真田丸感想31話「終焉」①三成と家康、対立の予兆


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度重なる天災と朝鮮への再出兵によって世間の不安は高まるばかりとなり、太閤秀吉には死が迫っています。

今回は伏見城で幸村が秀吉を寝かし付ける所から始まります。
幸村は秀吉の傍らに鈴を鳴らして何かあれば鳴らせば人が呼べると伝えます。その鈴の音を聞いた秀吉は口を半開きにしたまま喜んだ表情を浮かべます。
幸村は「ごゆるりとお休みください」と部屋を退出しようとすると鈴が鳴り振り返ると秀吉が楽しそうに鈴を鳴らしています。「はい。そのように」と言うと鈴を取り傍らに置き直します。しかし、直ぐに鈴はまた鳴らされるのでした。

秀吉は痴呆状態にあるのか言葉を発しようとはせず、言葉を理解出来ているのかも怪しい状態となっており死が目前に迫っていることが窺えます。

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幸村と三成は伏見の大谷屋敷で吉継と面談します。
幸村は遺言書の宛を読み上げます。
―老衆(おとなしゅう)徳川、前田、宇喜田、上杉、毛利
―奉行、浅野、大谷、石田、増田、前田、長束
これを聞いた吉継は「五人の老衆については太閤殿下のお決めになられたこと、なんら口を挟む積りはない。問題は奉行衆だ。私を外して貰いたい」と自分を奉行衆からの離脱を頼みます。三成は加減の良い時で結構、私をお助け下さい。と頼み込みます。しかし「やつれたこの姿。人目に晒しとうはないのじゃ」と自らの病身を嘆きます。
三成は五奉行か・・・と呟く様に言うと眉間に皺を寄せます。
続いて幸村は遺言の内容を読み上げようとしますが「もうよい」と吉継はそれを止めると三成の行うことであれば抜かりはあるまいと諦めたように言います。
それを姿を見た三成は目を見張りますが「老衆を立てつつ、我ら奉行の役目も明らかにし、老衆だけでは何も出来ぬように楔を打っておきました」と意図を説明します。幸村も続き「五人の老衆に花押を頂くことになっております」と後の運びを説明します。
吉継はそれを聞くと、今度は小さく何度か頷くのでした。

病気によって全てを諦めようとしている吉継に対して三成は遺言の内容を説明することで遠回しにそんな事はないと説得する姿に二人の友情を見ました。

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そうして遺言状は出来上がる事となり、それを三成は家康に見せ内容を説明します。
「徳川殿を始めとした五人の老衆を五人の奉行衆が補佐し、合わせて十人の合議によって秀頼公をお守りしていくのが殿下のお望みで御座います」
それを聞いた家康は「承知した」と返答し、三成と幸村が緊張した面持ちで見守る中で花押は押されました。

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伏見の徳川屋敷に家康が戻ると正信が「いよいよでござりますな」と言い出します。それに阿茶局は「ずいぶん長く待たされましたこと」と昔のことを思い浮かべているのかあてもなく宙を眺めながら言います。
それを多少の動揺を見せながら家康は「お主等は儂にどうせいと言うのじゃ」と聞き、それを聞いた阿茶局は家康に姿勢を向き直すと「殿。天下をお取りくださいませ」と迫り、家康は目を逸らして「天下か」と返事を出来ないでいると、阿茶局はわざとらしい嘆息を吐くと正信に「殿はどうも乗り気ではなさそうです。本心か、どうかは、分かりませぬが」と語り掛けます。正信も阿茶から目を逸らして「何れにしても、これはいけませんな」と遺言書を手の上に広げて見せると「事を決める時には、一々、奉行衆を通せと言うておるようなもんで、これでは殿が思うが儘には出来ませぬな」と広げた遺言書を家康に差し出します。
そこに近侍がやって来ると「石田治部少輔様がお見えでございます」と三成の来訪を告げます。

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三成を家康と傍に正信が控えて迎えます。
訪れた三成は「五人の老衆と五人の奉行の花押が揃い殿下のご遺言が定まり申した。改めてよろしゅうお願い申し上げます」と伝えます。家康は「それを、わざわざ知らせに」と三成に訪問の真意を問い質します。三成は「念を押させて頂きに参りました。最早、殿下最期の時も遠くはありまん」と隠す事もなく答え、家康は思わず息を呑み込みます。
三成は気にせずに「その時、まずやらねばならぬのは朝鮮から兵を引き揚げる事。そもそも此度の出兵は無理な戦。豊臣の名を汚さぬ為にも速やかに行いとう存じます」と続けます。しかし家康はこれには賛成だったようで頷きます。
三成は更に「某が九州に入り差配致します。だが、その間に伏見で何か事が有っては困る。ご遺言に従い、決して、中府様お一人のお考えでは動かれぬ事。改めてここでお約束頂きたい」と釘を刺しに来ます。家康が「儂を疑っておるのか」「お約束頂けますか」と三成は問答無用とばかりに言います。
家康は「ならば其方ではなく、この儂が九州に出向こうではないか、それなら安心であろう」と返すと、三成は「なりませぬ」と答え、家康の何故だとの問いに「引き揚げて来るのは日の本一の大群勢。もし、誰かが焚き付けて、そこに謀反の動きが広がれば大変な事になります」と家康が謀反を起こす可能性があると言います。家康は不愉快そうに何事かを言い返そうとする言葉を呑み込み「お好きになさるが良い。ご遺言、必ずお守りすることをお誓い申し上げる。治部殿が留守の間、この伏見でおかしな動きが起きぬよう目を光らせましょうぞ」と言います。三成は「お言葉、心に刻みつけ申した。では御免」と小さく頭を下げるとそのまま振り返ることも無く出て行きました。

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それを傍らで見ていた正信は「言いたい事だけを言うて去りましたなぁ」と感想を言うと家康は「小賢しい男よ。儂を露程も信じてはおらん」と三成を評します。「しかし今から、この調子では先が思いやられますぞ」と正信が言うと「殿下も余計な遺言を残されたものだ」と家康が思わずこぼします。それを受けた正信は「いっそ、反故にしてしまいますか」
家康が驚いた表情で正信の方を見ます。正信は「容易い事でございますよ。殿下御自らが、お書きになった、より新しいご遺言があればよろしいので」そう言うと、家康はより驚いた表情で正信から顔を背けて正面を向くとやや俯き考え込むのでした。

秀吉が死んだ年に家康は数え年で57歳です。野望に燃える年としてはやや過ぎている感が否めず。天下を取れと言う配下の言葉にも乗り気であるように見えません。しかし、それに対して三成が怒りによって家康を焚き付けているようにも見える二人のやり取りが続きます。
今は秀吉が亡くなった後に政権を主導出来るかどうかの瀬戸際です。今で言うなら大物政治家である家康と霞が関の大物官僚である三成が対立している図式といった所でしょうか。
三成は家康に対して、会った時に頭巾を脱がなかったりであるとか、三成の落した杖を家康が拾って渡したが礼を述べなかったりといったような逸話が多く残されている為、これ等のどこまで本当か迄は分かりませんが、二人の相性が良いものと言い難かったのは確かなようです。

真田丸31話感想続きます。

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