- T
アメニティについては、最初は削ぎ落として何も置かないようにしようとも考えました。シャンプーやルームスリッパなども使い捨てではなくプレゼントであげる予定です。タオルやルームウェアもオーガニック。歯ブラシもそのまま持って帰って使えるものにこだわっています。一つひとつのアメニティは「グッドテイスト」という点にこだわりを持ってます。「格好良い」「つい使いたくなる」「持って帰りたくなる」を目指してデザインしています。

- ラオウ
それと貴様のような輩は部屋のタオルやスリッパを持って帰るからな。それを勘定に入れた宿泊費になっておるがテレビは持って帰ってはいかんぞ。

- F
アメニティ自体もいい距離感があるホテルが好きですね。と言っても、僕の場合、ほとんど使わないんですけどね。歯ブラシもそうですね。日本だけですよね、歯ブラシとか置いてあるホテルって。だから自分で持って行きますね。

- ケンシロウ
俺はアメニティなど使わん。持って帰るだけだ。

- T
ハンガーとかにもこだわってます。スケートボードを作るときに出る端材を使って作っています。

- ラオウ
ここではハンガーですらもゴミで作られておる。

- T
藤原さん、逆にこんなホテルだったらいいなっていうのはありますか?

- ラオウ
貴様に望みはあるか。

- F
この辺(渋谷)にあったらいいな、というのは常々思っていましたね。だから、このホテルの話を聞いたとき、「いいですね」と思いました。友達が来たときに泊まるところがないんですよね。僕はそういったブティックホテルみたいな所には泊まらないし、エースホテルも興味ないですが、あったらいいなと思いました。需要はあるでしょうから。

- ケンシロウ
ホテルがあれば良いとは思っていた。あくまでホテルがあれば、だがな。

- T
完成したら是非一度ご宿泊いただいて、厳しくご意見頂ければ(笑)。

- ラオウ
完成した暁には金を巻き上げられに来るがいい。

- F
カフェあるんですか?

- ケンシロウ
高い金は払いたくはないが100円コーヒー程度なら飲みに行ってやろう。

- T
ありますよ。レストランにも是非いらっしゃってください。

- ラオウ
もっと金を落とせ。

- F
ホテルのレストランというのは、あまり行かないんですよね。
その点、今回どういった形で出来上がっているか、微妙な難しさがありますね。

- ケンシロウ
そんな所には行かん。どうせ水だけで800円位取られたりするんだろうからな。

- T
ウチの場合、レストランには「シェフズキッチン」を用意しています。レストランの中に、個室ではなく、また一つ別の「お客様専用のキッチン」を備えているんです。我々のホテルのシェフではなくて、お客様お抱えのシェフを連れてきてもらってもいいようになっているんです。我々がリコメンドしたシェフを定期的にご用意したりもできます。自分だけのレストランにしてもらうこともできるということですね。ラグジュアリーな雰囲気もあり、ワームな雰囲気もあり、といったかなり「ミックスなレストラン」。「レストラン行くけど自分たちだけの気分・雰囲気を味わいたい」という声もあります。自分で釣った魚を持って行って捌いてもらったり、知り合いのシェフを連れてきたり、というような使い方もできるようになってます。

- ラオウ
ふん。自分で作る場所も用意しておる。渋谷川でアメリカザリガニでも釣って来るが良かろう。貴様のような貧乏人でも包丁位なら貸して進ぜよう。

- F
それはレストランの中にあるのでしょうか?他のお客さんは違和感を持たないのかな?

- ケンシロウ
それはレストランの中にあるのか?

- T
敢えてやってみよう、という試みです。普通は隔離しますが、敢えてオープンに見せてみようと考えました。

- ラオウ
そうだ。貴様のような貧乏人がしょぼい飯を食らっている姿を眺めることで愚民共が優越感に浸れると思ってな。

- F
僕だったら嫌ですね。例えば、お金持った野尻さんがやって来て、自分だけが違う魚を食べてたら、すごく嫌な感じですね(笑)。

- ケンシロウ
見せ物にされるのは好きではない。それに黒鯛でも釣れた日には串焼きとやらを喰わされている奴等に妬まれるからな。

- T
それは確かにそうですね(笑)。多様性とまでは言いませんが、色々な使い方を提案していきたいと思っています。

- ラオウ
フッ。精々駅近くの銀だこで買ったたこ焼きでも持ち込んで粋を気取るが良い。

- F
例えばですが、キッチンの中で食べれたらいいですよね。「デザートだけこちらにどうぞ」と言われて、キッチンの傍でサーブするようだと特別感がありますよね。最近、海外ではよく見かけますね。

- ケンシロウ
だが食料貯蔵庫で喰えるといいかもしれん。色々とつまみ食いも出来るしな。あと海外でやはり似たようなのがあるな。

- T
それは面白いですね。

そのほかに、当ホテルでユニークだなって部分でいうと、ラウンジの中に「POP-UPスペース」というのも用意しています。30㎡ぐらいのスペースですね。様々なブランドに使ってもらえる、ホテル以外のお客様にも立ち寄ってもらえる、そこで賑わいを作っていきたいっていう狙いがあります。今だと、あるラグジュアリーブランドが、5月のオープン後に借りてくださっています。そのほかアンダーグラウンドなブランドの方々にも借りて頂ける予定になっています。

- ラオウ
他に間貸しも行う。百均やテキ屋も入る予定である。

- F
やはり、ホテルという名前をやめたら良かったですね。

- ケンシロウ
やはりホテルではないな。

- T
1年前ぐらいによく話していたのです。ホテルという名前を取ってしまおうということも考えたのですが、迷った結果、ホテルという名称を残しました。

- ラオウ
結局、何の店かよく分からんのでホテルとしたのだ。

- F
新しいものを全部イチから作るのは、全てがハリボテっぽくなってしまって難しいですよね。

- ケンシロウ
ごちゃごちゃして安っぽいな。

- T
実際、そこは苦労しながらやっています。家具にアンティークなものを使ってみたり。

- ラオウ
無駄に高い家具を入れたりもしているのだ。くれぐれも持って帰るではないぞ。

- F
それやると余計にハリボテ感出たりしますからね。難しくないですか?

