真田丸感想38話「昌幸」③許されぬ昌幸

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前回は嫉妬に狂う春を幸村がどうにか宥めました。

会津城では兼続が後ろに控える縁側で景勝が庭を眺め抜け殻のように眺めています。
まぁ気持ちは分かります。
結局、景勝は家康の下に兼続と共に謝罪の為に上洛する羽目に陥った上に、百二十万石を越える大大名から減封されて米沢三十万石の国持大名程度に落とされたとあっては気落ちもするというものでしょう。おまけに規模は三分の一程度になったにも関わらず、抱えている家臣達はそのままという状態なので、この後も景勝と兼続は尋常ならざる苦労を強いられていく事になります。更にこの景勝と兼続の其々二人は景勝夫人の菊姫と兼続夫人のお船の方を伏見に人質として取られる事となりました。その上で兼続は逃亡して来た三成の息子を匿ってやったりしているので、その働きには本当に頭が下がります。

何れ上杉を頼る積りであった昌幸の思いはここに潰えることとなりました。
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しかし春は信繁と最初の子供を身篭ります。
春の大きなお腹を撫でる幸村に春は「もし、この子が女の子なら名は私が付けてもようございますか」と聞きます。「もう決めてあるのか」と幸村が尋ねると「お梅」と答えます。幸村は春の言葉に固まり沈黙しますが春は構わず続けて「そうすれば、この先、源次郎様がお梅の名を口にする時、それはこの子のことになるから」とお腹を眺めながら言います。そうして幸村に微笑みかけると幸村は一度は目を逸らしながらも受け止めるのでした。
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慶長八年(1603)二月
家康が征夷大将軍に任ぜられます。
同じ年、孫娘の千姫を秀頼に輿入れさせています。

家康は浮かれとる。あの狸め鍋にしてくれるわ

機会じゃ!!


九度山村にいる昌幸たちにも家康のことは伝わります。
幸村は「征夷大将軍になったという事は、全ての武士の棟梁として名乗りを上げたという事」と言うと、内記は「いよいよ徳川の世になるのですか」と心配します。幸村も「これで秀頼様のお立場は更に弱くなりました」と豊臣の心配をしますが、昌幸は「運が向いて来たぞ。家康はいま浮かれとる。我等の赦免もそう遠くないと見た。上田へ帰れるかもしれんぞ。ここで駄目なら、もう後はない源三郎に一踏ん張りして貰わんとな」と清々しい程に前向きなことを言います。豊臣なんぞは、もうどうでも良いというのがよく伝わってきます。しかし幸村と内記は違う考えを持っているようで其々に目配せをしながらも昌幸の喜ぶ様子に何も言えなくなります。
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昌幸は信之に家康に赦免を願い出るように頼んだのか、上田では信之は正信へ文を書きます。綱家は正信に文を書く理由を不思議がりますが、幸村が信之に正信は陰険悪辣なことをしても意外に心が優しい老人なのだと文で伝えたようです。
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伏見城では
正信は信之からの手紙をしっかりと家康に届けます。
しかし家康は信之からの文を親指と人差し指で挟んで弄びながら「中身は分かっておる」と言うと中身を読みもせずに手紙を畳に落とします。
しかし正信は「九度山に追いやってから早二年。赦免を考えてやるには良い機会」と言いますが家康は「ならぬ。安房守は死ぬ迄あそこに居るのだ」と語気を強めて言います。家康も気が付けば頭に白髪が随分と目立つようになりましたが、昌幸のことに関しては頑固爺と成り果ててしまったようです。
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更に二年後の慶長十年(1605)四月
家康は征夷大将軍の位を秀忠に譲りました。
最後の機会じゃ!!

最後の機会じゃ!!


この報せは九度山にも届きます。
幸村が「今後は徳川が政を行うと世に知らしめたという事だ」と解説します。内記は「という事は」と合いの手を入れると「秀頼公が天下人となる目は失われました」と豊臣の天下が終わりを告げようとしていることを伝えます。
昌幸は「いま家康は浮かれておる。最後の機会じゃ。ここで赦免がならねば後は、もうないぞ」と昌幸は既に秀頼って誰だっけ?という状態の清々しさです。

そして信之~以下略

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家康は「くどい~」と言いますが、正信は「真田安房守、流罪となって、はや四年。最早、牙を抜かれた狼。野に・・・」と説得しようとしますが「あれが九度山を離れるのは骨になった時じゃ」と聞く耳を持ちません。加えて秀忠が「佐渡守。もう安房守のことは一切、我等の耳に入れるな」と上田の敗北がトラウマとなって平和の世になった今もせっせと身体を鍛える秀忠が言います。流石に大御所となった家康と征夷大将軍になった秀忠という親子二代に渡って昌幸に酷い目に遭わされ続けた二人に言われては正信も引き下がらざるを得ないのでした。
家康はせめてこの時に正信の助言を聞き入れていれば後に切腹寸前まで追い詰められることもなかったので、人にはある程度の寛容というものが必要なようです。

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上田では薫が信之に「いつになったら殿はご赦免されるのですか」と詰め寄ります。「いろいろ手は尽くしておりまする」と信之は言い訳をしますが「源次郎なんで向こうで二人も子供を設けているんですよ。皆で一緒に暮らす訳にはいかないのですか」と松もこれに加わりますが、これには茂誠が「それだけ大御所様のお怒りは大きかったという事だ」と松を抑えに回ると「私達みんなで大御所様に直訴しみてみはどう」と真田家全員で仲良く打ち首にされて並べられかねない提案をします。これには信之も「馬鹿を言わんで下さい」と止めに入りますが「それしかありませんね。さっ参りましょう」と薫も松の案に乗り気になって出掛けようとすると、稲が障子が勢いよく開きます。
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「母上様。いい加減になさいませ。父上様のご赦免はもうお諦め下さい」と言いますが、これには薫も納得いかず「そういう訳にはいきません」と断ります。稲は口調をやや落ち着けると「夫は、父上様とは縁を絶ったのです。もう二度と城の中で真田安房守のお話をすることは為りませぬ。私が許しませぬ」と何時の間にか上目線の稲に薫は「え~・・・」と驚きを隠せません。

薫「え~・・・」

薫「え~・・・」


稲はついでに信之にも「殿も殿です。何の為に御名まで変えたのですか。我が家までお取り潰しになってもよろしいのですか」と言うと、信之は迫力に押されて首を横に振るだけです。
う、うん。そうだよね。

う、うん。そうだよね。


稲は最後に「全ては真田の為でございます」と言い捨てて立ち去ります。そして稲の後ろにいたおこうが「これ以上、大御所様のご機嫌を損ねれば大殿様も源次郎様もお命が危のうございます。奥方様はそれを心配しておられるのです」と理で諭しますが薫は「だったらそう言えば良いではないですか」と不満そうに言うと、松が「ねぇ」等と言って同意します。そうして二人は信之に顔を向けると信之は黙って頷くのみです。

稲は後に幸村が活躍すればする程に小さくなる信之を本多忠勝の娘であり、家康の娘でもある立場を上手く使い助けたと言います。そのついでに上田領内を通る加州候の通行を妨害して将軍への献上品を「親のものは子の物である」と言って山賊の如く奪い取らせていたという逸話も残っている程です。実に良い嫁です。

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九度山にいる昌幸は夕陽を眺めながら「儂はもうここから出られんのかも知れんなぁ」と呟きます。幸村は何も言えず黙り込むのでした。

真田丸38話「昌幸」感想つづきます。
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