意識だけ高い系MacBook Airむかし話。

御神輿 どうかしている

これはむか~しむかしの話じゃあ、
大してPCスペックが必要でないにも関わらず見栄の為、
即ちスタバでドヤ顔をする為に「Mac Book Air」を買った者がおった。
そいつはしょぼい会社にいるクセに意識高い系の困った輩じゃった…。

しかもそいつは後輩の手柄を横取りすることだけを主に考えて過ごし、
営業が仕方なく同行営業に連れて行くと、
「歩きスマホの何が悪いんだ。俺は大丈夫だ!」
と何を勘違いしたのか電車の中で宣い、
たまたま乗り合わせた関係の無い人までドン引きさせ、
たまに酒を一緒に飲んでやれば、
俺は昔ホストをやっていたんだ。
彼女がホストを辞めてくれと泣いて頼んできたから仕方なく辞めたんだと自慢。
(何で元ホストの奴って中途半端な所で辞めたような奴ほどその経歴を自慢してくるんだろう?)
と営業の小首を傾げさせとった。

この先輩はある日、
後輩の手柄を横取りして手に入れたボーナスで
自分の人間性のように薄くて軽いMacBookAirを購入したそうじゃ。

営業が取引先に訪問に向かおうとすると、
先輩は何故か出しゃばって
「営業だけではなく僕も付いて行く事によって良い話が出来ますから」
と上司に宣って付いてきた。

クライアント先に辿り着き打ち合わせに入ると、
「じゃあ今回のやり取りをメモにしますんで」
そう言うと安っぽいお洒落さんバッグから仰々しくMacBook airを取り出しおった!
ひゃあ!!たまげたぁ!!
今まで打ち合わせでメモも取ったことなんか一度も無いクセに、
わざわざ大きなバッグを持って来ていたのは
これが理由だったのか!と営業をビックリさせた。

何も知らないクラインアントは
「お、それは噂に聞こえるリンゴのアレですね」等と話を振ってくれたそうじゃ。
そこで嘘つきピエロの如く鼻たかだかのそいつは言った。
「ついにAirMacBook買っちゃいましたよ!!」
それを聞いた取引先様は苦笑しておった~。
「このAirMacBookはメモリが交換出来ないのが悩みなんですけどね」
とほざいて自慢したそうなぁ。
営業は(お前様の頭のメモリも増やせないし困ったもんじゃなぁ)と
思いながら聞いておったがMacBook Air話は尽きることがなく終いには、
このリンゴのマークがピカピカ光るんですよとまで言いおった。
結局、打合せでご自慢のMacBookAirを使って
一文字も打つことなく打ち合わせを終えたそうじゃあ。

その帰りの道すがら先輩は営業に、
「やっぱり今の時代はAirMacBookでしょ」
「動作とかそこら辺のノートPCと比べものにならない。
やっぱりAirMacBookでしょ」
と盛んに連呼するので営業は笑いを堪えるのに必死じゃった。

会社に戻った後も先輩は大層、自慢した。
その勢いは天にも昇るが如く。
「Air Mac Book様のお通りじゃ~、
者共~、
控えおろ~、
Air Mac Book様のお通りじゃ~、
下に下に~。
者共~!頭が高い!!
どけどけどけい!!
これからスタバでドヤるのじゃ!
道を開けい!!
Air Mac Book以外はPCに非ず!!
どけどけどけい!!
Air Mac Book様のお通りじゃ~」
と言わんがばかりに定時になると帰って行きおった。

その姿を営業は心の中で
おまえの持っているそれはAir Mac Bookではなく、
Mac Book Airだ!!
と心の中でツッコんで見送った。

不思議なことに、この日だけは先輩のことを生暖かい目で見送ることが出来たそうじゃあ。

めでたしめでたし。