- ケンシロウ
ますます安っぽくないか?

- T
そのあたりのミックス感もありますよね。エイジングかけすぎても、逆にあざとくなりすぎることもあるので。
内装は意外とシンプルに仕上がっています。エッジを立てすぎて、すぐに飽きられてしまうようなことはしていません。渋谷自体が他の街とはいい意味で大きく変わっているので、逆にTRUNK(HOTEL)だけは「不変的」であることをイメージしています。奇抜な感じではなく、土・木・鉄でシンプルなデザインに仕上げてます。

- ラオウ
いっそ泥でこねて作ってやろうとも思ったのだが雨が降ると溶けて無くなってしまうからな、仕方なく土と木と鉄で作っておる。

- F
あまり多くを詰め込みすぎても良くないですよね。無かったら無かったで寂しくはあるのですが。

- ケンシロウ
泥でこねるのは止めて良かったな。雨が降ったら作り直しだ。

- T
そうですね。どこまで「引き算のデザイン」が実現できるか、そのバランスが難しいですよね。

- ラオウ
そうだ。難しい所である。

|Chapter_3
これからの日本のホテルのあり方とは?

- T
これまで、ホテルのプロデュースをしようと考えたことはありますか?

- ラオウ
貴様もこうやって小金を稼ごうとした事はあるのか?

- F
やりたいなって思っています。

- ケンシロウ
やりたいと思っている。

- T
自分の泊まりたいホテルをイメージして、その理想を具現化するというイメージでしょうか?

- ラオウ
道端で犬のように過ごしている貴様の事だ、どうせ想像で作った僕のホテルを作ろうと思っているのだろう?

- F
まだやったことがないので分からないですね(笑)。

- ケンシロウ
やった事がないから分からん。

- T
作るなら東京でしょうか? それとも海外でしょうか?

- ラオウ
ほれ、どうせ放浪先の現地で拾った雑誌で見た表面的な知識の浅さを披露するが良い。

- F
今のところ、何も考えてはいませんが、難しそうですよね。

- ケンシロウ
その話はもう終わりにして貰おうか。

- T
今回、ホテル事業を始めたばかりで、これからいくつかホテルを増やしていこうと考えてます。
今後は藤原さんにご相談してもよろしいでしょうか?(笑)

- ラオウ
まだまだ我が輩のホテルは増えていく。
今後はケンシロウ、いや犬四郎に頼んでみるか?ウワーハッハッハッ!!

- F
全然構いませんよ(笑)。ただ、日本でホテル事業を行っても損益分岐点を超えるのが難しそうですね。利益が出ないという印象です。ファンドが資金を集めてやるものというイメージが強いですね。目に見える収益性がないものなのかなと想像します。

- ケンシロウ
構わんぞ。
どうせコレが失敗してそんな余裕は出来なさそうだがな。

- T
藤原さんが考える「ホテルってこうあったらいいよね」というポイントはありますか?

- ラオウ
尺が余ったので繰り返すが、貴様の望むホテルを聞こう。

- F
標準エクスプレスチェックアウトは欲しいですね。事前にエクスプレスチェックアウトを申し込んでおいたのに、部屋代しか含まれておらず、夜に頼んだルームサービスの分を再度支払い処理しなきゃいけなかった、というケースがありました。結局二度手間になってしまったので、標準でエクスプレスチェックアウトを導入して欲しいですね。

- ケンシロウ
パチンコの端玉で払えるようにしてくれ。
一度それで泊まろうとしたら追い出されたからな。

- T
他に、「客室の中でこんなものやサービスがあったらいいな」というものはありますか?

- ラオウ
他にあるか?

- F
部屋や、ホテルのランクでも違うので、そこは何とも言えないですね。
強いて言えば、WiFiが遅いことが多いので、そこはクリアして欲しいです。

- ケンシロウ
ものによっても変わるだろうからな。強いて言うなら野良wifiを強くしてくれ。

- T
5月13日にグランドオープンの予定です。是非いらっしゃってください。

- ラオウ
5月13日にオープンする。金があったら来るが良い。

- F
日本にこういう実験的なホテルが出来るのは、初めてのケースだし、とても楽しみにしています。

- ケンシロウ
失敗した末路を楽しみにしている。

- T
本日はありがとうございました。

- ラオウ
もう二度と姿を現すではないぞ。

稀代のトレンドセッターに聞く「渋谷の新しいホテル」の価値  藤原ヒロシ氏が見る”ホテルの未来” (インタビュー引用元)

随分と長くなりましたが最後にタイトルの世紀末に対して「世紀末はもう終わっている」等とケンシロウ風にツッコんで頂けると幸いです。

最後に「悲しい笑い」はホテルトランクを見た事もないですし泊まった事もないのですが、きっと素晴らしいホテルであると確信していますし、田中宏枝氏がもしも独身なら居酒屋辺りで飲むときは「いろんな結婚をプロデュースしてきたけど、自分の結婚のプロデュースすんのすっかり忘れちゃったわよ」という自虐ネタで一緒にいる後輩だか部下だかを困らせているであろうことも確信しています。それと訴訟だけは勘弁してください。

世紀末対談 おわり。