真田丸46話「砲弾」①茶々の心の内に迫る鬨の声


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前回、いよいよ豊臣と徳川の戦いが始まり、幸村は真田丸で大きな勝利を手にしました。

茶臼山 家康の本陣で家康は「いたずらに攻め掛るのは、もう止めじゃ」そう怒鳴るように宣言すると見取り図の中に有る真田丸を扇子で叩きながら「真田丸がここにある限り埒が明かん」と怒りを腹に納め切れず「左衛門佐め・・・、全く親子二代で手こずらせてくれるわ」と怒りを滲ませながら嘆きます。そう言う家康の目には隈が浮かび自身も追い込まれた状況に置かれています。
正純は怒り心頭の家康を横目でちらちらと見ながら様子を伺ってタイミングを見計らい「して、如何なさいますか」と指示を仰ぐと、家康は体を仰け反らせて目を細めると「エゲレスの大筒はまだか」と聞きます。正純は「まだ数日は掛りましょうな」と答えます。家康は大筒の到着を待って進攻を進めたい意向があるのか、立ち上がると「ただ待って居るのも癪だのう」と歩きながら思案を巡らせていると正純が「夜を徹して鉄砲を撃ち込みますか」と案を出します。家康は「弾が勿体無いわ」と言って却下しますが、その案に触発されて考えが浮かびます。家康は手招きをして正純を傍に寄らせると「三十万の兵を三つに分け、代わる代わる一晩中、鬨の声を上げさせよ」と命じます。正純は感じ入って「畏まりました」と受け入れます。家康は「右大臣様はさぞ眠れぬ夜を過ごされるであろう」と口の端を上げます。
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当時、家康は日本に漂着したイギリス人航海士ウィリアム・アダムス(後に日本名、三浦鞍心を与えられる)という航海士を重用して船大工の経験を買って造船を行わせたり航海術等を家康以下の側近に教えていたと言われており、当時の最新式で最大射程6300mであるカルバリン砲を4門購入したのもその影響が出ていると思われます。家康の恐ろしさは秀吉亡き後に権力を簒奪した後、多くの者達が戦から離れた後も変わらずに新しい技術を取り入れ続けている点にも現われているように思います。

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大坂城では、秀頼と幸村の二人で話します。秀頼は「見事であったぞ左衛門佐」と真田丸での勝利を労います。幸村は「悉く策が当たりました」と答えると秀頼は勢い込んで「次はどうする」と聞くと見取り図を見ながら自軍を見立てた駒を家康の陣の前に集めると続けて「この勢いに乗って、一気に茶臼山の家康の本陣に総攻めを仕掛ける」と笑顔で言い幸村を見ると、幸村は表情を変えずに「そうやすやすと本陣を切り崩す事は出来ませぬ」と総攻めに頷きません。秀頼は「何度も繰り返せば良い」と更に総攻撃を推しますが幸村は「その都度、我等の方にも手負いが出ます。策とは唯、戦に勝てば良いというものではございませぬ。如何に味方の命を損なわぬか」そう言うと秀頼の前の見取り図の前に近付き、秀頼が動かした駒を元の位置に戻すと「ここは守りに徹するのです。城にいる限り我等は負けませぬ」と言います。秀頼は尚も「されど何れ兵糧が・・・」「向こうが先に尽きまする」と幸村は即座に答えます。幸村は続けて「焦る敵は必ず押し寄せて参ります。それをまた討ち払う。為すべきは城を守り切る事。徳川が大軍をもって攻めようとも大坂城はびくともしなかった。その事を天下に知らしめるのです。さすれば敵の中に心変わりする者が必ず現われます。徳川を見限り我等に付く者が、それを待つのでござる」と今後の展望を語ると秀頼は小さく頷きます。幸村は「攻めに転ずるのは、それから」と締め括ると秀頼は満足そうな笑顔を浮べると「私は父上が残された、この城を守り、父上が築かれた安寧の世を守り、そして何れ、父上を越えたい」と望みと夢を語ります。
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幸村は秀頼を見詰めます。秀頼は「この先も力を貸してくれ、左衛門佐」と頼み、幸村は「喜んで御手伝い仕りまする」と一礼を以って答えます。秀頼は「気になる事があれば、何でも申せ。私は言われて伸びる男ぞ」と幸村に信頼を示します。幸村は「では、一つだけよろしゅうございますか」と断りを入れると秀頼は「何だ」と進言を許すと「殿様にはもっと御自身のお言葉の重みを知って頂きとうございます」と述べます。秀頼は「母上の事か」と進言の意味を理解すると幸村は「此度の勝利は出城を築く事をお許し下さった殿様のお言葉が有ったればこそ。最後に断を下すのは、あくまでも大坂城の主たる殿様でございます。お上様では御座いませぬ」と続けて述べます。秀頼は「よう申してくれた。私のいけないところは・・・」と言った所で、徳川方の鬨の声と太鼓の音が響き渡る事で二人の話は中断されます。
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茶々は鬨の声を聞き身を竦めながら大蔵卿局に「あれは」と聞くと大蔵卿局は「直ぐに調べさせます」と言って立ち上がり確認に向かいます。
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幸村も状況を確認するために最前線である真田丸に向います。その途中で元親が合流すると、状況を調べる為に出て来た大蔵卿局に「何です」と呼び止められます。幸村は「徳川勢が一斉に鬨の声を上げているようです」と教えると「攻めて来るのですか」と大蔵卿局が声を裏返して聞きます。元親は「急ごう」と幸村を急かし、幸村は現時点で明確な答えを出せないと「様子を見て参ります」と一礼をして現場に向います。
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聞こえてきた鬨の声に侍女たちも集まり、その中にいる侍女の寸は「どうした良いのでしょう」と怯えます。そこへきりがやって来ます。きりは集まっている侍女たちに笑顔を向けて「大丈夫。本当に攻めて来る時は、あんな暢気な声は出しません。私達を怖がらせようとしてるんです。良いですか、怖がったら負けですよ」と言い聞かせるのでした。流石にきりは一歩間違えたら殺されることになった秀次の側室になるのを間一髪で避けたり、人質生活を送って来たりといった経験は伊達じゃありません。
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真田丸では作兵衛が櫓から徳川方を見張り攻めて来る様子はないことを見て取っています。駆けつけた幸村も作兵衛からその報告を受けます。
幸村は「恐れる事は無い。野良犬たちがほえているだけだ」と周囲に呼び掛け、元親も「弱い犬ほど、よう吠えるもんじゃ」と続きます。兵士達は尚も動揺しますが、団右衛門一人だけが右腕を上げて呼び掛けに答えようとした所で周囲の反応を見て声を上げずにいます。

