どもっす。出井っす。
困ったっす。

新人研修で引率やってる教官がいきなり警察に連れて行かれたんす。
田舎の母ちゃんにこのこと言ったら、
あんたもしかして反社に入ったのかい?
反社は反射してピカピカ光る位にしときな。
とか言われちゃうっすよ。

少しして人事部の人が来て待機の指示を受けたんすけど、
予約したバスの到着は午後一時位になるらしいっす。
今の時刻が午前9時過ぎなんで、
それまでこんなとこで体育座りしてんのは
勘弁して欲しいっすね。

でも教官が警察に連れてかれなかったら
3時間ずーっと歌わせられてたってことっすか?
あいつ何考えてたんすかね?
ここで歌ってれば
スカウトの目に留まってデビューとか
思ってたんすかね。
いや、流石にそんな頭の悪いことは考えていない筈。
と思いたいっすね。せめて。

あれ?また人事部の人が来たっすね。

「えー、トラブルにより、
これから課題に挑戦して貰います。

また今回の集まりは「研修大会」
つまりは皆の成績で競って貰います。
従って、こんかいのミッションも成績に反映されます。
内容は今からお昼の間に名刺を20枚以上交換してくること。
出来ない者は残って100枚集める。
今大会の扱いはリタイア。
ちなみに同じ会社でも名前が違えば別カウント。
同僚の名刺はカウントされない。
以上、始め!!」

なんすか?マジっすか?
どうすりゃ良いんすか、これは?
マジ居残りは勘弁なんでやってみるっす。

お!丁度目の前から人の好さそうなサラリーマン3人組が歩いて来るっす。
一気に3枚ゲットのビッグチャンス到来。
勇気を出して声を掛けるっす。
「あのー、すみません、名刺交換をして貰えま・・・」
「・・・。」

気を取り直してまた声を掛けるっす。
「すみません。急いでるんで」
たまたま急いでたんすね。
「邪魔なんだよ」

「忙しいんだよ。見りゃ分かんだろ」

ここは東京砂漠っす。
(名刺をくれる)あなたがいれーばー♪からの
次の曲は
愛の消えた街さ昔からこうなのだろうかと自分の心の中で雪崩れ込むっす。

本当、こんな頑張ってる健気な若者を誰か助けようと思わないんすか?

等と思って辺りを見回してみると、
朝っぱらから風俗業のスカウトをしてる輩がたくさんいるっす。
同じに見られたらそうなるっすよね。
って言うかこの時間にいるOLが風俗業をやるとは思えないんで、
夕方からの方が良いんじゃないっすか?

あ!そうか!?
早足で歩いている人は本当に急いでるから声を掛けても意味ないっす。
ゆっくり目で歩いている人が良さそうっすね。
それと事前に目が合って軽くお辞儀か何かしてから、
話し掛けると上手く行けば
知り合いか何かだと話を聞いてくれそうっすね。

これで話を聞く余裕のある人、
足を止める。
の条件は満たせたんすから、
残りは話を聞いて名刺交換しても良いと思える
話の内容にすれば良いんすね。

どうするっすかね?
少なくとも今までと同じ話だと埒が明かないから、
今度は正直に訳を話してみますかね。

名刺交換

やっぱり人の好さそうなブラブラ歩いているあの人にするっす。
たぶん次の訪問先まで大分はやめに出て来て、
喫茶店で暇潰しかなぁと思ってそうだから、
少なくとも話は聞いてくれそうっすよ。

軽くお辞儀して、やっぱり返して来たっすね。
そしてさり気なく警戒心が薄れるって言う右側から話し掛けるっす。
「あーどうも、おはようございます」
「あー、おはよう・・・」
しめしめ
「いやぁ、実は今、社の研修で名刺交換を命じられてまして、
名刺の交換をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「え!なんだよ知り合いかと思ったよ」
「いやぁどうもすみません」
「はぁ仕方ないなぁ名刺交換だけだよ。」
「ありがとうございます!!」

思った通りっす。

2時間とちょっとでノルマはクリア出来て
何となく面白くなってお昼には大分集まったっす。

早めのランチを食べてお茶してから集合場所に行ってみたら、
井角教官が戻って来てたっす。
(・д・)チッ、
集めた名刺を渡すと、
「こんなに集めたのか!オマエ凄いぞ!!!」
って褒められたっす。
悪い気分じゃないっすね。

名刺をこんなに集めるとは
お前は名士になる!!」

そりゃ言い過ぎだ。

悲しい笑い(だじゃれ)に合掌

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投稿者: 悲しい笑い

ブラック企業を渡り歩き、どさくさに紛れて営業のマネジメントや新規事業の立ち上げをやったりしていました。