就活ハラスメントの被害に遭わないために

強引に迫る男性 ブラック企業の社窓から

近畿日本鉄道の採用担当者が就職活動中の女子学生にエントリーシートの書き方などのアドバイスをするとして呼び出した後にラブホテルに連れ込んだという被害が話題になっています。
就職活動で切羽詰っている状態の中で人の弱みに付け込む卑劣極まりない犯行です。個人的には社内での厳正処分でなく刑務所の中で罪を償って欲しいものだと思います。

しかしこういった行為というのは他にも数多く発生している様子で就活ハラスメント等という呼び名が出来上がるほど一般化しています。また、こういった被害の端緒としてはOB訪問アプリが切っ掛けとなるケースが多いようです。

就職活動って大変です。
不採用通知を受け取ると自分を否定されて自分はどこからも必要とされていないのではないかという不安に心が弱くなる気持ちはよく分かります。

そんな中で志望している大手企業の採用担当が親切にしてくれるとなれば縋りたくなる気持ちになるのも致し方ないとも思うのです。就活生にしても例えば下心があったとしても身体の関係を取引材料として等ということでなく自分を売り込むアピールチャンスのような気持ちなんだろうと思います。なぜなら普通に考えて身体の関係と引き換えにして入社できたとしても後にリスクになるだけで不利益を被る可能性の方が高いのは言うまでもなく想像できる所だからです。

それに加えて字面通り就職面接で自己PR等はどうすれば良いかといったアドバイスやPR資料の作り方というのは本当に教えて欲しいという実情もあります。更には志望する企業にOB訪問をしたいけれど、そもそも志望先にOBがいないので誰か訪問できる知り合いが欲しいという事情が生じるケースもあります。正にそういった点が需要となってOB訪問アプリというのが成り立っているのだろうと思います。

そして訪問を受ける側について言えば、企業採用者であれば志望者の本音のようなものを知りたいとか就活生の力になりたいという建前で自分が上の立場で出会い系代わりに使えるといった下心を持ってあたってくる可能性は非常に高いです。

代表例としては

スマートフォンの「OB訪問アプリ」で知り合った就職活動中の女子大生に睡眠薬を飲ませて乱暴したとして、警視庁は3日、東京都新宿区左門町、リクルート子会社「リクルートコミュニケーションズ」社員、丸田憲司朗被告(30)(別の準強制性交罪で起訴)を準強制性交容疑で再逮捕した。「読売新聞」

以上の件が有名だと思います。容疑者の自宅には多数の睡眠薬とそれを粉末化する道具が発見されているそうなので容疑者と会っている途中で席を立った隙に飲み物に粉末化した睡眠薬を入れて昏倒させて暴行するというものです。そのため検挙できているのは氷山の一角に過ぎず実際の被害者は更に多数に上ると言われています。

更に救いの無い話をしてしまうと容疑者はリクルートの社員として登録していましたが実際は系列会社に過ぎなかったという事実。ここから見えてくるのはOB訪問アプリというのは登録する際に所属企業を偽ることが可能であるということです。

とは言え就職活動というのは情報戦である一面は否定できず内部情報を一番知っているのはやはり内部の人間でプラス採用担当が一番望ましい。考えられるリスクとしては、もしも自分がOB訪問を効率の良い出会い系サイトとして使おうと考える輩なら大手企業で人事部の採用担当を名乗って外でアドバイスしてあげるよと言って誘い出そうと考えた場合、最初の待ち合わせ場所は夕方くらいに喫茶店にしておいて時間間際になったら仕事の都合で遅くなるから等と言って時間を夜間にずらし、そのお詫びに居酒屋で食事でもしながらとでも言います。プラスで睡眠薬を持っていればバッチリです。

近鉄の例も含めてですが、こういった輩から就活生が身を守るにはどうしたら良いのだろうと考えてみました。

就活ハラスメントの被害に遭ったということは不採用となる可能性が高い

基本的には被害に遭ってしまって関係を結んでしまった場合ですが、本物の採用担当の場合は被害者を不採用にしようと動く筈です。
言うまでもなく採用担当が就活生と関係を結んだというのは会社に露呈すれば処罰対象となります。
従って関係を持った就活生が採用されてしまうと自分にとってリスクにしかなりません。
本当に好きになったと言うなら時間と手間くらい掛けろバカという話です。