団右衛門「オー!!って、あれ?」

団右衛門「オー!!って、あれ?」


その様子を見ていた幸村は団右衛門を手招きで呼び寄せると「皆を元気付けてやれ」と命じます。団右衛門は頷き少しのあいだ考え込むと、やがて良い案が浮かんだのか、駆け足で櫓に登ります。周囲がそれを注目して見ていると、櫓の上から団右衛門は「ワンワンワンワンワンワンワンワンッ」と犬の吠え真似をして、鬨の声も弱い犬の吠え声に過ぎないと揶揄して見せます。
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一同はその様子を見て笑い声を上げます。団右衛門はそれに飽き足らず更に「徳川め尻尾を丸めよったわ」と言うと櫓の上から自分の尻まで叩いて見せます。一同はその様子に笑い声を上げて喜びます。幸村も心配していた兵士の士気への影響は少ないと判断して「こちらは大丈夫そうだ」と元親に話し掛けると「そのようだな」と元親も笑顔で答えます。
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幸村は直ぐに鬨の声を上げる徳川方の状況を茶々に報告します。それを受けた茶々は安心すると外を眺めながら「敵もいろいろ考えてきますね」と言うと、大蔵卿局も頷いて答えます。幸村は「真田丸を落とせなかった事が、よほど悔しかったのでしょう」と言うと、茶々は「大勝利、めでたい事じゃ」と喜びます。幸村は「これからが正念場でございます」と今後も似たようなことが続く覚悟を求めるのですが大蔵卿局は「よろしくお願いしますよ左衛門佐」と頼んできます。茶々も自分の席に着くと「このような事、早く終わらせて下さい」と幸村に命じます。幸村は「それは徳川家康に言うて頂きとうございます」と尚も食い下がると「私は戦にも政にも関心がありませぬ。秀頼が無事であれば、それで十分」と無関心を示し、予想外の言葉に幸村は何も言い返せなくなります。
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茶々の間を辞した幸村が廊下を渡っていると向側から茶々の妹である初がやって来ます。初は幸村の前に立ち止まると「姉は其方の事を、それは頼りにしています。どうかよしなに」と頭を下げて茶々の事を頼みます。幸村は慌てた様子を見せて「お応え出来るよう精進致します」と恐縮して応じます。初は「私には、あの人が死にたがっているように思えてならないのです。心の何処かで、この城が焼け落ちるのを待っているような。私達の父も母も城と共に命を絶ちました。姉も自分が同じ運命であると半ば信じています」と茶々のことを話します。幸村は「そのような事は一言も・・・」と返しますが、初は「本心を語る人ですか」と問い返します。幸村が沈黙で返すと初は「姉を・・・。救ってやって下さい」と重ねて幸村に頼みます。これに幸村は一礼で答えます。

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自室で茶々はひとり札を並べ過ごします。

真田丸46話「砲弾」感想つづく
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