給与の締め日と支払い日からブラック企業を見分ける

少ない給料の人の財布 ブラック企業の社窓から

こんにちは、今まで数多くのブラック企業を渡り歩いて来たことで過去のことを思い返すと思わず涙目になってしまうので、自分の意思で自由自在に泣けるという特技を持つ悲しい笑いです。

ブラック企業について色々と書いて来ましたが、今回はブラック企業かどうか判断する際の規準として給与の締め日と支給日に注目した方が良い理由を語ります。

先ずブラック企業というのは基本的に給与が安いです。
(営業系だと給与が良い代わりに精神汚染のリスク有りのケース有り)
なぜならブラック企業というのは基本的に利益を出すことの出来ていないので経営者は社員の給与を削ることで利益を出そうと考えるからです。

① 給与を安くする→②出来る社員が辞めていく→③利益が薄くなる
(以降は1~3をループ)

以上のダメループを繰り返して給与が安くなっているケースが多いです。
それか新入社員の給与を高目に設定されている代わりに2~3人分くらい働かされるか、後の昇給は低く設定されているか、それともしたらその両方のどれかのケースが多いです。

悲しいことに企業が利益を手っ取り早く出す方法は人件費を削ることです。

社員10名の会社で社長が「すまん、会社の利益が苦しいため一時的に給与を下げさせて欲しい」と口先だけで言って以降は恒常的に適用される人件費によって出せる利益の概算が次になります。

今まで
平均月給30万円の場合
給与としての支出  300万円
社会保険の会社支払 60万円
(2割で概算)
合計支出額     360万円

これから
平均月給25万円に下げた場合
給与としての支出  250万円
社会保険の会社支払 50万円
(2割で概算)
合計支払額     310万円


人件費を下げただけで50万円、年間で600万円の利益を出すことに成功しました。

これは言うまでもなくポイズンピルなのですが、そのことに気付くなら、そもそもブラック企業にならないという話でもあり、稀にですがたまたま上手く一山当てるなどして潰れずに発展をしてしまうと大企業だけどブラック企業にランクアップしたりします。

しかし、いくら定額使い放題サービスの正社員でも霞を食べて生きていくことは出来ないので、やがて限界が訪れます。

そうなると経営者は悩みます。
新型のベンツが欲しい。
愛人を作ってみたけど毎月のお手当をどう捻出しよう?

今回は下劣な例を挙げましたが倒産の危機を人件費の削減で免れることの出来たブラック企業は設立年数だけは経っているので社会保険労務士が提案に訪れて言います。
「社長、人件費を一か月分浮かす方法がありますよ」

そんな魔法のような方法があるのでしょうか?
あります。
給与支給を一か月遅らせれば良いのです。

通常の一般的な企業の給与は働き始めた月の25日を締日(給与額の支払金額を確定する日)支払日を働き始めた月の末日に設定というのが多いのではないかと思います。
(4/1入社 4/25に給与額が決定 4/30に給与が支払われる)


これを働き始めた月の25日を締日、給与支払日を翌月の末日に設定するのです。
(4/1入社 4/25に給与額が決定 5/30に給与が支払われる)
このように人件費の支払いを1か月遅らせれば、毎月人件費を会社に1か月ストック出来ます。

もう少し具体的な例として人件費を別にして、簡略化して家賃や光熱費などを含めた諸経費を除いた金額を売上として概算して挙げてみます。

今まで
売上500万
人件費で310万円を支払う
会社に190万円残る

給与の支払日を一か月遅らせたこれから
売上500万残
人件費の支払い0円
会社に500万円残る
(本来なら出ていく筈だった人件費310万は翌月から)

何ということでしょう!?
会社に残る金額が増えました。
これで愛人に支払うお手当と車の購入費用が確保出来ました。
これは詰り社員に会社の負担を押し付けただけなのですが、ブラック企業の経営者にとって社員と言うのは自分の財布から給料を定期的に盗んでいく泥棒くらいの捉え方なので、彼等にしてみれば会社の利益を取り戻してやった位の感覚です。

これを世間一般では自転車操業と言います。

極端な例を挙げましたが筆者の少ない経験では給与の支給が末締め翌末払いの会社はブラック企業でした。
もちろん、この給与支給形態でもホワイトな企業が存在する可能性は否定しませんし給与支払い形態は普通だけどブラック企業も存在するのですが、ブラック企業の見分け方の一つして給与の締め日と支給日がいつなのかも一つの目安として覚えておいて貰えると良いかと思います。

今回の結論としては、
給与の支払いサイクルが一か月遅れの会社には気を付けようです。

それでは今回この辺で