真田丸感想29話「異変」③きりのお使い

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前回は秀吉に忍び寄る死の影についてでした。
今回はきりのお使いです。

昼間に寧々は秀吉の為に「近頃、しょぼくれとるで」と言いながら生せんべいを作ります。きりは傍で火炊竹で竈の火を燃やします。「これでも食べて元気出して貰おう思うてねぇ」と寧々はきりに語り掛けますが、きりは何も答えられません。寧々は「孫七郎には目を掛けられとったもんねぇ、こりゃあ元気もなくなるわねぇ」ときりを気遣います。そして同じく侍女のわくさからきりに頼み事があると申し付けると手を洗ってくると寧々は場を外します。
わくさはきりに大阪の屋敷に行き細川越中守の奥方に渡してほしいものがあると頼まれました。
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伏見城の普請場では信幸が城の普請に当たります。昌幸は昌相と出掛けており、信幸は毎日どこに行っておられるのだと零します。するとそれを聞いていた一人が昌幸が遊郭に入る所を見たと伝えます。そんな所にきりが現れます。
きりは挨拶をすると「殿様はご不在ですか」と信幸に尋ねると「ここには居らぬ」と答え「難攻不落の城にしろと言われたが何が出来ると言うのだ」と愚痴ります。様々な城の図面を取り寄せてはいるようですが方針が決まらないようです。
きりは信幸の話を全く無視して何処かを眺めていると信幸が何をしに来たのだと咎めますが、きりは吉蔵という大工を捜しに来たのだと言うと普請場で大工の頭として雇われていることが分かります。
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きりは吉蔵と会うと、わくさから頼まれて受け取るものがあると伝えると「ああ、マグダレナ様・・・、ガラシャ様に良しなに」と台座の上に十字架の掲げられた木彫りを渡します。きりが受け取った木彫りを眺めると台の下にふらんしすこと彫ってあるのを見つけます。その様子を見て取った吉蔵は自分を指差し「ふらんしすこ吉蔵」と首からぶら下げた十字架をかざします。きりは曖昧な笑顔を浮かべるのでした。
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きりは大阪の屋敷に届けものをする前に京の真田屋敷へ挨拶に向かいます。
先ずきりは薫に幸村の祝言の折に急用で帰れなかったと詫びます。薫に新しい奥方のことを聞くと「どことなくお梅に似ているのです」と教えてくれます。薫は春の事を気に入っている様子で良い縁であったと満足気です。
次にきりは昌幸に挨拶をしようとしますが帰っておらず普請場にいると聞かされますが、普請場には信幸しかいなかったと答えます。薫は何か思い当たる節があるのか少し考え込んだ後に「そんな筈は・・・」とやや裏返った声で言います。

そ、そんな、うちの人に限ってそんなことが・・・

そ、そんな、うちの人に限ってそんなことが・・・

昌幸は其の頃、太夫の弾く琴の音に聞き入っていました。
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琴を弾き終わった太夫が酒を注ごうとすると昌幸は手を握り見つめます。「まだ、日ぃも高うございます」と太夫は昌幸の手を押し返しますが昌幸は「お天道様が何ぼのもんじゃい」と太夫の手を引っ張り抱きすくめて体を撫でるのでした。
昌相は別の部屋で佐助を相手に酒を飲み「殿の気持ちは分かる。しかし、昼間から太夫と遊び耽る殿を儂は見とうない」と言い、佐助は頷きます。
昌相は「昔の殿は何処に行かれた」と杯を傾けると佐助も慌しく杯を飲み干し、苦そうな顔をするのでした。

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夜、屋敷で信幸は薫の肩を揉みます。普請で疲れているだろうに孝行な信幸です。
しかし薫は信幸に「父上とはご一緒ではなかったのですか」と探りを入れます。それを聞いた信幸の手が止まりますが「まだ普請場にお残りです」と昌幸を庇いますが「正直に仰い」と薫の追及の手は緩みません。信幸は「どういう事で御座いましょう」と更に惚けますが薫は素早く手を肩を揉む手の上に載せて抑えると「女でしょ」と言い「え」と信幸は言葉に詰まりますが、薫は体の位置を信幸の正面に向き直して「あの人は女の所に行って居るのでしょう」と問い詰めます。「きりから聞きました。普請場にはあなたしかいなかったと」と更に鎌を掛けて来ます。
先程から信幸は逃げようと藻掻いていますが薫に腕を掴まれたままなので逃げられませんが信幸も成長しています。「申し訳ないが一日働き通しで疲れておるのです」と逆切れの勢いによって薫の手から脱することが出来ました。「戻ってきなさい」「逃げるのですか」という母の怒声を背中に聞きながら信幸は障子を閉めて部屋から脱出する事に成功しました。

