注文を忘れられる

おまえに食わせる油そばはねぇ!どうかしている
おまえに食わせる あぶらそばはねぇ!

世の中にはどうも珍しいと思われる事件に複数回見舞われる人間というのが存在するようです。
例えば、雷に打たれて助かったら、また再び雷に打たれるといった具合です。
これが宝くじの1等に当たるといった目出度いことなら良いのですが世間から聞こえて来る話は不幸な出来事の方が多いようです。

私も同じように、そう何度も起こることか?と思う出来事に何度か見舞われているのですが、それは店でした注文を忘れられることです。
それも複数注文した内の一つが抜けているとかではないです。
丸っと全ての注文を忘れられるのです。
これを5回ほど経験しています。
私は店に入ると店員さんに「あ、あのお客さんの注文は忘れなきゃ」と思わせる何かがあるのでしょうか?
しかも注文を忘れられた内1回はファミレスだという話をすると驚かれることが多いです。
そりゃそうですよ。私だってビックリしたんですから。

私も注文が来ないなぁと思って10分くらいで店員さんに「あの~、私の注文はまだでしょうか?」とでも聞けば良いことは分かっているのですが内3回は初めて行った店で起こったのです。
初めてだと勝手が分かりません。そのため注文ぜんぜん出てこないけど、店側で小麦を収穫している所なのかな?とかいま畑を耕している所なのかしら?と思うとなかなか時間が読めないのです。
それで私の後に来たお客さんの注文が先に来たら聞いてみよう等と思うのですが、都合よく隣にでもいてくれれば良いのですが席が離れてしまうと、それも難しくなってきます。
そして、これも被害を大きくする要因になっているのですが、ただ待っているのも退屈なので読書やスマホを眺め始めてしまうと気が付けば30分経過となってしまっているのです。

これを今回もやりました。
新しく出来た油そば屋に結構お客さんが入っているので期待できそうだという情報を仕入れて意気揚々と向かったところ既に2人並んでいます。これは期待できそうだと私も並ぶこと3分程度経過して入店することが出来ます。
上手く値段と品質とボリュームが折り合えば通える店が開拓できるかもしれないと期待に胸を膨らませます。

そこは先に食券を買う方式の店なのですが油そばの並盛と大盛りとW盛りが同じ値段です。
これは並盛も大盛り分の値段を取ってるんだろと思いはしますが、それならW盛りを頼もうと思うとお得感が高いです。
そしてトッピングにチーズなどが並び、味が単調になりがちな油そばにトッピングで味にバリエーションを付けることで飽きが来ないようにしているようでした。
こういう試みは嫌いではありません。おすすめとある食べるラー油を20円(この値段も良かった)で購入して合計800円という国家予算並みの金額を券売機にぶち込んでやります。
店内の客席はカウンターだけだったのですが、キッチンとカウンター側を透明なアクリル板で遮られている端っこの席に案内されました。
嫌な予感がしました。
他の席はアクリル板の切れ目から直接注文物が渡されている様子なのですが、私の端っこの席だけはアクリル板の切れ目から遠く店員が持ってくるタイプだったのです。
店の中で特異なオペレーションが必要となってくる席というのは経験則から言うと酷い目に遭う可能性が非常に高いです。
例を挙げてみるとコンビニで言うならファミリーマートでキャンペーン期間中に特定のペットボトル商品を買うとレシートに商品の引換券が印刷されて渡されるタイプのキャンペーンの際に、いつもレシートを渡さない店員さんだと、その商品引換券の印刷されたレシートがやっぱり渡されないといった所が近い所になるでしょうか。

嫌だなぁ。怖いなぁ。嫌な予感がするなぁ。と稲川淳二風に怖がりながら待ちます。
性懲りもなく読書をして待つことにしたのですが、これがいけなかった。
気付くとカウンターの向こう側から「9番席の人、食券買ってる?」とか聞こえてきます。時計を見ると席に着いてから30分が経過していることに気付きます。そして次の予定が15分後に迫っています。10分で食べてギリです。
そして後ろから店員さんから「あのー、お客さん、何を注文しましたっけ?」という声
を無事に掛けられます。これで料理が出てくるのを待っていると完全に遅刻となってしまうので「あ、すいません。次の予定が間に合わなくなってしまうのでキャンセルでお願いします」すると店員さんは「あ、そうですか。こちらのお客様、次の予定が間に合わないとのことでキャンセルになります!」とカウンターの店員さんに呼び掛けると、カウンターの向こうの店員さんが「何を注文されてます?」と問い掛けて来ます。
あ!そうか、私が食券を払わず金だけをせしめて帰ろうとする輩である可能性だって考えられるのです。
しかもこのお店は購入した食券の半券を残すといった方式ではなく、一枚まるまる渡してしまうので、お店側が「あなたから食券なんか預かっていません」と言われたら、こちらが食券を買った証拠なんか一つも無いのです。そうなると最悪の場合、逆に私が警察に突き出されて御用される可能性もあるのだという事実に気が付き震えます。
「えーと油そばとトッピングの食べるラー油を頼みました…」ともう、お金だけ巻き上げられて帰ることになっても致し方ないと観念して答えます。すると別の店員さんが「あ、私、食券預かりました」と助け舟を出してくれます。
きっと食券を確認もしないで席に案内した責任を後で問われることを恐れたんでしょうねとは、ここでは思わず素直に感謝します。
カウンターの向こうの店員は完全な証拠を掴んでポリスへ引き渡すことは難しいと判断してくれたようです。どうにか泥棒扱いされることなく店員さんが券売機のボタンをポチポチと押して「あー、10円玉ばっかりですいません」そう言ってお金を返却してくれました。お蔭で私は腹を膨れませることは出来ませんでしたが財布をパンパンに膨らませることが出来ました。

外に出た私は泥棒扱いされなくて済んで良かった~と無駄ポジティブシンキングを働かせて一息つくと外の空気は美味しいと感じました。
ああ~、美味い油そば食べたかったなぁ。
そうして隣の松屋で牛丼を急いで食べて次の約束に向かいました。

その後、家に帰って布団に入り気付きます。そういえばあの店で謝られたのって代金800円の内100円分が10円玉10枚で渡されたことだけだったな…。
えーっと、う、うん。別に泣いて謝ってほしいとは思ってはいないんですよ。
でもね。人として一言位あやまってくれても良かったんだと思うんですよ。
そうすればね。こちらも「いいえ、私ももっと早いタイミングで店員さんに声を掛ければ良かったんで全然気にしないで下さい。次の予定があるので今日は帰らせて貰いますけど、また寄らせて貰いますから、その時はよろしくお願いしますね」とか言えるんですよ。
人がミスをするのは当たり前ですし、こちらとしても通えるお店が増えるのは有り難いことなんですから。
そうすれば今日は油そば食べられなかったけど、まぁ謝って貰ったし30分ばかり待たされたとはいっても読みたかった本は読めたわけだし話のネタも手に入って来てお金も返って来なかった訳でもないしと考えれば逆に幸運であったと思い込むことも出来るのです。
そう思うと無性に腹が立ってきてギリギリギリと歯噛みします…。
という訳で今日も枕を涙で濡らしてぐっすり寝てやりましたよ。

それでは今日はこの辺で