真田丸23話感想「攻略」④落城を前にした想い

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前回は豊臣秀吉の小田原征伐によって籠城戦を行っている北条氏政の持つ勝算と誤算について書きました。

今回は氏政へ氏直が打って出るという進言を断った氏政が奥へと消えた所からです。
二人になると江雪斎は氏政の考えるように秀吉配下の者で歯向かう者が出て来るとは考え辛いことを伝えます。氏直は「軍議を開く、家臣一同の意見も聞きたい」と答えます。

江雪斎は既に聚楽弟に赴き秀吉の力を見ていることが、氏政との判断の違いを生じさせているのかと思いました。氏直は江雪斎の報告と情勢から状況を理解できてしまっていることが尚更に悲劇の色を強めていると感じます。

大阪城で待つ寧々と且元、病身の秀長
聚楽態にいる寧々に秀吉から茶々を小田原に呼び寄せる文が届きます。一緒にいる秀長と且元に「大名たちに身内を呼び寄せたるように言うたそうです」と伝え、秀長は「随分と珍しいことでございますね」と言い、且元は「では、北の政所様も小田原に」と言います。

寧々様も小田原に向かうのですね。

寧々様も小田原に向かうのですね。

寧々は「私は参りません。呼ばれたのは茶々殿だけ。うちは残って若君のお世話」ここで且元は失言をしたことに気が付き、決まり悪そうにします。

またやってしまったでござる・・・

またやってしまったでござる・・・

寧々は且元に茶々に秀吉が呼んでいる旨を伝えるようにと頼むと喜んで向かいます。それを寧々は笑顔で見送ります。秀長もそれを見送ると寧々に「姉上、申し訳ありません」と謝ります。
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寧々は自分の役割は公家衆の持て成しであり、秀吉の傍は茶々の役割であると言い、それを秀長は黙って聞きますが、途中で咳き込んでしまい寧々に「身体を早く治してちょう」心配されてしまいます。

相変わらず且元の間の悪さが目立ちます。残念ながら秀吉がいないので、激怒されて「ひぃい」という姿も、平野もいないので且元を蔑む素敵な笑顔も見れないのが残念です。
ここは寧々の気遣いが光る場面でもあり、同時に秀長が秀吉のフォローをしている姿は秀吉の欠けている部分を補っていた人物が秀長であるということを暗に物語っているように見えました。

松井田城で酒を酌み交わす昌幸、景勝、信幸、兼続
場面変わって、昌幸を率いる上杉は松井田城を攻略して酒を酌み交わします。
昌幸は「やる気が起きん」と言えば景勝も「儂もじゃ」と同意して大義が無いと言い、昌幸もこれに同意します。信幸は「関白殿下は日の本から戦を無くそうとされています。それが大義とは申せませんか」と反論しますが、昌幸は「儂は秀吉の為に戦いとうないのじゃ」と答えます。
昌幸は次にどこを攻めると言うと信幸は武蔵野の忍城であると答え、昌幸は景勝に忍城攻略を任せてほしいと景勝の盃に酒を注ぎます。結果として、忍城の攻略は信幸に任されることとなり、昌幸はゆっくりやれと託して信幸の前から去った直後に今度は佐助を連れた昌相が現れます。
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昌相は北条と組めば秀吉に勝てると言い出します。
それを信幸は秀吉を倒しても乱世に逆戻りするだけだと諭し、昌相は佐助に北条に密書を届けろと命令しますが信幸は「言ってはならぬ」と声を荒げて押し止め、佐助の手から密書を取り上げると、傍にいると昌相の為にならないと幸村の傍に付くよう命じます。

この場面は昌幸と信幸の考えの違いが明確に出た場面であったと思います。
秀吉嫌いが根底にあるにせよ昌幸は乱世の人であり、それを望む。一方の信幸は平和を望んでいるように見えます。
昌幸と意気投合している昌相も例外ではなく、しかしリアリストである昌幸が北条と結ぶことを許す筈がなく、それならばと信幸を焚き付けようと動いたのだと思うのですが、信幸が同じない所かそれを押し止めた成長に驚いているようにも見えました。