従って関係を持つということは不採用が確定する可能性が高くなるということです。

出来れば一対一は避けた方が良い

採用担当から就活生を食い物にしようという輩まで会う建前としては就活生に面接対策やエントリーシートの書き方を教える等の手助けをすると言うものです。
本音は別の所にある可能性が高い訳ですが、それを言ってしまうと誰とも会えません。
なので実際に会ってアドバイスを受けるとなった場合は一人で会わなければ良いのかなと思いました。
少なくとも一人でなければ席を立ったタイミングでも一人残っていれば一服盛られることは防ぐことが出来ますしホテルに誘われることも防げると思います。

なので考えられるパターンとしては、
友達が偶然を装って合流
お父さんが偶然合流

以上のような手段を取ると間違いなく相手は嫌がりますので建前を利用して断れないようにしておきましょう。
事前準備として、必ず会う約束を取り付けたタイミング位で「何でこんなに親切にしてくれるんですか?」的なことを聞いておきましょう。そうすれば相手は「自分も就活している時は困っていたから同じように困っている就活生の力になりたいんだ」的なことを抜かしてくる筈なので、それを言質として取っておいて友達が合流しても断れないようにしておくと良いと思います。

考えたシナリオとしては

友達が偶然を装って合流

待ち合わせ場所で合流したタイミングで店に向かって歩き始めるか店に入る間際のタイミングで偶然を装って
友「あれー、就活生ちゃんじゃない、どうしたの?」
就活生「うわー偶然。実は志望先の採用担当さんで、それで就活生の力になりたいって言ってくれて面接とかの相談に乗ってもらうことなったの」
友「えー、私も就活の相談に乗って欲しい」
就活生「そうなの。じゃあ輩さん。友達の相談にも一緒に乗ってあげてもらって良いですか?」
輩「うん、ああ、そうなの、ゴニョゴニョゴニョ」
就活生と友「あざーす!」

お父さんが偶然合流

個人的にはコレが一番効きそう。
店に入って情報を引き出せるだけ引き出してホテル等に誘われたら合図してお父さん登場。
「あれ、お父さんどうしたの?」
「おお、丁度ここで飲んでいてなぁ」
これなら近鉄の例のように続きはホテルのベッドの上でという訳にもいきません。
これで落とされたら居酒屋の会計はお父さんが支払って、不採用通知を貰ったら企業問い合わせフォームから居酒屋で飲んだ分の料金はやっぱり支払って下さいのメッセージでも送り付けてやれば相手に処罰も下って気分も晴れるでしょう。

汎用性の高さなら友達と偶然あって合流シナリオ。
美味しいとこ取りならお父さんシナリオ。

最後に

以上、思いつくまま適当に書いてみましたが一番の対策は君子危うきに近寄らず。
先ずOBアプリだと相手が先述の通り所属を偽っている可能性もあるので身元の確認がしっかり取れていることが第一条件です。
名刺なんていくらでも偽造できるから信用しちゃダメですよ。
なので相手の部署と名前を聞いておいて約束の確認と称して電話で本当にその人が在籍しているか確認してみても良いと思います。
面談場所としてベストなのは志望先企業の面談スペース。次は訪問する相手に「受付は会社の顔だと聞いたので会社に担当さんを呼びに行って、それを確かめた上で相談に乗ってほしいです(ハート)」で昼間の会社近くの喫茶店。
食事をしながらとなってしまった場合もアルコールは飲まない。
飲むよう勧められたら体質的に無理だと断る。
飲むことが必須の業界なら就職が決まるまで禁酒していると言い張る。
途中で席を立ったら薬を盛られている可能性があるので口をつけない。相手から無理に勧められたら、どうしても口に合わなくてとか言って新しい飲み物を注文する。それでも無理に進められたらコップをうっかり倒して新しいものを頼むでも良いかもしれません。

それでは就職活動の成功を祈ります。
本日はこの辺で