真田丸感想28話「受難」②女の戦いの巻


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前回、失踪した秀次を幸村は大阪城で見つけ出すことが出来ましたが秀次はそこから動こうとしません。
今回は仕方ないので幸村が秀次を京の真田屋敷に連れて来た所から始まります。

真田の屋敷では信幸と薫と稲の三人が出迎えます。
信幸は「関白殿下は公家衆にも面識が多いと聞きました」と言い、秀次は「公家衆と会うのが仕事の殆どじゃ」と答えます。

関白という役職は元来、武家ではなく公家の最高官位であったので、自然と公家との関係が強くなるのでしょうね。

信幸は秀次に我等の母も公家の出なのですと明かし、左様ですね母上。と薫に確認するように問い掛けると、薫は目を泳がせながら「ええ、まぁ・・・」等ともごもごと答えます。
秀次は「して何処の?私の知る方だろうか」と知り合いの話が出来て嬉しいのか喜んだように聞き返しますが「公家と申しましてもぉ、私の父は、ほんの端くれでございますから」と話を濁そうとします。横の信幸には「源三郎余計なことを」と釘を刺しますが「菊亭様でございましたわね」と稲が答えてしまいます。
秀次は聞き覚えがあるのか「菊亭?」と聞き返し、稲は「菊亭晴季卿」と正確な名を答えます。それを聞いた秀次は「菊亭は私の妻の里。晴季卿は私の舅だ」と言います。幸村が「左様でしたか」と相槌を打つと「と、なると、あなたは妻の・・・、姉?」と秀次は薫に問い掛けます。

はて?風のような・・・、雲のような・・・

はて?風のような・・・、雲のような・・・

薫は首を傾げながら「公家は似たような名前が多くて、多分、別の菊亭かと存じまする」「いや、そんな訳は」と秀次が言いますが「もうこの話は」と薫が話を打ち切ろうとすると「母上」と信幸が話を続けようとしますが、察した幸村が止めようとします。しかし尚も信幸は「まさか・・・」と追及しようとした所で「ゴホンッゴホンッ」という幸村のわざとらしい咳払いでようやく止まりました。いつの間にか薫の顔から表情は消え失せて能面のようになっています。今なら面なしで能を踊れそうです。

場に気まずい沈黙が流れます。
「そうだ。おいしい落雁があった筈。おこう、おこう」と薫は奥へと引っ込んでしまいました。信幸はその姿を呆気に取られたような顔で見送り、幸村は顔を引き攣らせ、秀次は何事かを察したのか強張った笑顔で頷くのでした。

因みにここで言う秀次の妻は菊亭晴季卿の娘になり秀吉の元側室で病の為に帰っている所を秀次が見初めて娶ったという女性になります。恐らく大変に見目麗しい女性だったのではないかと思われます。まぁ薫だって若い時は美人さんで鳴らしていたのですが、まぁ、ねぇ、ちょっとアレかな?まだ当時27歳程度の秀次には、まだ分かり辛い魅力かも分かりませんな。

は、母上・・・?

は、母上・・・?

・・・。

・・・。

うん。世の中には知らぬ方が良い事というのはあるものだな。

うん。世の中には知らぬ方が良い事というのはあるものだな。

その後に自室に戻った稲は徳川へ送る手紙の中で関白秀次の事と薫が公家の菊亭晴季の一門の者ではないことを知らせようとしますが、書き上げたところで襖が音を上げて開き、おこうが現れます。
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「無礼ではありませんか」と言う稲に、おこうは無言で近づき文机の上に裏返されて置かれた手紙を取り上げて中身を確認すると稲は「どのような些細な出来事も知らせるように徳川の殿に言われております。それが私の役目。薫様が公家の出というのは嘘ですね」と言うとおこうは無言で手紙を破り「真田の内情をお伝えするのが貴方のお役目ならば、それを押し止めるのが私の役目」と言って立ち去ろうとしたところで稲は「おこう。そなた。旦那様の前の奥方だったそうですね」と声を掛けて止めると「私が知らぬと思ったか」と威圧します。おこうは稲に背中を向けたまま「そうであろうがなかろうが」と言って振り返ると「私は真田だけをお守りするだけにございます」そう言うとお辞儀をして、その場を後にします。稲は瞬きもせずに見送ります。
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この二人のやり取りは女の戦いという気がしますね。おこうは稲が正室となることで正室の座から追われています。
歴史家の見る所によると、実際の二人は住み分けのようなものが為されており、対外的な妻は稲。上田においての妻の役割はおこうが担ったのではないかとも言われています。
それも、こういった対立を経た上で各々の役割が決まっていったのではないかと思うので、今後も二人の対決は続くのではないでしょうか。

しかし、稲は実家に手紙で真田の内情を知らせる訳ですが、この点は問題視されなかったのかと単純に思うのですが、戦国時代の嫁入りと言うのは同盟の証であったり、人質として出すという事もあるので自然と政略結婚の意味合いが強くなります。従って嫁入りした後も自分の無事を知らせる為に状況を実家に知らせることは必要とされていたようです。
当時、他国から嫁を迎えるということは自国に外交官を迎えるという意味合いが強かったのでしょうね。

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一方で稲とおこうの火種となったことも知らずに、薫は屋敷へと戻ってきた昌幸の晩酌相手を務め秀次のことを報告します。それを受けた昌幸は「そうと知っていれば、もっと早く帰ってくるんだった」と言います。
薫は昌幸の女遊びのことを知ってか知らずか「お勤めご苦労様に存知まする」と言って空になった杯に酒を注ぎます。心なしか酒を受ける杯を持つ手が震えているように見えます。更に薫は「毎日、大変でございますこと」と言って昌幸の表情を覗き込みます。昌幸は「いや、まぁ、くたくたよ」と答えるのでした。
と、まぁ、こういった具合に薫は薫で別の女の戦いをしているのでした。

いやぁ、毎日くたくよ(女遊びで)

いやぁ、毎日くたくよ(女遊びで)

続きます。

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