真田丸感想48話「引鉄」④すれ違い

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前回、幸村は家の者と束の間の再会を果たしました。

幸村が大坂城に戻ると家康からの城の中に居る牢人達に暇を出さず、時期を引き延ばすようであれば徳川に刃向かうつもりだと見做すと伝える文が届けられています。
大坂城首脳陣は頭を悩ませますが、大蔵卿局だけは「言わぬ事ではない」とここぞとばかりに言いますが「取り合ってはなりませぬ」と幸村は秀頼に進言します。これに対抗するように大蔵卿局は「一日も早く牢人達を追い出すべきです」と進言しますが修理が「その話は決着が着いて居ります」と抑え付けます。重成は「牢人達に渡した支度金がそろそろ尽き始めています」と現実的な問題提起をします。修理は「その心配もあった」とまた頭を悩ませる事となります。秀頼もこれは看過できる問題ではないと感じたのか「修理、城には今、如何ほどの蓄えがある」と聞くと「牢人達を暫く養うだけの金はございますが」と答えを聞くと次は幸村に「左衛門佐、それをくれてやっては駄目か」と聞きます。幸村は「渡した所で、その場凌ぎ、いま少し待ちましょう。次の戦に勝てば徳川からご領地を奪い返すことも出来ます」と待ったを掛けます。修理は「要害の完成を急がせよう」そう言うと次の戦の準備に力を入れよう幸村は一礼して戦準備の為に退出します。
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蔵の前で治房が「蔵を開けよ」そう言って重成に迫ります。重成はそれを断ります。牢人達の鬱憤も限界に近いところ来ているようです。
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この事態を重く見た幸村は又兵衛に牢人達を抑えるように依頼します。それに又兵衛は頷きますが、勝永は「いつまでもこのままでは済まぬぞ。我等にしても養って行かねばならぬ身内も居れば家来もいる」と遠回しに支度金が尽きつつある事への対策を考えるように迫ります。盛親は「何れ、必ず豊臣の家臣として扶持を頂けるのであろうな」と将来の保証を求めますが、これには修理が「もちろんだ約束しよう」と答えて安心させます。又兵衛は未だ何も言わぬ全登に今の内に要望は伝えた方が良いと言うと「我等は切支丹である事をお許し頂ければそれで良い」と改めて自分の目的を表明するだけでした。
一通りの不満が出尽くした所で幸村は「戦はあくまで要害が出来てから。それまでは辛抱して貰う」と恐らくは牢人たちに共通して最大の不満である戦に出たいという望みについては譲らぬと宣言します。
しかし、その夜に事件が起きます。
治房は自分の配下である牢人達の為に勝手に蔵を空けて中の金、銀、米を持ち出して配分してしまいます。
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事が判明した後、首脳陣の揃う場に治房は呼び出されその面前で修理は治房に「何と言う事を仕出かしたのじゃ。折角、牢人達が大人しくしてるのに、お前がこんな事してどうする」と叱り付けます。更に「全く、出来の悪い弟を持ったものよ」と詰ります。治房はこれには下を向いて黙って聞いていた顔を上げます。横で聞いていた幸村は「気掛かりなのは牢人達です。一部の者だけが恩恵に預っては他がどう思うか。かくなる上は全ての牢人に褒美をやるしかございませぬ」と諦めます。大蔵卿局は「牢人達をこれ以上甘やかすなど」と口を挟みますが、修理は「母上の意見など求めてはおらん」と治房への怒りの勢いのまま大蔵卿局を圧します。秀頼は思い悩みますが「修理、全ての蔵を開け、皆に応分の金銀を分け与えよ」と決断します。これに修理はいくつかの言葉を飲み込みながら受け入れます。
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治房が退出した後を幸村は追いかけその背中に語り掛けます。「私に優れた兄が居ます。私は兄を超えようと必死だった。超えたとも思った。しかし越えられるものではなかった。ところが兄に言わせれば向こうも私に負けまいと必死だったらしい。兄弟とはそういうものではないのかな」と慰めますが治房は幸村に振り向くと「堀を掘り返したい」と答えます。幸村は「為りませぬ」と断りますが、治房は「堀がなければ勝てぬ」と焦燥を見せて食い下がります。しかし幸村は「勝てます」と一言で返します。これに治房は埒が明かないと感じたのか、何も言わず立ち去ります。
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両者の行き違いが出ていると思いました。治房は大坂城内で主戦派として見られており、彼の考えと牢人達の考えは一致していました。そして彼は修理の弟でもあります。兄は立場上、牢人達を諌める役割を担うことが多く、そのため牢人達は修理を和議の推進派と見做していました。その為に牢人達は治房の前で修理のことを話すのは憚っていたと言います。そういった背景から治房は尚更に牢人達の考えを代表して実行する主戦派として動かなくてはならないという事情があります。しかし幸村は感情問題であると捉えた説得を行っています。

買って来たぞ~!!

