前回は独裁型マネジメントを行う企業が抱える重要な問題とは顧客から求められるニーズに応える為に思考力のある社員が必要であるにも関わらず、その思考力を持った社員が存在しないが為に何れ立ち行かなくなってしまうという点にあると述べました。
従って独裁型マネジメントを行う企業も思考力のある社員を求めている訳ですが、独裁型マネジメントを行う企業に思考力のある社員が入社しても大抵は辞めます。それは組織の自浄作用のように思考力のある社員を排除していく仕組みが出来ているからです。
今まで数々の独裁型の経営者が経営するブラック企業に所属して思考力のある社員が辞めていく姿を見て来たので、その経験を元にして思考力の有る社員の辞めていく段階図を書いてみました。
思考力のある社員の辞めていく段階1
独裁者は自分の言うことを聞く部下を好みます。依って部下2と部下3が可愛がられ成果の出そうな仕事が優先的に割り振られ、部下2が一番の成績を出したとします。
思考力のある社員の辞めていく段階2
そうなると思考力のない部下2の下に部下1が付き、部下2の下に思考力を持たない新人1と思考力を持つ新人2が付きます。この頃になると部下1は命令を聞かない生意気な奴かダメな奴というレッテルを貼られているケースが多いです。部下1が部下2の下についた理由は「部下1は命令を聞かないから部下2に抜かされるんだ」といったような言われ方をされるのが多いのではないかと思います。
思考力のある社員の辞めていく段階4
そうなると部下1は馬鹿らしくなってこの辺りで辞めます。新人2も自分の未来の姿を見て続いて辞めます。部下2はより出世して独裁マネージャーの命令を忠実に実行する鬼軍曹としての機能を強めます。
部下2は独裁者の言うことに逆らいません。そのため独裁者の無茶な命令や間違っている命令に対してより意見する事が出来なくなり、間違えた指示や命令による組織の空転が増えだします。
思考力のある社員の辞めていく段階4
(以下は会社の求める思考力のある社員がいなくなるというオチが着いてループしていわゆる脳筋が増えていく)
以降は似たようなことを繰り返して思考力のない社員が増えていく事になります。
なんでこうなるの!
簡単に言うと、会社が思考力の無い社員を評価して思考力の有る社員を評価しないからです。
なぜなら独裁者は自分の頭で考えることが出来て自分に反論する思考力を持った人間を嫌います。
その為、思考力を持った社員は優秀だろうが売り上げを上げていようが
独裁者はそれを評価しないので図の様に次第に脇に追いやられて辞めていく事となります。
(稀に飛び抜けた成績を出すことで一匹狼ポジションになるケース有り
そして社員に思考力を持たせるということは独裁型マネジメントを行ってきた今までの運営を全否定するに等しい行為になるので組織を一から作り直す位の気持ちが必要です。この点に独裁型マネジメントの横行する企業のジレンマのようなものがあるのかもしれません。
それでは今日はこの辺で