真田丸感想29話「異変」②秀吉に迫る死の影


2016-07-28 22.47.35

秀吉が寝所でうなされて目覚めます。
体を起こすと目を見開き、信じられないものがあるかのように目だけを下に向けると、布団を跳ね除けます。
光成と幸村が寝所へと呼ばれます。

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二人が到着すると秀吉は隅に隠れるように座り込んでいます。
光成は背を向けたままの秀吉の前に跪き「殿下、左衛門佐が参りました」と告げると、秀吉は何も言わず顔を上げ振り向きます。幸村は何も言わずに頷きます。何も言葉を発しないままの秀吉に光成は「後は左衛門佐と私で何とかします」と言うと、秀吉は力ない声で「すまぬ」と言うと俯いてしまいます。
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光成と幸村は秀吉の濡れた布団を回収します。
光成は「今夜は久しぶりにお酒を召し上がったので、ついやってしまわれたのだろう。城内に詰めとって良かった」と言い、幸村が布団を抱えて「この御褥いかがなさいます」と聞くと光成が手を上げて制します。見回りの者でした。

この光成と幸村の行動は単純に仕える者として主君に恥をかかせる訳にはいかないという気持ちと、もう一つ豊臣政権は秀吉に権力の集まった独裁政権です。その状態で秀吉が弱っていると言う評判は政権を揺るがし世に混乱を齎す恐れがあるということなんでしょうね。

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幸村は且元の部屋を訪ねます。
且元は「こんな夜中にどうした」と対応します。
幸村は「今夜は且元様が宿直とお聞きしまして」且元の手を握り、秀次事件から不安で堪らず、それを考えると胃が痛くて一睡も出来ないと言い且元が厨房に置いている胃薬を分けてくれと頼みます。且元は薬を分けることを了承して「そうか胃が痛むか」と言って幸村の肩を抱いて一緒に厨房へと向かいます。

且元殿に小便漏らしになって頂こう

且元殿に小便漏らしになって頂こう


布団を抱えた光成は且元の姿が見えなくなったのを見計らって部屋へと入り布団を入れ替えるのでした。

且元が意外に同情的に対応してくれる隙を突いて寝小便した布団を押し付けるのに心が少し痛みました。しかし、幸村が突然に且元の手を握ったかと思うと、且元が幸村の肩を抱いてどこかへ向かう画だけを見ると薄い本になりそうです(需要があるのかどうかは分かりませんが)まぁ、もしかしたら酔狂な誰かが謎の美化処理を施して描くこともあるのかもしれません。ついでに書いておくと、昔から衆道、つまりは男色というのは存在していたようですが秀吉はこれらをに関心を持たなかったと言われています。
何でも男色のなさを訝しんだ家臣が家中で一番と言われる美少年と秀吉を二人きりにしたところ、秀吉は美少年に「妹はいるか」と尋ねただけだったそうです。

秀吉は寝所で暗闇の中で明りも灯さずに眠らないまま座り込み呆然と考え込んでいます。

この出来事は秀吉自身、老化を自覚せずにはいられなかったのではないでしょうか。同時に秀次の死によって未だ幼い拾(秀頼)を守る為にはどうすれば良いのかというのも秀吉にとって大きな悩みであり、それは自分の死が近付きつつある中でのものでした。

光成と幸村は部屋に入り二人になると光成が秀吉の顔を見てどう思ったかと尋ねます。幸村は髭がなかったと答えます。光成は秀吉の髭が薄くなり先月から付け髭にしたことを教えます。
それを切っ掛けにして幸村は秀吉が何度も同じことを言う事、怒りを抑えることが出来なくなっている事を指摘しますが、光成は全て昔からだと答えると自分は長く仕え、変わり様は分かっていると伝えます。幸村は、やや沈黙した後に左様でございましたかと答えます。

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二人は秀吉の待つ寝所へと訪れると秀吉は「死んだ後のことを考えていた」と言い、光成は「ご用意の宜しい事で」と応えると秀吉は「拾が元服するまで関白は置かぬと決めた。それまでは奉行衆が政を行え」と言い「畏まりまりました」と光成は受け入れます。秀吉は更に光成に「日ノ本の事、豊臣の事、拾いの事、よろしく頼む」と言います。これには「寝小便くらいで弱気になられては困ります」と光成は秀吉の弱気を嗜め、秀吉はそれに微かな笑顔を浮かべ、幸村には光成の力になってやれと頼みます。

実際に豊臣政権末期である慶長3年(1592年)頃に成立したと言われる五奉行に三成は含まれています。これは豊臣政権の中で特に重要な役割を担ったと言われる五名の事であり、その中で三成は行政を担当したと言われています。
また、五奉行の大きな役割の一つには徳川家康への対策があったとも言われています。
しかし、当初は「五奉行」と言う呼び方ではなく「年寄」と呼び方をしたりと試行錯誤があったようです。そして家康のような宿老を「御奉行」と呼ばせることで、呼び方からも三成たちに政治的な重みを与えようとした節もあります。

秀吉は幼い拾(秀頼)を三成たち官僚機構を後ろ盾とする事で守ろうという構想が有ったのではないかとも思います。
豊臣政権という秀吉の独裁政権を作り上げた男が、それと真逆の合議制を推し進める事に頭を悩ませるというのは歴史の皮肉であるようにも感じます。

第29話感想、続きます。
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