昨日あげた真田丸19話 感想の続きになります。今回は蔵から出て来て遭遇したきりと茶々の駆け引きについて書いてみたいと思います。
蔵から出て来る茶々と幸村の二人。
幸村は先に出たであろう茶々と一緒のところを誰かに見られていないかと警戒しながら、しかし茶々との距離を詰めるように、そして隣に並んだか並んでいないかのタイミングで「源次郎様~」ときりが現れます。
邪魔をされたと茶々の表情が膨れています。
ですが、蔵に入る前までならば引き気味で人に見られてはならぬと茶々との距離を空けていたであろう幸村が気が付けば茶々に追い掛けて横に並んでいる辺り、やはりこの手の駆け引きにおいて茶々は達人であるとしか言いようがありません。
きりはその中で隣り合っているであろう茶々のことを知ってか知らずか完全に無視して、カステラを渡そうとする姿は思いの一途さによる無邪気さなのか計算なのかは図りかねる所ですが、茶々による幸村篭絡の前進を見事なまでに潰しています。
しかし、恋愛のスタイルにおいて二人は対称的です。
お茶々:相手との駆け引きと技巧によって無類の強さを誇る頭脳派
きり:天性の勘で相手の攻撃を潰し見事なストレートを打てる天才派
といった所でしょうか。
能天気に幸村を見つけて小走りでやって来て幸村にカステラを勧めるきり。
すかさず幸村が無下に出来ない事を知っている茶々が「美味しそう」と現れて存在主張。驚くきりに対して「見なかった事にしてくれ」と伝える幸村。
ここで茶々はきりに対して格の違いのようなものを明確化させているのは流石です。
茶々先輩マジパねぇっす!!と思わずにはいられません。
そして二人を呆然と見送るきり。
これだけ見るときりは茶々の完全勝利のように見えますが、
きりの天才的なディフェンスの効果が現れているのが次です。
きりが現れる前の二人
幸村と茶々は横に並び袖が触れ合う程に二人の距離は縮まっていました。付き合う少し前位の距離感です。
きりが現れてからの二人
何という事でしょう!!いつの間にか営業同行で女上司に付いていくような距離感になってしまいました。
幸村攻略戦において一度は梅に見事に敗れ去ったきりではありますが、あれはベテランボクサーの如く堅実なジャブでコーナー隅っこに追い詰めた上で「妊娠しました」のフィニッシュブローを放てる梅が特別だったのであって、こういった破壊工作をカステラ(貰い物)一個で行えるきりはやはり天才であると思うのです。
また次に続きます。