真田丸感想31話「終焉」④秀吉の最期

2016-08-14 19.56.45

前回は秀吉の見舞いに来た秀明が秀吉の命の象徴たる蝋燭を吹き消してしまいます。
その夜から秀吉の意識が混濁状態となった所から始まります。

幸村は秀吉の容態がいよいよ最期の時を迎えつつあると考えたのか、茶々の所へ秀頼を連れて秀吉に会いに来て欲しいと最後の説得に訪れます。

しかし茶々と会う事すら出来ず大蔵卿局が出て来て「殿下のお傍に嫌がっているのは、お方様ご自身なのです」とけんもほろろな断りを入れてきますが幸村は「分かりませぬ」と食い下がります。「鶴松様が亡くなられた時、お心の内で何かが変わりました。幼い頃よりお方様は多くの死に接して来られました。しかし死にゆく人の姿を目の当たりにされたのは、鶴松様が初めて。強く振舞ってはおられますが、実は弱いお方なのです。あれ以来、いたく死を恐れていらっしゃいます」と途中で目に涙を浮かべての大蔵卿の局の話に幸村が何も言い返せずにいると障子が開き茶々が秀頼を連れて出て来ました。
茶々は傍に幸村がやって来ると「今夜なのですね」と短く問い「恐らく」と答えたのを耳にすると大蔵卿局に「会うて参ります」と言うと幸村に「源次郎。私の傍に」と命じると秀吉の元へと向かいます。
2016-08-14 20.03.09
秀吉を寧々が見守る寝室に茶々と秀頼がやって来ました。
茶々は口を開けたまま眠る秀吉の姿を目にして驚き、表情が凍り付いてしまいます。寧々が立ち上がり「こちらへ」と促しますがそれに気付かず呆然とします。付いてきた大蔵卿局が「茶々様」と呼び掛けて、びくりと身体を震わせて顔だけを向けます。茶々は動揺を悟らせまいと表情を作りますが固さを隠すことが出来ないままでいると幸村が「お方様」と声を掛けますが、茶々は首を横に何度か振ると秀吉に背を向けてしまいます。
寧々が何事かを言おうと言葉を呑み込み行動を起こそうか躊躇していると秀頼が「母上、私が参ります」と言うと秀吉の枕元へ立ち「父上」と眠る秀吉に語り掛けます。その言葉に秀吉は目を開くと視線を向けて「秀頼」と言うと幸村が掛け布団を捲ると秀頼の横顔に手を当てます。それを見た茶々は意を決したように秀吉の傍に近付くと笑顔で「殿下」と語り掛けます。秀吉は視線を向けると「秀頼のこと頼む」と言い、茶々はその言葉に笑顔で頷きますが秀吉はうわ言のように秀頼のこと頼むと同じ言葉を繰り返します。幸村は「我等にお任せ下さい」と止めますが、茶々は目に涙を溜め、堪え切れないかのように入り口付近に立つ寧々の肩に身を任せ泣きます。寧々は茶々を宥める様にぽんぽんと背中をたたくと寧々は秀頼を見たまま「立派な子に育ててくれましたねぇ」と言います。茶々ゆっくりと顔を上げて寧々と顔を見合わせると破顔します。
すると鈴の鳴る音がします。皆が振り返ると秀頼が「良い音じゃ」と言い自分の耳元で鈴を鳴らす姿があります。
2016-08-14 20.05.02
その姿を寧々は笑顔で見詰め、茶々は目を赤くしたまま小さく笑い見詰めます。秀吉はその横で静かに寝息を立てます。その鈴は秀吉がその音を気に入り手に入れたものでした。
2016-08-14 20.05.15
しかし、その夜に秀吉はうなされて目覚めます。馬の蹄の音が聞こえ横を向くと信長からだという鎧が光を放ち、秀吉は布団を被りますが、布団は静かに布団は剥がされ、秀吉の視線の先には血を流した子供が立っていました。秀吉は悲鳴を上げます。
2016-08-14 20.05.52
それを聞きつけた幸村と三成、且元が秀吉の元へと駆けつけます。
碌に動けぬ秀吉はベッドから体をはみ出させています。急いで三人で助け起こすと幸村が「ご安心下さい。我等がいつもお傍におります」と言葉を掛けますが秀吉は「佐吉」と言い三成の胸に抱きつきます。
2016-08-14 20.07.31
三成は二人に目で合図をすると幸村は複雑な表情を浮かべて頷き且元と共にその場を外します。
2016-08-14 20.07.48
秀吉はそれを見ると三成へ「佐吉。家康を殺せ」と掠れた声で歯を剥き出して言います。三成は戸惑いの色を浮べながら僅かの時を置くも頷きました。

信長の鎧が見せた子供は恐らく茶々の兄であり秀吉が磔刑にした万福丸でしょうか。そして秀吉は自分が信長亡き後に権力を簒奪した事を思い出した筈です。そして当時の自分と同じような立ち位置にいるのが徳川家康であるという事にも思い至ったのではないでしょうか。

三成は何処かへと向かい、眠る秀吉を幸村が見守ります。
2016-08-14 20.08.11
そこから立ち去ろうとする幸村が「源次郎」と秀吉が止めます。幸村が「殿下」と戻り手を握ると秀吉は「頼む」と言い「分かっております」と幸村が答えると「佐吉を」と力の無い声で言います。幸村は「石田様を」と驚きますが「支えてやってくれ、寂しい男でな」と秀吉が付け加えて言うと目を閉じました。幸村は「畏まりました」と言い秀吉の手を握り続けます。

今まで秀吉の側近でありながら幸村だけは秀頼を頼むと言われる事なく、先程もそうでしたが、倒れ伏した後の認知症状態になってからの秀吉は事ある毎に幸村ではなく光成を頼りとしています。それに幸村は嫉妬とまでは行かなくとも蔑ろにされているような寂しさのようなものを感じていたのではないかと思います。であるが故に秀吉亡き後の協力を光成に頼まれた時も素直に頷けなかったのではないかと思えます。しかし、秀吉の死の間際になってようやく真意を知る事が出来たのではないでしょうか。
秀吉亡き後に秀頼を守るのは光成である。だが光成も完全ではなく協力者が必要である。それが幸村であると秀吉は考えての佐吉を頼むという言葉だったのではないかと思いました。だから幸村は秀吉の頼みを聞く事が出来たのだと思います。

そして家康襲撃の報が知らされると幸村はそれの対応に出て行きました。
2016-08-14 20.09.10

やがて秀吉は息苦しさに目を覚ますと何処かから吹き込んだ風が蝋燭の火を消します。秀吉が人を呼ぼうと手を伸ばすと、いつも枕元の台の上にある筈の鈴がありません。辺りを見回すと鈴が床に転がっているのを見つけます。秀吉はベッドから転がり落ちて鈴に手を伸ばしますが届きません。立てぬ体を引き摺り這って段々と距離を詰め、鈴を一点に見詰め懸命に手を伸ばしますが、届かぬままに力尽きました。
2016-08-14 20.10.02
やがて動かなくなった秀吉の瞳孔が開いた瞳から涙が一粒だけ流れ落ちます。
辺りには鈴虫の声だけが響いていました。
2016-08-14 20.11.13豊臣秀吉、享年62歳

31話感想終わり
真田丸感想一覧