真田丸感想31話「終焉」②遺言を巡る攻防


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前回は三成が家康へと感情的に対立を煽るような格好となりました。
今回はそれに応える格好で家康陣営が動き出します。

家康に釘を刺した三成は大谷屋敷へ、その報告へと幸村と共に訪問します。
聞いた吉継は露骨にやり過ぎると裏目に出るぞと忠告します。ここは流石の吉継と言うべき所で言った通り三成の行動は見事に裏目に出ています。
幸村は家康の反応を聞き、三成は遺言を守ると約束したと教えます。
そして、三成は居住まいを正すと吉継と幸村に「遺言が為ったとは言え、秀頼様が関白となられる日まで、一日たりとも油断は出来ん。殿下の想いが叶うよう、これからも私の力になって欲しい」と頼みます。
吉継は「分かっておる」と答えると「何卒よしなに」と頭を深く下げます。次は幸村に頼むと言い頭を深く下げます。しかし幸村から応える言葉は発せられません。
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大阪城では且元が残り書類仕事を行っています。
そこに家康一行が信長公から頂戴した鎧を見舞い品に持って来たと訪れます。
突然の訪問に且元が驚いている間に家康は秀吉の寝室へと入り、且元が続こうとすると正信が「暫くは誰も通さぬようにお願い申す」と言い、目の前で襖を閉じられてしまいます。
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且元は閉じられた襖の前で呆然と立ち尽くします。

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中では家康が見舞いの鎧を飾らせると秀吉の枕元に立ち「信長公がお守り下さいますぞ」と言いますが、その言葉を秀吉は表情も変わらず何も言わずに聞いています。
そして家康は秀吉に「殿下にお願いが一つございます」と言うと「秀頼のことたのむ・・・」と秀吉はうわ言のように言いますが家康は「我等五人の老衆に対し後を託すと一筆お書き頂きたい。それがあれば我等も心を一つにして、秀頼公をお守り出来るというもの」と頼みます。秀吉は「ひでよりのこと、たのむ」と繰り返します。正信は二人のやり取りに割って入り「そのお気持ち認めて置かれませ」と秀吉の前に文机を置かせ、正純が秀吉の背中を押して押し付け、正信は秀吉の右手側に立つと筆を握らせ、遺言書の内容を指図します。
その様子を見た家康は余り無理強いするなと注意します。
襖の外では且元が聞き耳を立てますが家康控えの者達に退けられ、且元は胃の辺りを押さえます。

遺言に下記の文言が書き加えられました。
「秀頼の事なりたち候ように衆として頼み申し候」
「この他には思い残す事なく候」
宛先として老衆五人の名前が家康から書き加えられます。

そのやり取りに家康は背を向けます。
そこに秀吉に遺言が書き終わらせた正信が「これで、殿も仕事がやりやすくなりますな」と報告すると家康は無言で正信の方を向くと小さく頷きます。

そこに正純から追伸が書かれていると報告が入ります。
家康は追伸を読み上げます。
「返す返すも秀頼の事、頼み申し候」
これ以上、余計な事を書かれてはならないと驚いた正信は「もう十分でございます」と声を掛けると筆を取り上げ自ら文机を片付け、家康は「殿下、ゆっくりお休み下いませ」と声を掛けて正純と二人で秀吉を寝かせるのでした。

しかし何故、秀吉が痴呆状態であることを正信は知っていたのでしょうか?三成が秀吉がそういった状態であることを漏らさせるとは考え辛いです。その為に留守居も下位の者ではなく、且元や三成といった幹部が行っていたのではないでしょうか。その上、遺言書を書き換えさせる為に訪れた時に留守居をしているのが且元ではなく三成だったらどうする積りだったのでしょうか。と、ここで思い当たるのが幸村の事です。先の大谷屋敷で三成が頼むと言った時にも何も答えませんでした。前話で幸村は信幸に豊臣の内情を話してしまっています。そして信幸はそれを忠勝に伝えています。これが継続されており、正信に豊臣の内情が筒抜けになっているのではないかと思い当たりました。
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夕方になり三成が大阪城に戻ると「なぜ殿下を家康に会わせたのだ」と且元を詰問すると「急にお見えになられて、私はてっきり治部殿も承知の事かと」且元は苦しい言い訳をしますが「かようなものが殿下の直筆で残っては我等奉行の出番が無くなるではないか」と問い詰めると「不覚でござった」と嘆くように答えます。幸村は「しかし徳川様も随分、強引な真似をされたものですね」と述べ、三成は「家康め、断じて許さぬ」と悔しがります。しかし、手元にある書き加えられた遺言の写しを見た三成は何かを思い付いたのか「まだ手はある」と言います。
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三成と且元、幸村は秀吉の寝室へと訪れると眠っている秀吉の枕元に集まり、眠っている秀吉を起こして「先程のご遺言にもう一筆お願い申し上げます」と光成は頼みます。
幸村は「ここまでやらねばなりませんか」と思い止めようとしますが「豊臣家の為だ。急げ」と三成は意に介しません。その決意に幸村も動かされるものがあったのか「御免」と小さく言うと秀吉の布団を剥いで秀吉を起こし、且元は文机を秀吉の前に置きます。「疲れた」と秀吉は言いますが「ほんの少しでございます」と三成は秀吉を促して「この行の間に私の申す通りに」と筆を握らせます。

下記が書き加えられました。
「委細、五人の者に申し渡し候」
「名残惜しく候」
「以上」

「以上」と書かれたことで遺言が書き換えられる心配は無くなりました。

しかし以上と書く直前に秀吉は「眠い」と呟いた所で三成は激昂して「眠くない」と叫ぶように言います。それを聞きつけた寧々が「あんたら何しとるんか」とやって来ます。遺言を書き加えさせられている秀吉を見て「死に掛けとる病人に何させとるんか、お止めなさい」と止めに入ります。三成はそれを無視して「ここに以上」と秀吉の手を押し付けて無理矢理に書かせます。
寧々は三成を押し退けます。
三成は「ご無礼、誠に申し訳なく、これも豊臣家の、御家の為」と謝罪すると「ええ加減にしてちょ」と寧々は怒ります。素早く且元は文机を片付け、幸村は秀吉を再び寝かせると、三成と且元は頭を下げると寝室から出て行きます。寧々は何事かを言おうとしますが堪えます。
三成が焦りの感情を露にするのも珍しいですが、寧々が眉間に皺を寄せるほど怒りを見せるのも同様に珍しい出来事のように思えます。
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それだけ遺言の書き換え合戦は切羽詰った中での攻防であったと言えるでしょう。

寧々は「最期くらい静かに眠らせてやる訳にはいかんの、これではあんまりうちの人が可哀想じゃ」と言います。
寝室に残った幸村は申し訳ございませんと謝るのでした。
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31話感想続きます。
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