真田丸感想41話「入城」②おこうの親子愛


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前回は幸村が大阪方に与する事を決めて家族たちに九度山村脱出の方法を伝え、脱出の一環として村長に真田紐の成功を祝して宴会を開くことが決まりました。

江戸の真田屋敷では
稲が家の切り盛りを行っており、女中たちに指図をして取り仕切り、おこうもその指図を受けます。

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作兵衛が信之のもとへ訪れると床に就く信之に「お身体の方は」と聞「手足の痺れがどうにも取れぬ」と病状を話しますが「儂の事はどうでも良いのだ」と言うと作兵衛は「ご挨拶を」と信之の元を訪れたすえと男に挨拶するようにと促します。
男は「石合新左衛が嫡男、十蔵でございます」と名乗ります。
男はかなりの不細工です、いえ、なかなか面白い顔、いや、愉快な眉毛、もとい、ゲジゲジのような男らしい眉毛をぶら下げた・・・。良く見ると作兵衛の顔を粘土か何かで作り損ねて感情の赴くまま、二度三度と叩いたような顔をしています。そして幸村とは全く似ていません。これを見るとやはりすえにとっての父親は作兵衛なのだなぁと思います。
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信之はすえの相手が「新左衛門の息子か」と驚くと続けて「其方の父親は長窪の名主として実によく働いてくれておる。良い縁だな、作兵衛」と言うと、作兵衛は眉間に皺を寄せながら「昨年秋の祭りで知り合うたようです。
いつまでも子供と思っていたら知らない間に」と言って二人を見ますが「小父上、むしろ遅いくらいです」とすえが反論します。信幸は「源次郎も話を聞けば喜ぶであろう」と二人の結婚を素直に喜びます。
信幸が二人に「祝言は」と聞くと作兵衛が「来月と考えております」と答え「お前には聞いて居らぬ」と信幸が窘めると「来月には」とすえが改めて答えます。
信之は二人に江戸見物を勧めると、作兵衛とは一度ゆっくり酒でも飲みたいものだな等と話をすると作兵衛と若い二人は信幸の前を辞します。
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そんな二人を見送った信之は「この間まで作兵衛の乳を吸っておった赤子がなぁ」と懐かしそうに言いますが入れ替わりに入って来た綱家は徳川から届けられた文を渡されると表情が曇ります。
文の内容は家康が大阪に出陣するというものでした。これを受けて信之たちも大阪へ向かうことになります。
この時点で幸村が大坂方に付こうとしていることを知らない信幸は「豊臣家もいよいよ終わりか、儂も大阪城へは何度も足を運んだ。胸が痛む」と感傷に浸ります。信之は他に稲の生んだ信政とおこうが生んだ信吉のどちらを世継ぎとするべきかを決めるという難事が待っています。
信之は「どうれば良いものか・・・」と一人呟きます。
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庭では信政と信吉が三十郎と茂誠立ち合いのもとで剣の稽古をします。
その様子を偶然に通り掛かった稲が廊下の陰から見守ります。
稽古では信政の攻撃を信吉が受けますが、信吉は信政の剣を受け切れず脛を強かに打たれ、手に持っていた木刀を落として尻餅を付きます。そこで見守る三十郎が待てと稽古を止めます。
信吉が落とした木刀を手に取ろうと脛の痛みを庇いながら屈んで寄って行くと信政は信吉の落とした木刀の前に自分の木刀を突き立てて信吉の歩みを止めると、木刀を遠くへ弾き飛ばします。
この様子に稲は目を見張り、三十郎と茂誠はお互いの顔を見合わせます。
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稽古が終わった後に稲は信政の居室に向かいます。それを部屋の主である信政と傍に控える三十郎が迎えます。
稲が座して対面に座ると開口一番に「信政、先ほどのあれは何事です。なぜ、信吉が落とした木刀をあのように」と聞くと「いけなかったでしょうか」と責められる理由が分からないという返しをします。これに稲は目を瞑り自分を落ち着かせると「勝負は既についていました。あそこまでする事はありませぬ」と諭すと、信政は顔をしかめると「兄上はいつもああなのです」と答え、稲が冷静な口調で「いつもとは」と答えの続きを促すと「いや、それは・・・」と答えに詰まり傍に控える三十郎に目線を向けます。三十郎はそれに気付いて驚いた表情を浮かべた後に姿勢を整えて「信吉様は直ぐに木刀を落としてしまわれるのです。信政様はそれが腹立たしかったのでしょう」と代わりに答え、それに信政は頷きます。言い訳を人任せにする息子の姿を見た稲は「ならば口で言えば良いでしょう。あなたには兄への礼というものがありません」と問題点を指摘します。

