真田丸感想35話「犬伏」⑤親子の絆

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前回、遂に石田三成達が大阪で兵を挙げます。

七月二十一日
徳川家康率いる三万の軍勢が江戸を発ちます。

同日
真田は下野の犬伏に陣を張ります。
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昌幸と信幸、幸村の三人は上杉に付くタイミングを相談します。
戦が始まり真田に徳川から攻撃命令が出た所で上杉に付くことが決まりました。併せて上杉にこの事を知らせる密使を送る事が決まります。

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しかし打ち合わせが終わった所で密書を持った佐助が現れます。
昌幸は密書によって
・三成が挙兵した事
・吉継も加わっている事
・伏見城攻めが始まっている事

これらの事が知らされてました。
(この書状は十一か条になる長文であり、他に西軍蜂起を知らせなかった詫び、昌幸の妻を吉継が預かっている事、兵力を近江に集めている事、前田利長も西軍に同調している事、二人の使者を上杉に案内してほしい事が述べれられていたと言われています)

昌幸は密書を「早すぎるわ」と激昂すると丸めて投げ捨てます。
昌幸が激怒した理由は三成の挙兵によって今後の展開が読めなくなった事にあります。
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元々の計画
上杉と徳川で戦が始まった所で徳川を横から襲って家康の首を取る
(その後に三成が挙兵していれば江戸までも容易く攻め込めた筈)

三成が挙兵した事によって
家康の選択肢によって展開が変わります
1.このまま上杉と戦う
2.江戸に取って返す
3.西へ向って三成と戦う

上の何れを選ぶかによって今後の展開が大きく変わります。
早い話が、昌幸が今まで練り上げてきた作戦が一から作り直しとなりました。
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その夜、昌幸は離れで考え込みます。
同様に信幸と幸村も陣の中で考え込みます。

昌幸は考えがまとまったのか陣へ赴くと、信幸、幸村の二人を自ら呼び出し、離れの人払いを作兵衛に命令して打ち合わせを始めます。
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昌幸の考え
・今回の戦は年単位で続き十年掛かる可能性が有る
・真田は上田に戻り城に籠もる
・真田は何処の勢力にも属さない
・数年戦えば豊臣と徳川両陣営は疲弊する
・疲弊した所を突いて甲斐と信濃を手に入れる

昌幸は以上の考えを伝えると二人に意見を求めます。
二人は黙り考え込みます。やがて幸村は信幸の様子を伺い話し出す様子がないのを確認してから話し始めます。
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幸村の意見
・戦の方式が変わり戦の決着が早くなった
(以前ならば所属する勢力同士が各地で小競り合いを行っていたが、今は一箇所に集まって一気にぶつかり合う)
・戦の期間は数ヶ月程度
・徳川と豊臣の勝った方が次の覇者となる
・両陣営に属さぬ事は両陣営を敵に回す事になる
・この戦に勝利した側はより大きな力を手にしている
・勝った側と対峙して真田は太刀打ち出来ない

これに昌幸は「上杉と伊達と手を組んで」と苦し紛れに言いますが幸村は「夢物語はもう終わりにして下さい。父上」と絶叫に近い言い方をします。
しかし幸村はこれを言い過ぎたと思ったのか「申し訳ございません」と頭を下げます。

信幸は「どうすればよい」と呟きます。
幸村は真田が独立した動きをするのではなく豊臣か徳川のどちらかに付いて生き残りを模索する事を提案します。

幸村は豊臣を推します。
三成は毛利を立て秀頼公を奉じた事は大きい
大阪城も既に抑えている
と豊臣方に付くことを勧めます。
昌幸も「豊臣に賭けるしかないか・・・」と半ば諦め気味に言うと背中を向けて「儂が太閤の下で長い間、我慢してきた事を知っておる癖に」と言いながら背後に置かれていた箱を開きます。幸村は「石田様は父上を買っておられます。上手く話を持って行けば、信濃、甲斐の大名にもなれます」と更に推します。

信幸は「しかし豊臣が勝つとは限らんぞ。徳川内府は長い時を掛けて多くの大名を取り込んで来た。太閤恩顧の大名達でさえ徳川に付く者は多い。侮っては為らぬ」と徳川方の肩を持ちます。
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そこへ昌幸は箱から取り出したのか二本の捻り紙を両手に握り、その内から一つを選べと信幸に差し出します。
「黒が徳川、朱が豊臣じゃ」と説明します。捻り紙の昌幸の手の中にある先の部分に色が塗られており、信幸の選んだ紙の色によって付く先を選ぶというのです。
信幸は昌幸の手に握られた捻り紙を二つ同時に引き抜きます。