自室にどうにか引き上げる事に成功した信幸ですが仕事に手が付く筈もなく図面を丸めて投げ捨てます。そして明りの消えたおこうの部屋に入ると驚く顔のおこうに「そのまま、そのまま」と言い「如何されました」と聞くおこうを押し倒すのでした。

信幸は事が終わった後に着物の乱れを直して部屋に戻る為に廊下を渡っている途中で障子が急に開き、信幸がそちらに顔を向けると稲が立っています。
「お話が」と稲は言って強引に信幸を部屋に引っ張り込みます。

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え!?

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ええ!?

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うわぁああ!!!

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私の言いたいことは分かりますね?

部屋に入ると信幸は稲の対面に座らされて「おこうの所に行かれていたのですか」と問い質されます。
どうやら信幸がおこうの部屋に通っていること家の中で噂となり稲の耳にも入っているようです。
稲は信幸に詰め寄り「これ程の辱めはありません。父に全てを伝えます」と、信幸曰く、心を開かぬ二度目の妻が恐ろし過ぎる舅に告発すると言ってきます。正に踏んだり蹴ったりという奴です。これに信幸は驚愕します。

そんな、金なら払う。それだけは・・・

そんな、金なら払う。それだけは・・・

その様子を見た稲は「もし、伝えてほしくなければ・・・」と暫く何事かを言おうとしては止め、言葉を呑み込むというのを繰り返していると「何でも言うてみよ」と信幸が言うと、稲は信幸に抱きつき、手に青筋が浮かぶほどの強さでしがみ付きます。初め信幸は唖然としていますが、やがて稲の腰に手をまわし受け入れるのでした。
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驚きました。稲の報告によって信幸は忠勝の槍の錆にされてしまうのかと心配しましたが、あの冷徹な稲が、まさかのツンデレです。また稲の試合運びも巧妙でした。信幸に事実を突きつけて上位に立ってから更に忠勝になます斬りにされる危機感を与えて要求を呑ませる状況を作った上で、あの展開ですからね。所謂、吊り橋効果も使うという周到さです。まぁ最初から素直に受け入れておけよとも思いましたけどタイミングの問題があったんですかね。

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お使いの挨拶で真田家に不倫騒動を巻き起こしたきりですが、本人はそんなことになっているとは露知らず、無事に細川がらしゃに届け物をします。
細川玉(ガラシャ)は明智光秀の娘であり、キリスト教を信じています。一般的には洗礼名のガラシャで知られています。
この人は元々、明智光秀の主君である織田信長から勧められて細川忠興と結婚しています。しかし本願寺の変が起きたことで逆臣の娘として天正10年9月以降から幽閉され、秀吉の取り成しによって細川の大阪屋敷に戻るという、波乱万丈な人生を送ってきています。
更にはバテレン追放令も出されています。キリスト教に対して弾圧と迄はいかなかったようですが大っぴらにキリスト教徒として活動するというのは難しい状況だったようです。その為、当初は亭主の細川忠興に洗礼を受けたことも言わなかったようです。
また、秀次もキリスト教を信じていたと言われており祭壇が隠されていたのも当時の状況を考えると頷けます。
ガラシャは気性として気位が高く怒りやすかったそうですが、キリスト教信者になってからは忍耐強く謙虚で穏やかなものになったと言われています。

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きりはガラシャと対面して、秀次から贈られた板絵のことを質問します。ガラシャは描かれている女性が聖母マリアであり、マリアは救い主キリストの母であると同時に全ての民の母でもあると教え、きりの守りともなるように贈ったのだろうと教えます。
それを聞いたきりは板絵を眺め微かな笑みを浮かべるのでした。

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城に戻るときりは粉を捏ねながら寧々に、使いの経緯の中でキリスト教のことを伝えると寧々もキリスト教の信者ではないと注釈が付くものの好ましい感情を持っていることを言います。

キリスト教は原則として一夫一妻制を謡っており、また姦淫を禁じています。この辺は当時の日本でキリスト教が女性に好かれた一因であったのかもしれないと思いました。同時に寧々の苦労が偲ばれもします。

一先ずきりのおつかいは無事におわりました。

続きます。

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