真田丸感想29話「異変」④親子其々の行く道


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前回はきりが使いを果たし、今回は昌幸が仕事をサボって太夫遊びに耽っていることが薫にばれそうになっている所から開始です。

薫は普請場に家の者をやって様子を探らせていました。
その結果、普請場に朝来ると直ぐに何処かへと行ってしまう。という事を掴んでいることを伝えます。朝から太夫遊びというのは嵌り過ぎです。さながらパチンコ屋に開店前から並んで閉店まで打っているような状態です。
昌幸は「大阪に行っておったのじゃあ。良い材木が、ちと足りなくなってなぁ」と真っ向から否定しますが、薫は「連日」と苦しい所を突いて来ます。そこで昌幸は「源三郎。母上は何が言いたいのじゃ」と信幸に助けを求めます。信幸は「父上が仕事もせず、女の所に通っていると、思っていらっしゃるのです」と昌幸と目を合わせずに言います。
どうやら信幸も昌幸の連日の女遊びをどうにかして欲しいと思っているようです。新しい弟か妹はいらぬという事なのでしょう。
昌幸はくぐもった声で笑いますが表情は笑っていませんが、下らんと切り捨てようとします。
そこで薫は「出浦殿に訪ねます。殿の言葉に相違ございませんか」と今度は出浦を援軍に付けようとします。昌相は沈黙します。薫は「毎日、大阪まで行かれていたというのは本当ですか」と畳み掛けてきます。昌幸が首を横に振って必死に牽制してきます。返答を渋る昌相に薫はややヒステリックに「お答えください」と迫ります。昌相に注目が集まりますが、昌相は右上を目だけで見始め、やがて顔を上げて天井を見ます。天井に何かあるのかと他の皆も見上げますが何もありません。昌相に視線を戻すと昌相は消え失せて羽毛が一枚だけ宙に舞っていました。

ん?

ん?


あれは何だ?

あれは何だ?


天井になにかあるのですか?

天井になにかあるのですか?


後には埃だけが舞っていたとさ・・・。

後には埃だけが舞っていたとさ・・・。

流石は忍者としても知られる昌相です。何でもは部下を城に忍ばせる際には先に自分が入って一通り確認して正確度を測るという事をしていたという、そこまでやるなら、おまえがやれよという逸話を残す人物なだけはあります。

薫は廊下に出ると「戻って来なさい。出浦殿、出浦殿。逃げるのですか」と呼びかけ、探しますが見つかる筈もありません。しかし昌幸も周囲の反応を見て考える所があったのか信幸に図面を見せろと指示します。
昌幸は差し出された図面を丹念に眺め始めます。薫がその横でお酒の匂いがする時は仕方ないにしても白粉の匂いがするのは云々と言っている言葉が聞こえない程に集中します。
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そして信幸に図面に目を落としたまま何だこれはと聞き、「伏見城周りの絵図面ですが」と信幸が答えると「このような平城。一気に攻め潰されてしまうではないか」と言います。その横では薫が「初めてご覧になるようでございますねぇ」と皮肉を言っていますが、それを一切無視して「おまえの目はどこについておるのじゃあ」と信幸を叱ります。
そうして伏見城の図面を広げて指差すと「この高台に出城を作るのよ」と言うと、昌相が「なるほど」と頷き、急に現れた昌相に薫が驚きます。

昌相「流石は殿じゃ」薫「いつの間に」

昌相「流石は殿じゃ」薫「いつの間に」


昌幸は周囲の地形を利用した伏見城普請の構想を話し「なぜそれに気が付かん」と信幸を責めます。「明日からは儂自ら普請場に立つ」と言い、薫の「やっぱり立ってなかったではないですか」という声を無視して立ち上がると「この真田阿波守が難攻不落の城を作ってみせる」と宣言するのでした。
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やがて伏見城のミニチュアモデルとしての箱庭が完成しました。
信幸は「見事です」と言い、幸村は「守りの要を木幡山の出城に置く。父上にしか思い付かぬ事」と解説して称えます。昌相は「何れ、この出城に真田が入る。ここから逆に本丸を攻めれば、伏見城は一日で我等のもの」と言うと、昌幸は「儂はただ、城を築いてみたくなったのじゃ。完璧な城を。誰が守ろうとそんな事はどうでも良い」と言います。その昌幸を信幸と幸村は丸い目をして見ます。昌幸は少しの沈黙の後に昌相に顔を近付けると「すまんな」と一言だけ言います。昌相は「構わん。儂が惚れたのは、そんなお主だ」と答え、昌幸は片頬を持ち上げると頷くのでした。

