真田丸感想27話「不信」①秀次の疑心

幸村、秀次を頼むぞ

秀吉と茶々の間に再び男子が生まれ、秀吉は大喜びです。
そして秀次の孤立は深いものへとなっていきます。

大阪城で幸村は秀吉から呼び出され明日から関白付けになれと命じられます。
「太閤殿下の下で学びとうございます」と断りますが、「儂はもう隠居じゃ。世間は儂に子供が出来たんで秀次を疎んじているように思っておるかもしれんがな。まぁそんな気持ちも無いではないが」そう言うと幸村の目の前に座り「その前に孫七郎(秀次)は可愛い甥っ子じゃで何とかしてやりてぇ思うんだわ。頼むで」そう言うと秀吉は幸村の手を取るのでした。

この辺は秀吉の本音だろうなぁと思います。確かに秀吉は自分の子供に跡を継がせたいというのが本音だと思うので秀次を疎んじる気持ちが無いとは言えないと思います。事実、秀次と秀吉の仲は直前まで表面上は良好であるという見方をされたと言われています。

落ち目じゃのぉ

落ち目じゃのぉ


幸村は関白である秀次付きとなり、廊下を渡っていると平野が現れ「今度は関白殿下の所に参るのか」と探りを入れて来ます。幸村は「そうなりました」と言葉少なに後にしようとしますが平野は食い下がって後をついて来ます。
「変わり身が早いなぁ」幸村は無言で立ち去ろうとします。
「儂も関白殿下付きが良いなぁ」そう言うと幸村の肩の埃を払います。
「真田殿。一つ口を聞いては頂けませぬか」そう言うと軽く頭を下げます。幸村は軽く会釈すると無言で立ち去ります。
その姿を平野はスルメを噛んだ笑顔で見送ります。
秀次は秀吉が冒頭で言っていた通り、秀吉から疎んじられていると見られており、完全な落ち目と見られています。
従って、日本の最高権力者は間違いなく秀吉であり、そのお付から落ち目の秀次のお付ということは幸村も落ち目と見られてという事です。平野はそんな幸村を揶揄って遊んでいたという事ですね。
しかしこう見ると平野って普通に嫌な奴ですね。

2016-07-14 04.48.12
幸村は京の聚楽態に赴き秀次に着任の挨拶をすると「お主がいてくれれば安心だ。色々と助けてくれ」と声を掛けます。幸村は「お力になれるか、心もとのうございますが」と返すと秀次は「正直な所を申せ、叔父上は叔父上は私の事を、どう思われておる」と探りを入れてきます。幸村は「もちろん頼りにされておられます」と無難なことを答えますが秀次は更に「私を関白にしたことを後悔しておいでではないか」と追及します。幸村は「お考えすぎでございましょう」と答えますが、秀次は「自分はあくまで若君が元服するまでの繋ぎだと思っておる。そのこと叔父上には伝わっておるのか」と弁解じみたことを言ってきます。幸村は「心配なら一度ご自分からはっきり申し上げた方がよろしいかと」と自分で秀次の疑心を払う事は出来ないと秀吉と直接、話すことを提案します。

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秀次は秀吉に会う為、大阪城へと訪問します。
出迎える寧々に「源氏物語宇治十帖」の全巻がようやく手に入ったと伝えると、寧々は今度取りに行かせます。と喜びます。

実際に秀次は古典の収集を行っており、これを保護するといった事も行っています。また集めた書籍を朝廷に献じるといった文化人の顔を持っています。その関連からなのか公家衆との親交も多くあったようです。
秀次の関白という役職から公家との付き合いを欠かすことが出来ないと考えると秀次という人は豊臣一門の中で関白という役職の資質は持っているようです。現に二回目の聚楽大行幸は秀吉ではなく秀次が迎えており、失敗したという話も聞かないので公務もきちんとこなしているんですよね。

2016-07-14 04.49.21
秀吉は子供に名前を付けました。「拾」です。理由は拾いは丈夫に育つという理由からでした。且元は「お拾い様」と呼びかけると「違う。おは付けんで良い。ぞんざいに扱う方が良いのだ」と秀吉に怒鳴られます。いつもの且元です。
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大蔵卿局が「お父上が分かるのですねぇ。笑っていらっしゃいます」と声を掛けて来ます。茶々は「お顔が面白いからでしょ」と軽く流します。
秀次は「太閤殿下。拾い様が元服され、次の関白になられるまで私がしっかりとお支えして参ります」とようやく言いたかった台詞を言う事が出来ました。
秀吉は「孫七郎ちょっと」と話があるのか秀次を連れ出します。寧々が心配そうにその姿を見送ります。
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気持ちの良い陽射しの差す縁側に秀吉は腰を下ろすと秀次に座れと隣を指さします。
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秀吉は「おまえに一つ相談がある」と懐から紙を取り出し「年が明けたら儂は日の本を五つに分けようと思っておる。その内の四つをおまえにやるから、一つだけ拾いにやってくれんか」と話を持ち掛けます。秀次は顔を引きつらせて「太閤殿下・・・」と声を発しますが「九州だけで良い、九州だけで良いから拾いにな、頼む」と笑顔で言います。「関白になれば一つと言わず全て拾い様のもので」と言っている言葉を秀吉は遮って言います。「違うのだ。そんな先の話ではなく、拾いが儂の言葉を分かるようになったら、ここはおまえの国だと言ってやりたいのだわ。頭の隅にでも留めておいてくれ」と言い残して部屋へと引き上げてしまいます。
秀次は何も言う事が出来ず、動揺し座り込んだままです。
2016-07-14 04.54.15
秀次にとっての受難とは拾が生まれた事によって生じた疑心にあると思うのですが、拾が生まれたことによって茶々の権力が強くなっている事も不幸であると言えます。秀吉が拾の名前を披露した際に、茶々以外は応えませんでしたが大蔵卿局が途中で話に参加しようとしていました。これは茶々の立場が上がったことによって、側に付く大蔵卿局の立場も強くなりつつあることを示しているように思えました。
これらによって何が秀次の不幸に繋がるかと言えば、茶々の権力が強くなることで秀次を擁護してくれる寧々の発言力が弱くなってしまうという点にあります。

続きます。