両方とも朱に塗られていました。

どうやら昌幸は豊臣方に付くと既に決めている様です。しかし信幸は稲を嫁に貰っている事からも徳川寄りです。その為、昌幸なりの信幸への気遣いが今回のくじであったのかもしれません。

昌幸は「何すんじゃ」と抗議しますが、信幸は「こういう事はもう止しましょう」と言うと昌幸はばつが悪そうにします。
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信幸は「私はもう決めました」「私は決めました父上」最後は叫ぶように「私は決めた」と言います。
そして信幸は幸村を正面に向き直すと「お前と父上は豊臣に付け。俺は徳川に残る」これを聞き幸村は止めようとしますが「それが最善の道だ。何れが勝っても真田は残る」
これを昌幸は「源三郎」と呆然とした様に言い、幸村は「しかし敵味方に分かれるというのは・・・」と言いますが、信幸は「そうではない。源次郎。我等は決して敵味方に分かれるのではない。豊臣が勝った時は、お前はあらゆる手を使って俺を助けよ。そして、もし徳川が勝ったならば俺はどんな手を使ってもお前を父上を助けてみせる。これは我等、親子三人が何時の日かまた、膝を突き合わせて語り合う日の為の策じゃ」
これに幸村は頷きます。
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次に信幸は昌幸に向き直り「例え、徳川と豊臣に分かれても、常に真田は一つでございます」これに昌幸は考え込みながら「よき策じゃ」と一言。
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この場面は、信幸と幸村の其々が昌幸を凌駕した場面でもありました。
幸村は昌幸の戦略眼を越えて今回の戦を分析して見せました。
信幸は真田家存続の為の策を提示して見せました。
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二人が出て行った後も昌幸は残り一人酒を飲みます。その表情は暗いものではありません。僅かに頬は上がったものとなり、その目には涙が浮かんでいます。そして先程の打ち合わせのことを思い出しているのか、時々、一人頷きながらも満足そうな表情を浮かべていました。
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その後、幸村と信幸は二人で並んで階段に腰掛けて語ります。
幸村は「兄上には迷惑を掛けっ放しです」それに信幸は暫くの沈黙を挟んで「まあな。だがこれで良いのだ。俺は最も徳川に近い。俺にしか出来ぬ事だ。まぁ我等三人で、もう一度、徳川の大軍を相手に一暴れしてみかったがな」と言い笑います。幸村は涙を堪えながら「豊臣が勝てば石田様が要となって秀頼様を盛り立てて行かれる事でしょう。徳川が勝てば最早、上杉も敵ではない。どちらに転んでも戦の世は終わります」と言います。信幸は「これが最後の戦いになるのだな」と答えると、幸村は「大事なのはその先、我等が真田を背負っていかねばなりません。内府様が勝てば兄上が、治部様たちが勝てば私が」と言い、信幸は「ばば様の言葉を思い出すな。我等はこの時の為に生まれて来たのかも知れぬ」と答えると幸村は「はい」と短く答えます。信幸は「何れまた、三人で飲める日が来ることを祈ろう」と言うと幸村は「兄上」と呼び掛けます。信幸が「なんだ」と答えると幸村は無言で頭を下げます。幸村の顔には堪え切れずに溢れた涙が零れています。それを見た信幸は幸村の肩を叩き笑顔を浮べますが、自分の目にも涙が溢れ始め、それを零すまいと上を見上げます。
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信幸は言います。「お前達は明日の朝早く、ここを発ち上田へ向え。俺はここで徳川内府の到着を待ち、真田安房守が離反した事を伝える」気付くと信幸の頬には幾筋かの涙の筋が残ります。そして「父上の事。頼んだぞ」と信幸は幸村に頼みます。幸村は目を赤く充血させて頷きます。
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その後、三人は再び離れに集まると史記に書かれた韓信の取った戦術論を肴にして酒を酌み交します。
三人の明日の朝は早い筈ですが、遅くまで語り過ごしたのではないでしょうか。

真田丸35話「犬伏」感想おわり。
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