西郷隆盛像

西郷どん3話「子どもは国の宝」感想②借金!!

結局、吉兵衛は赤山に口を聞いて貰い借金を頼むことに決め、吉之助と吉兵衛の二人で向かいます。到着する吉之助は大きか屋敷じゃあと驚きますが、父は相手は商人じゃ、武士の威厳を忘れたらいかんと言うと、吉之助に借金をしに行くのに・・・。と早々に突っ込まれて中に進みます。

この当時は士農工商といわれる階級観念が有り、侍である士が序列としては一番高く吉兵衛もこの中に含まれます。そして借金を頼みに行く相手は商人なので一番序列としては下と思いきや、今の定説では士農工商という身分制度は存在していなかったとなっているようです。従って、今の教科書で士農工商は記載されておらず、ついでに士農工商という身分制度からの開放を前提とした概念としている四民平等も同じく教科書から削除されているという事実を知って愕然としている人は中年です。よって精一杯若作りをして「年は教えないけど、私、何歳に見える?」何てことを言って周囲の人を困らせている貴女も何かの拍子に「士農工商は云々かんぬん」等と訳知り顔で言うと、聞いている若者はやはりいい年したおばはんだったかと年がばれるので気を付けましょう。後、筆者の経験談で言うと同僚でこういった女性が居た場合は大抵課長辺りの誰かが裏で本当の年をこっそり教えてくれたりします。

吉兵衛と吉之助は借金のために豪商、板垣与三次の元を訪ねると、吉兵衛は100両の借金を申し込みます。与三次は悠々と扇子を仰ぎながら「赤山様のお引き合わせとは申せ・・・」と腹が立つほどの余裕を見せると「貸してくれんか」と吉兵衛が気合の込もった借金の申し込みをし、その父の姿を吉之助はおいおい大丈夫かという顔をして眺めると、僅かな沈黙の後に与三次は頭を下げて借金を断り立ち去ろうとすると吉兵衛は深い溜め息を吐き、吉之助は「待ってくいやんせ」と与三次を引き止めると電光石火で畳の上から軒下へ降りて必殺の土下座をして頼み込みます。僅か2話の間に2回も土下座をしている吉之助です。しかし今回は100両という大金です。しかしそこは後に幕府を倒す程の男です。なんと親父も横に並んで一緒に土下座させるのです。これに気を良くしたのか何だかはよく分かりませんが与三次は100両貸してくれる事になりました。「必ずやお貸ししたもんはお返し下さっ筈でございもす」等と言っていますが、まさか翌年に再び100両貸してたもんせ!!と言って現れるとは思わなかったのではないかと予想します。因みに、与三次が貸すことを決断した辺りで与三次の頭の周りを1匹の蝿が飛び回っているのですが、きっとこの瞬間死臭が漂ったのでしょうな。

この当時の1両は諸説あるのですが大体10万円位という見方が多いようなのでこの考えを採用すると100両は今で言うと1000万円位の価値となります。板垣与三次の具体的な情報は見つからなかったので、この後に商売が上手く行ったのかどうかは不明ですが、翌年に再び100両の借金を申し込まれて、これを受けたのは間違いないようです。この時は土下座の最上級である五体投地を炸裂させたのか、はたまた草履の裏でも舐めたのかは不明ですが与三次は商人に珍しい人の良さを持っていたようです。当たり前ですがこの200両の借金は長い間、返されることはありませんでした。しかし、これは西郷隆盛の中で負い目として残り続けたようで明治時代に入ってから倍の400両とお礼状を添えて返そうとしますが、当の与三次は貸したのは200両であると言って、余計な分は西郷隆盛に送り返すという粋なことをしています。

板垣与三次から借金を成功させて二人は帰り道の途中で100両を眺めると吉兵衛は噛んでみると軟らかいそうじゃ等と言ってオリンピックの金メダリストよろしく二人で小判を噛んでみたりしています。
そこで芋泥棒として村人にしばかれている子供を吉之助は助けようと「子どもは国の宝でごわす。そげん殴ってはいかんど」と言って止めに入ると、村人も子供相手に大人気ないと我に返ったのか芋を返せば良いと妥協案を持ち掛けますが、当の子供は自分の畑で取れた我が芋であると手に持つ棒切れで村人達を叩きのめして立ち去ります。これが中村半次郎、後に桐野利秋と改名。西郷隆盛の刀となる男です。今回の第3話のタイトルにもなった通り西郷隆盛にとって重要な出会いの場面でもあったのですが割りとあっさりと描かれます。
そして100両を手にした吉兵衛は早速、白米を買い込み皆に振舞いました。借りた金をどう使おうと借りた側の勝手です。吉兵衛はおそらくですが現代で言うとカードのキャッシング残高を貯金と間違えるタイプの人間のようです。

その翌年に西郷家は再び板垣与三次に100両の借金をお代わりする為に向かったそうじゃあ。めでたしめでたし。

西郷どん3話感想つづく。