名刺交換

名刺を集めて名士になる



どもっす。出井っす。
いやぁ参ったっす。

だって新人研修で引率がいきなりいなくなっちゃうんすから。

あの後、同僚から人事部に電話して貰って後の行動の指示を受けたんすけど、どうやら、バスが3時間後に迎えに来る事が分かったっす。

え?という事は、
引率が教官に連れて行かれなかったら
3時間もの間ここで歌わせられたって事っすか?

日本の警察は優秀っす。
拍手したい位っす。

でも3時間も何してるっすかね。

とか、思っていたら会社から人事部の人が来たっす。

「えー、アクシデントにより井角君が警察に連れて行かれた為、
別の課題をこなして貰う事になります。
課題は3時間の間に、この駅近辺で名刺20枚を集める事。
これの出来ない者は、バスに乗らずに残って
名刺を更に100枚集める事。
いいな、13時にここに集合。
ちなみに同じ会社の名刺は何枚貰っても1枚とカウントする。
また、他の同僚の名刺はカウントされない。
スタート!!」

えー、何すかこれは?

どうすりゃ良いっすか、これは?

取り敢えず声を掛けてみるっす。

「すいません、名刺交換をして貰えま・・・」
・・・。
無視されたっす。
絶対に変な奴だと思われたっす。
ここは東京砂漠っす。
愛の消えた街っす。

次の人にも声を掛けたら、
「すいません。急いでるんで」
軽やかにスルーされたっす。

とか、思って周りを見回してみたら、
キャッチをしてる輩がわんさかいます。
そうか、この人達と同列に見られたらそうなるっすよね。

こういうのがいるから、
僕等のような人間もやりにくくなるっすよ。
本当に迷惑な奴らっす。

って多分、相手も同じことを考えてるんすよね。

でも、どうするっすかね。

このままだと埒が明かないっす。

そうだ、もうこの際だから、
訳を言ってみるっす。

「お急ぎの所すみません。
私は研修でいま名刺交換を命じられておりまして、
ご協力して貰えないでしょうか?」

「仕方ないなぁ、
じゃあ、名刺交換だけしてあげるよ。」

「ありがとうございます!!」

良い人っす。
これでいくっす。

スタートが早かったので、
2時間とちょっとで集まったっす。
3時間経つ頃には36枚集まったっす。

集合時間に行ってみたら、
井角教官が戻って来てたっす。
(・д・)チッ、
集めた名刺を渡すと、
「オマエは偉い!!
本当に偉いぞ!!!」
と、言って抱きしめられたっす。

ちっと加齢臭がしました。

でも、悪い気分じゃないっすね。

名刺をこんなに集めるとはな。
お前は名士になるぞ!!」

それは言いすぎっす。

悲しい笑い(だじゃれ)に合掌

※この記事は2010/08/03のものを再編集したものになります