買って来たぞ~!!


秀頼は牢人達に金銀を配りました。しかし、それが裏目に出ます。
金を貰った牢人達は武器を買い求めたのです。
これを聞いた幸村は「ありえぬ」と声を荒げます。「もっと目を光らせて置くべきだった」と修理は嘆きます。「今この時期に牢人達が武具を揃えれば戦支度をしていると見做されても仕方ない。徳川がどう出るか」幸村は家康の動きを案じます。
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駿河の駿府城に居る家康へは京に居る板倉勝重により大坂の牢人達が武具を買い揃えているとの情報が齎され正純の口から家康に報告されます。家康は飯を食いながら、その報告を満足そうに聞き「牢人達はまだ、たむろして居るのか」と言うと正純は言いにくそうに「先の戦で豊臣は徳川を追い払ったと上方で評判になっているようで」と報告します。家康は熱い味噌汁を冷まさぬまま口を付けてしまい不愉快そうに椀を盆の上に戻し箸を投げ捨てるように置きます。
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豊臣方にとって凶事は続きます。
修理が夜の廊下を渡っていると後ろから暴漢に襲われ殴り掛かられます。途中で見回りの兵士が急いで駆け付けると暴漢は逃げてしまいます。
治療されて寝込む修理を幸村が訪ねると「直ぐに曲者を捜します」と告げると「弟だ。恐らく母も絡んで居る筈」と修理は言うと幸村の手に自分の手を叩くと「ただの身内の喧嘩だ」と犯人探しを止めさせます。
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治房の暴走は止まらず、今度は牢人達を引き連れて埋められた堀を掘り返そうとします。その前に又兵衛と勝永は止めようと立ちはだかります。又兵衛と治房は互いに押し合いますが牢人達の気持ちの分かる又兵衛は本気で止めることが出来ず、牢人達は堀の掘り返しへと向かってしまいます。
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幸村の元に勝永は「堀の掘り返し。始まってしまったぞ」と報告します。遅れて来た又兵衛は「皆、戦がしてえんだよ」と牢人達の気持ちを代弁します。幸村は未だ構想途中の図面を見詰めます。又兵衛は「そろそろ腹括る時かも知れねえぞ」と時期が近付いている事を告げます。幸村は嘗て石田三成が言っていた「戦が起きる時は誰も止める事は出来ぬ」という言葉を誰にとも無く言い立ち尽くします。

浪人達は戦を行う事。その上で勝利する事を望んでいます。その為に自分の使用する武具に投資しただけの事です。勝利を望んでいるのは一部を除く大阪首脳陣も同じであった筈です。これは幸村も同様です。これが行き違いを見せたのは次の戦の構想を牢人達と共有出来ていなかった結果であるようにも思えます。
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堀の件は家康にも報告されます。家康は正純に「大坂城の二の丸の堀が掘り返されて居るそうな」そう言うと報告の文を丸めて捨てると「ここまでじゃ。諸大名に戦支度を命じよ」と正純に伝えると「儂も直ちに出陣する」と告げます。正純は「秀忠様にお任せするのでは」と言い止めようとしますが怒り心頭の家康は「任せておけるか」そう感情のままに怒鳴りつけると「牢人共は儂が成敗してくれる」そう言い家康自ら立ち上がり「儂の手で奴等を滅ぼす」そう誓います。
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幸村の文が江戸の真田屋敷に居る信之に届きます。
「此方は無事にて候。思い通りにならぬこと多けれども、殿様にはお気遣い賜り、皆々、日々、満足に過ごしおり候。本日、信吉殿、信政殿に対面致し候。御両名めでたく成長なされ嬉しく存じ候。何れ、真田の家の双璧となること疑いなく候。兄上様には様々、お骨折り頂きそうらえども斯様な有様となり申す言葉も御座なく候。我が娘すえが事、お見捨てこれなきよう頼み入り候」
文を読んだ信之は「今度の戦、前と違い城は丸裸。豊臣方が勝つ見込みは無いに等しい。いくら源次郎でも苦戦するであろう」と心配すると三十郎は「そこを何とかするのが源次郎様でございます」と答えますが「いや、俺には分かる。弟は死ぬ気だ。恐らくは大御所様と刺し違える積りであろう。止められるのは儂しか居らぬ」そう言うと立ち上がり「大坂へ参る」そう決めます。
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真田丸48話「引鉄」感想つづく
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