小田原評定
そして5月に入ると北条側では毎日のように軍議が開かれています。後に小田原評定と呼ばれ、物事の決まらない例えとして使われる事となります。これを抜け出した氏直は江雪斎にこのままでは埒が明かぬと嘆き、また江雪斎に氏政が歌や蹴鞠に興じて化粧までしており気持ちが分からぬとこぼします。

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江雪斎は氏政に会い、言います。
「戦を忘れ蹴鞠に興じられるは、誰よりも戦のことを気にされているから」
氏政は近くの鞠を江雪斎に投げつけます。
「お部屋に立ち込める香は体の匂いを隠す役目。この季節に湯あみをひと月もされないのは尋常ではございませぬ」
氏政は湯につかっている間に攻められたらと思うと入れず。自分が誰よりも怯えていれば士気に障る為だと答え、しかし「降伏はせぬ」と言います。
江雪斎はこの戦に勝つことは出来ないと絞り出すように進言します。
氏政は「いずれ伊達が来る。伊達さえ来てくれれば」と言います。
それはいない神の救いの手を待つ虚しい祈りの姿に見えました。

阿国との宴

さぁ殿下、一緒に踊りましょう

一方で秀吉は京より茶々を呼び寄せ、出雲阿国に舞わせて宴を開き、そこで酒を飲み、一緒に踊っています。
途中で茶々は抜け出します。

小田原城を見下ろす茶々

小田原城を見下ろす茶々

宴を抜け出した茶々は小田和城を眺め、深いため息を吐きます。
茶々は今までに二つの落城を経験しています。
一つ目は小谷城、父が自害して兄は磔とされました。
二つ目は北ノ庄城、母は茶々達姉妹を逃がすと自害しました。

茶々が落城する他ない小田原城を眺め何を思ったのかは推し測る他ありませんが、穏やかなものではないように見えます。

その姿を幸村が見つけ「どうされたのですか」と声を掛けます。茶々は「退屈なんですもん」と言い、殿下は?という問いに踊ってらっしゃいますと答え、千利休のいる場所へと案内をさせます。

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千利休は各大名達が身内を呼んだということで退屈をした子女は買い物をすると踏んだのでしょう。商品を販売する会場のようなものを設けていました。
茶々は中にある一面の扇に目を付けます。
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利休が「流石お目が高い。これは利休が特に念入りに作らせた扇でございます」と案内していると幸村が「又になさいませ、さぁ戻りましょう」と戻りを促しますが「戦はいつ始まるの?」と聞く耳は持ちません。「もう始まっております」と答える幸村ですが、茶々は「これが戦?浮かれ騒いでいるだけに見えるけど」と途中一瞬ですが嘲るかのように笑い不愉快そうに言います。「戦にも色々あるのです」と答える幸村に「折角来たからには城が焼け落ちるところまで見ておきたいわねぇ」と言い、それを聞いた利休は「これは面白いことを仰いますなぁ」と言いますが幸村は「縁起でもないことを、さぁ戻りましょう」と傍に寄って来たところに茶々は「持っておれ」と持っていた扇を持たせ、構わずに奥へと入って行ってしまいます。渡された扇を幸村は見ます。
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渡された扇に描かれていたのは肥後菊でしょうか?
菊の一般的な花言葉は「高貴」「高尚」
濃黄のものは「私を信じて下さい」
黄のものは「おぼろげな思い出」

今回は氏政の苦しさの伝わって来るシーンが多かったなぁと思いました。しかし氏政は江雪斎に蹴鞠や香を焚く理由を見破られますが、酒を飲む姿が見えないので常在戦場という認識なのだと思いました。
氏政は強すぎたプライドによって追い詰められていますが、領民に対しては善政を敷いたと言われ、家臣の裏切りも殆ど出ていないと言われる程に部下を大事にする良き領主であったというのを知ると、より残念な気持となります。
また、茶々の複雑な胸中も垣間見えた回でもあったと思います。

続きます。

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