ここまで来てようやく昌幸の気持ちが分かった気がします。昌幸は信幸という跡取りを育て諜報活動は昌相がいます。つまりは権限委譲が行われることで昌幸自体の仕事のかなりは割り振られている状態になっています。そして信幸の絵図面を見て、急にやる気を出したのは自分には未だ伝えるべきことがあったという事なのだろうと思います。同時にそれは昌幸の野心の枯渇の表れでもあり、それが昌相への謝罪だったのだろうと思いました。
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その後、幸村と信幸は二人で廊下を渡ります。
信幸は幸村に子供が出来たと伝えます。
おこうが妊娠したことを先月知り、これが忠勝に知れると命が無いので今まで誰にも言わないでいたら稲にも子供が出来たというのでした。
二人は抱き合って喜び合います。
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幸村と信幸が酒を共にした時です。
信幸は秀吉の状態を聞き、幸村は変わったところはないと答えます。
信幸は俺に位は本当のことを話せと言い、先のことを考えていると言います。
先の事とは秀吉の亡くなった後のことだと言います。
二人の考えの違いが出ます。

各々の考える秀吉亡き後の未来
幸村
・三成や直臣たちが問題なく拾を守る
信幸
・世が乱れる可能性が有る
・徳川に付く事が有利なら付く

信幸は子供が出来た為か好悪の感情を超えて生き抜くことを考えているように見えます。
そして、信幸が幸村に言った「おまえは些か、豊臣家に深入りしすぎたようだ。おまえは真田家の為に、太閤殿下のお傍にいるのだぞ」という言葉は恐らく正しいものだと思います。
そして信幸は今一度、幸村に問います。
「もう一度尋ねる。殿下のお具合はどうだ」
幸村は少しの沈黙の後に答えます。
「何も変わったところはございません」

信幸は真田という家のことを第一義として考えています。
幸村は豊臣という家のことを第一義として考えています。
これがどちらが正しい間違いではなく、共に真剣に考えた生き方の問題のように思えます。個人的には幸村の気持ちが中途半端なものであってくれたらと思わずにはいられません。

信幸は「今後も殿下の様子、逐一俺に伝えてくれ。全ては真田の為」と最後に言いますが、これに幸村は何も答えず、そして両者に迷う様子は見えません。

文禄5年閏7月13日(1596年9月5日) 
慶長伏見地震が起きます。

マグニチュード8とも言われる大地震が襲い京都や奈良だけで1000人以上の死者が出たと言われています。また他にも連動した地震が発生しており、文禄から慶長へ改元が行われました。

この地震により
信幸は
稲の元へ駆けつけと抱きしめます。
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次におこうの元へ駆けつけ抱きしめます。
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幸村は
着物へと着替えながら「殿下のご無事を確かめたら直ぐに戻る」と言い、春は刀を持ち幸村の用意を手伝い「まだ揺れが続いております。気を付けて」と気遣います。
幸村は「何も無ければ良いが」と言って出掛けます。
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昌幸は
昌幸が出掛けようとするのを反物を抱えた薫が「こんな時にどこに出掛けるのですか」と止めますが、それを無視して支度をします。「そんなにその女子のことが心配ですかぁ」とヒステリックに言う薫を無視して「支度は整った」と言う昌相と共に伏見城へと出掛けます。
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同じ真田の親子でも違いが出ています。
信幸は家の事を考え先ずは嫁の元に駆けつける。
幸村は先ず仕える秀吉の事を考える。
(それを取り乱す事なく支える春は特筆です)
昌幸も先ずは仕事の伏見城の普請のことを考えます。
こうして見てみると、昌幸に一番似ているのは幸村で共に仕事第一で攻めの人。信幸は家族が一番大事な守りの人なのかなという印象を持ちました。

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この慶長伏見地震により完成間近であった伏見城の天守閣は倒壊、一から作り直しとなります。これを見た昌幸は地面に膝を突き呆然とするのでした。

続きます。
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