真田丸感想50話最終回感想⑧守る為


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大坂城には既に徳川方の兵士達が侵入を開始。大坂城は城塞都市であり町を内部に抱えていた為に町人達が略奪や殺戮の対象とされました。当時はこういった行為を乱妨取りと呼び、これを目的にして自主参加する者も少なくなかったと言います。これにより町の男は「にせ首」と呼ばれる戦場で討ち取ったと偽装する為に殺され、女性や子供たちは奴隷狩りとして五千から六千人程度が奴隷として連行されたと言います。こういった奴隷はポルトガルやカンボジアといった交易を行う海外に売られ平時は二貫文(約三十万円)程度の値が付き、これが大きな戦の後には奴隷が供給過剰になり二十五文(約四千円)程度まで下がったと言います。この様子は黒田長政が描かせた「大阪夏の陣図屏風」に残されていますが熾烈を極めました。
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大阪城内に於いても阿鼻叫喚の声は響き始めています。自室に籠もる千姫は懐刀を握り締め生きて辱めを受ける事は夫の名誉の為にも許されず、そういった事態に陥った時には自害するしかないと考え込みます。
そこへきりが「千姫様」と息急き切って駆け込んで来ると千姫へ幸村から授けられた策を実行する為に城から脱出しようと説得を行い千姫もこれに同意します。
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脱出の為に護衛に付いた武将の堀内氏久と南部左門の先導に旅支度を整えたきりと煙を吸わぬように着物の裾で口を抑えた千姫が続きます。きりが「急いで」と言って千姫を急かし、その後にも何人かの侍女が続きます。しかし千姫の自分のみが生き延びて良いのかという自問が足を止めます。それに気付いたきりは急ぎ千姫の前に戻ると「あなた様に大坂城の全てが懸かっているんです」と城の人間を助けたいのなら家康の前に生きて辿り付いて命乞いをする必要が有り、それを行えるのは千姫だけなのだと説得します。これに千姫は頷くと大坂城から脱出する為に再び足を動かし始めます。
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一方で城に残った人々もいます。その内の一人は高梨内記です。内記は城の狭い廊下に槍を構えて陣取ります。徳川方兵士達が侵入して来ますが内記はそれを槍で刺し、或いは相手の攻撃を捌いて切り返し一人、二人と屠っていきます。その内記に怪我で足を引き摺る大助が加勢しようとしますが、内記は「若は秀頼公のお側へ」と言って腕で抑えます。
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大助は「内記も参れ」と命令しますが内記は首を横に振ると「儂はここで敵を防ぎまする」と断ります。大助は目を瞠り内記の覚悟を読み取ると内記は満足そうに頷き僅かながらに微笑を浮かべますが再び顔を険しくして「早く行かれよ」と急かします。これに大助が反論も出来ず、しかし内記を死なせたくないと何も言えずに立ち止まります。そんな大助を見てこの人は本当に優しい人に育った。だからこそ死なせてはならないと決意を新たにすると泣きそうな顔で「ええい」と苛立ったように声を上げて大助を押しやると大助は足を引き摺りながら秀頼の元へと向います。
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その背中を見守っている暇も無く再び扉の開く音と共に侵入者達が現われます。内記は先頭の兵士を槍で一突きにして迎えると、即座に脇に身を隠して続く兵士を死角から突き刺そうとしますが、続く兵士は槍を持ち間合いを長く取っていた為に内記の槍は届かず、これに仕方なく間合いを詰めて切り付けようとしますが今度は槍の一撃を相手に受け止められてしまい鍔迫り合いに負けて廊下に尻餅をつき、尚も膝で立ち切り付けようとすると今度は大将格らしき男が刀で切りつけてきます。それを内記は咄嗟に抜いた刀で受け止め再び鍔迫り合いを行うも再び押し負けて廊下に転がされます。相手はその脇を通り過ぎようとしますが内記は相手の足を掴んで立ち上がり食い下がると相手が「離せ、離さぬか」と言いながら引き剥がそうと内記を身体ごと振り回すと内記が背後を向けることになった兵士に槍で背中を突き刺されます。これに内記は脇に差した刀で切り返そうとしますが刀は先ほど放られて廊下の隅に落ちており何も無い空を空しく掴み「あ、あ・・・」とその事実に驚いた表情を浮かべて仰向けに倒れ込みます。
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徳川方の兵士達は内記の脇を通り過ぎていなくなると懐に隠した昌幸の位牌を右手で取り出すと消え去りそうな声で「殿・・・」と言うと左手を重ね胸に抱こうといますが、それも出来ぬままに力尽きます。
位牌を胸に込めようとした思いは懐かしき主君へ今から向かう報告であったのか、それとも大助を守りきる事が出来なかった懺悔であるのかは不明です。

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掘田作兵衛も大坂城へと戻っていました。作兵衛は満身創痍になっても自分が嘗て耕した中庭の畑へと向います。途中で立ちはだかる兵士を切り倒した先に畑が見えます。畑に下りると、待ち構えたように徳川方の兵士二人が作兵衛に槍を手に切り掛かります。作兵衛はこれを受け止めて押し返しますが今度は槍で突いて来ます。作兵衛はこれを体で受け止め更に切り返します。次は背後から兵士が作兵衛目掛けて刀で切り掛かってきますが、これを振り向いて受け止めると返す槍で突き殺します。周囲から敵を一掃すると作兵衛は意識朦朧となり畑に立ち尽くすと見えた幻に「すえ・・・。梅・・・」と語り掛けた所で精魂尽き果て手から槍が放れます。続いて自らの身体を支えられなくなると畑に大の字になって仰向けに倒れ苦しそうに息をしますが、やがて舌が喉に詰まり息絶えます。
堀田作兵衛、土の上に死ぬ。その上には高く、高く、澄み切った天が広がっていました。

真田丸50話最終回感想つづく。
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