真田丸20話感想「前兆」⑤秀吉激怒の背景


前回は幸村と平野の二人は落書き事件の容疑者である道久を問い質しました。
その結果を三成へと報告します。

字が書けぬという問いに対して三成は
「坊主だったのに字が書けぬか」
「顔にも刀傷がありました、誠に坊主なのやら」

吉継により、そもそもこんな事を気にしなければ良いのだ。という発言により光成は秀吉に上申します。

秀吉から激怒される三成 光成が秀吉にその旨を伝えますが怒りは収まりません。
秀吉の怒りは全く収まっておらず、それどころか門番を牢に閉じ込め、明日の晩に悉く磔の刑に処されることとなってしまいました。

「儂が本気で怒っていることを世に知らしめるのだ」

牢へ連行される門番たち

牢へ連行される門番たち

次は俺たちの晩だと焦る平野と幸村

次は俺たちの晩だと焦る平野と幸村

そこで幸村は再びきりの力を借りて秀長に助力を請います。

きりの頼みなら聞いてやろう

きりの頼みなら聞いてやろう

実際に秀長は1584年の四月下旬小牧・長久手の戦いの際に滝川雄利らの入る松嶋城を攻めていた折に、松嶋城の慶宝という女性の願いを聞き入れた結果として和睦したことがあります(勢州軍記 巻下)

落首の件にて秀吉への取り成しを依頼する幸村

落首の件にて秀吉への取り成し方を相談する三人

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落首事件の件を伝えた秀長。ビックリする位秀吉にキレられます。
今度はプラスアルファで犯人の親類縁者も磔となりました。

そして2月25日の夜に17人の門番たちは磔にされました。

更に咎人が出るまで町人をクジで選んで一人づつ磔にすることとなりました。
三成、吉継、幸村の三人は途方に暮れます。どうすりゃいいんだよ

そして尾藤道久が死亡した知らせが入ります。
ここで幸村が閃きます。

妙案がございます

妙案がございます

幸村は道久を落首の咎人として差し出すことを発案します。
三成は躊躇しますが吉継が後押しから実行する事となります。

届いた尾藤の首

届いた尾藤の首

首は光成によって秀吉に届けられます。
秀吉は首を六畳河原に曝し、一家親類を探し出して首をはね、隣近所の住人も磔を言い渡されます。

それを阻止するために光成が命を賭した説得を行います。
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三成への説得が言い渡される寸前で寧々も説得に入ります。
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茶々も加わります。
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そして言います「この子供の父親は源次郎です」
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それを聞き愕然とする秀吉
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一緒に愕然とする幸村
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それを見て「そんな訳がないでしょう」と茶々は諭します。
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それを聞き秀吉は安心します。
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どうにか事は収まり、後の対応を話して無事に終了です。

この回では、秀吉の老化が気になりました。
気が付けば秀吉も白髪が随分と増えていたのが気になりました。

(前回19話での秀吉(1587年))
どういうことから説明せよ

(今回20話での秀吉(1588年))
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秀吉激怒の背景
この時の秀吉は調べてみると、試行錯誤の時期であったのか色々なことを試しています。

例えば1585年に八条宮智仁親王(正親町天皇の孫)を猶子としたり、後陽成天皇に対しては養女である前子(さきこ)を女御として入内させたりといったように朝廷との緊密化を図ると同時に、秀吉が天皇の御落胤であるという説を流布させていたとも言われています。
(ご落胤説は1585年1586年に集中した後、1586年12月17日に秀吉の擁立する後陽成天皇を即位した段階で必要なくなったのか、以降は流れていないようです(参考資料:天下統一と朝鮮侵略))
他にも秀吉は母である大政所の胎内に太陽の光が入り生まれた日輪の子とも称しています。ただ、これは秀吉も荒唐無稽に過ぎると思ったのか1590年11月の朝鮮国王宛書簡、明・高山国・呂栄への外交文書にのみ使われているようです。

この様に秀吉は、自身の神格化を行おうとした節があり、それを前提とした施策を行っています。
その問題点は自身が神格化されるという事は、その後継者には秀吉の血が流れていなくてはならないという事です。

こういった点から考えると秀吉の子供の血筋を疑う落首事件というのは、秀吉の世継ぎにとって命取りになる程の危険性を孕んでいます。
その為に、落首事件の容疑者へ虐殺とも取られ兼ねない熾烈な対応を行ったのだろうと思います。つまりは落首事件を規範とすることによって、それを秀吉の子供の生まれを疑う者は死罪となり口にすることも許されないという事を世に知らしめることを望んだということなのでしょうね。
まぁ、でも日曜のドラマで虐殺シーンなんか見せられたら溜まったものではないと思うので、ドラマの展開は脚本の妙なのかなぁとも思っています。

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