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一方の信吉は脛の傷の手当てを松から受け、その二人を茂誠が見守ります。
信吉は松に「なにゆえ剣術の稽古をせねばならぬのですか」とぼやき混じりに聞くと「それは貴方が武士だからですよ」と松は答えになっている様ななっていないような答えを返します。信吉は「武士なら、なにゆえ剣術の稽古をせねばならぬのですか」と同じ問を繰り返しますが「戦で敵を倒す為です」と松は答えます。信吉は「戦に出る事があるのですか」と更に追及すると、今度は松が茂誠に「どうなのですか」と選手交代を願い出ます。
茂誠は「近頃は大阪の方が騒がしくなっているから、無いとは言えませんぞ」と答えますが、信吉は「私は剣術が苦手です」とぼやきます。
そこへおこうがやって来ます。
おこうは松と茂誠へ心配を掛けた礼をすると、不貞腐れた様子の信吉へ傷は大丈夫なのか聞くと「後で信政様へお詫びを申しなさい」と言い渡します。松が怪我をさせたのは信政の方だと異議を唱えますが「怪我というものは、させた方が、より深く傷に残るものですから」と理由を答えると、信吉に向き直り詫びに向かう念押しをすると「全ては貴方の不覚が招いた事なんですから」と強く言い渡します。これに信吉は答えず目を逸らします。
母としておこうは最大限の配慮を持ってあたっています。おこうの立場は側室です。そして正室は稲です。先に生まれたのは信吉ですが、真田家の世継ぎは正室の子供である信政になる可能性が高い。そうなると真田家において信吉の居場所が無くなってしまうかもしれない。それを避ける為におこうは信吉に頭を下げろと言わざるを得ない。ここにおこうの苦しさと理に合わぬことを言い渡さざるを得ない母の愛があります。
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縁側で茂誠と三十郎は信吉と信政の二人について話します。
三十郎は「信吉殿にはもう少しお強くなって貰わないと」と茂誠に要望を述べますが「あの方は書を読まれるのがお好きなのだ。これからの世はそれで良いと儂は思うがなあ」と自分の考えを述べます。三十郎は思い当る事があるのか仕方ないといった風情で溜息を吐くと腕組みをして「それにしても信政殿は強くなる。本多忠勝殿の血がそうさせるのだな」と笑顔で言うと茂誠はこれには同様に感心する所があるのか二人は頷いて笑い合います。
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そんな所へ信之が現れると二人の間に座ると「いよいよ大坂方と一戦を交える事となった」と戦が始まる事と、併せて大阪攻めを息子たちの初陣とすることが告げられます。
この先、暫く戦はないのでこれを機に本物の戦を見せて置きたいという親心のようです。茂誠には信吉を、三十郎は信政に付いてしっかり守ってやって欲しいと頼みます。
そして自分は江戸に残ると言います。自分の体では戦を戦えないという理由です。茂誠は「そのような気弱なことを」と言いますが信之は「これを機に息子たちには儂から離れて己の足で立って欲しいのだ」と既に自分がいなくなった後の事を考えていることを話します。これに茂誠と三十郎の二人は命に代えても守ると了承します。
信之は「此度の戦、血で血を洗うようなにはなるまい。豊臣方には全軍を率いて討って出るような際立った武将が居らぬ。恐らく根比べに終わる筈。小田原の時のようにな」と今回の戦の見通しを語ります。信之は未だ幸村の参戦を知らず、更に長宗我部や後藤又兵衛等ら大阪牢人五人衆と呼ばれ、更には単なる寄せ集めと思われる牢人たちが予想外の士気の高さを持って奮戦してくるとは思わなかったでしょうし、この頃、家康も同様の考えを持っています。

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その夜、床に就く信之の痺れる手を稲は揉みながら「存分に戦って来て欲しいものですね。敵の大将の首、いくつ取ってくるか楽しみです」と言って期待しますが「そういう戦になるかどうか」と信之は言います。稲は信之の手を離すと「殿。一つお願い事があるのです」
と姿勢を改めます。信之は「申してみよ」とそれを話すように促します。稲は「良い機会でございます。信吉を正式に嫡男にするというのは如何ですか」と提案します。信之は「そのことなんだが・・・」と言い淀むと「信吉。信政ではないのか」と気付いたように稲に聞き返します。稲は「先に生まれたのは信吉。嫡男となるべきは信吉にございます」と答えます。信之は「儂も同じ事を考えていた。確かに武芸は信政の方が秀でておる。それゆえ信政が嫡男になれば信吉はどうなる。ますます居場所を失う。真田家を継ぐのは信吉。信政がそれを支える。逆はない」と自分の考えを語ります。「此度の大将。是非とも信吉に」と稲は信吉を嫡男とすることに同意します。
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信之と稲の二人はおこうに信吉を嫡男とすることを話します。
それを聞いたおこうが動揺したまま「あ、されど、稲様は・・・」と口ごもりながら聞き返すと信之は「稲のたっての願いである」と教えます。稲は「これまで尽くしてくれた貴方への私からの礼です」と言います。未だ驚いたままのおこうへ、信吉を世継ぎとするにあたって、形式上は稲の養子とする事。しかしおこうから信吉を取り上げるつもりはなく、あくまで形だけのものである事が伝えられます。
おこうは「急なことで頭が回りませぬ」と言いますが、安堵の表情を浮かべ息子の無事に大粒の涙をひとすじ流します。おこうは続く涙を拭う事もせずに「息子に跡取りが務まるでしょうか」と確かめようとすると信幸は「立場が人を育てる。その分、信吉には死にもの狂いで精進して貰わねばならぬがな」と答えます。
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それを聞いたおこうは唇を震わせて泣き出すことを堪えながら信幸を見つめ、次に稲を見てから二人に向かい「これ以上の喜びはございません」と感謝から頭を深く下げます。
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稲は頭を上げぬおこうの手を取ると「これからも私たちを支えて下さいな」と頼みます。おこうは稲の手を両手で握り返すと泣き伏します。
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その後、おこうは信吉のいる部屋へと向かうと信吉を抱き締めます。突然の抱擁を受けた信吉は「どうしましたか、母上」と訳も分からずに驚くのでした。

真田丸41話「入城」感想つづく
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