真田丸感想50話最終回感想⑩幸村の最後

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幸村は家康を討つために単独で家康を目指します。

家康は大坂城が目に見えて炎上して赤く染めた空を見上げながら城内にも家康方の諸将が攻め込んでいることを知っており勝利を確信しています。その余裕からお付きの者に自分を扇子で仰がせて涼を取ります。そこへ単騎駆けの幸村が現れたことを配下が知らせます。
これに家康は「またか」と顔をしかめます。幸村を見た家康は「あれは、左衛門佐」と真田の中でも幸村が現れた事に驚きます。

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家康は既に天下を取る目前となっており、この戦いについても勝つか負けるではなく、どのように勝つかを主眼に捉えており、戦費を節約する為に短期決戦をとする為の戦い方で臨んだのが大坂夏の陣です。既に豊臣の他に逆らう者はない。その自分をこれ程までに追い詰めることが青二才に出来る筈はなく、それは嘗てより自分を苦しめて来た真田昌幸だけである。そういう考えが家康の中にあったのではないかと思います。

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幸村は家康の面前へと進み出ます。周りに集まる兵士達を槍で牽制すると素早く十文字槍の石突を地面に突き刺して固定すると左右刃の上に馬上筒を乗せて台座として固定すると家康を狙い撃ち放ちます。銃弾は家康の後ろに立つ旗持ちの持つ旗の支持部に命中し撃ち砕きます。それに家康は驚き目を見開き身を竦めます。幸村は撃ち終わった馬上筒を投げ捨てると更に距離を詰めて再び馬上筒を抜き放ち己の腕を銃の台座にして照準を家康に合わせます。

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周囲の兵士達は家康を守る為に急ぎ幸村と家康の間に立ちます。その間も幸村は家康に狙いを定めたままです。これに家康は「手を出すな」と命じ兵士達を退かせるとゆっくりと立ち上がり幸村と対峙します。更に家康は幸村に二歩三歩と歩み寄りながら「殺したいなら、殺すがよい」そう言うと、立ち止まり「されど、儂を殺した所で、何も変わらん。徳川の世は既に磐石。豊臣の天下には戻らん」幸村はその言葉を銃の照準を合わせたままに聞きます。家康は重ねて「戦で雌雄を決する世は終わった。お主のような戦でしか己の生きた証を示せぬような手合いは生きていく所など何処にもないわ」という言葉を投げつけると幸村は激昂して「そのような事は百も承知」と絶叫します。「されど、私はお前を討ち果たさねばならぬのだ。我が父の為、我が友の為、先に死んで行った愛する者達の為に」幸村はそう言い放つと馬上筒に弾を装填します。
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家康の言葉は恐らく幸村が己自身に対して問いかけ続けた言葉でもあったのだろうと思います。平和を望むなら家康の手によって戦国時代を終わらせる事が最善である事は疑いようがなく、その道は半ば決まっているような状態です。しかも、大坂城には既に徳川方が攻め入っており、勝永が助ける為に先に撤退して戻っているとは言え戦いの趨勢を変えることが不可能な事は目に見えています。その為、この戦いの目的は秀頼を如何に生かすかへと変わってしまっています。また、そうであるなら家康を討ち取ることは怒りを生み不利にしか働かないということも分かっていたのでは無いでしょうか。即ち、幸村の今の行動は無為でしかないという事です。しかし、ここで家康を討ち取らずにはいられないという点に戦国最強の兵と呼ばれた男の業とでも呼ぶべきものがあります。

時代を作る者と過ぎ去った時代の人間である二人の対話。

一発目の銃弾は勢いによって放たれました。
二発目の銃弾は理性と感情との鬩ぎあいによって放たれました。

家康は目を瞠り幸村を見ます。僅かな静寂が流れ銃声が響きます。
家康は身を竦め目を瞑ります。
家康が再び目を開くと幸村の手から銃が落ちます。その光景に何が起きたのかを理解出来ずにいると目の前の幸村は腕を押さえています。やがて「父上」という秀忠の声が響くと「お助けに参じました」と得意気な息子の顔がありました。響いた銃声は家康を助けようと駈け付けた秀忠の手の者によるものでした。

秀忠の号令により再び周囲を敵に囲まれた幸村は「佐助」の掛け声と共に現れた佐助の煙玉によって張られた煙幕が辺りを包みますが秀頼は構わずに銃撃隊に発砲させると幸村は肩を撃ち抜かれ落馬します。家康は煙に咽ながら正純に手を引かれて幸村が懸命に片手で刀を振るう姿を途中何度も振り返りながらその場を離れます。その様子は名刀が折られようとする様を惜しむようにすら見えました。

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佐助が二発目の煙玉を炸裂させることで危地を脱した幸村ですが陣を張っていた茶臼山は既に松平忠直に占拠され既に身体を休める場所はなく幸村は佐助と共に神社の境内で休みます。疲れ切った幸村は鎧すらも脱ぎ捨て精魂尽き果て階段に凭れ掛かります。
そこへ徳川方の兵士がやって来ます。これを幸村は油断させて近寄らせると隠し持った暗器で相手の喉を一突きして返り討ちにしますが、既に片手に収まる暗器を持つ握力すら残ってはおらず、それを手から落します。これに自らの最後を悟り「ここまでのようだな」乱れた息遣いを整える事も出来ないまま口にすると佐助に刀を手渡します。

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そして短刀を前に置き着物の紐を解いてはだけさせると「長い間。よう仕えてくれた」佐助に今までの労を労い語らい掛けながら五文銭を掌の上に置き眺め、握り締めると僅かに音が鳴ります。それを家康を討ち果たせなかった償いの為なのか身から離し目の前に置くと代わりに短刀を手に取り動かぬ左腕の脇に鞘を挟んで抜き放ちます。
その横では佐助が介錯の為に刀を構えます。

幸村は様々なことに想いを馳せます。

大坂城の人々の事。
真田一族の事。
家族の事。
すえの事。

やがて幸村は目を閉じると微かな笑みを浮かべ、その意識が途絶えます。

幸村の今後については諸説あります。神社にたまたまやって来た兵士に討ち取られたとする説。生き残り佐助と共に薩摩に落ち延びたとする説。秀頼と共に落ち延びたとする説。

その何れが真実であるのかは不明です。

真田丸50話最終回感想つづく。
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