独裁型マネジメントが変わらなくてはならない現状

前回はブラック企業にありがちな思考停止の例を書いてみたので、今回はブラック企業にありがちな「独裁型」マネジメントが変わらなくてはならない現状について書いてみたいと思います。

思考停止したブラック企業の会議の例として
ブラック企業が行う売上げ向上の為の会議

「体育会系の縦社会では、往々にして『上の言うことは絶対』といった土壌ができあがっています。そうして尻を叩いて社員を酷使することで短期的な生産性は上がりますが、下の人間はリーダーや会社の業績を上げるためだけの“コマ”になってしまう可能性が高いのです」
そうした体質の組織が「ブラック企業」と指摘され社会問題化している、と鈴木氏。ただし、完全縦社会の体育会系組織は昔から日本に存在していたし、むしろその体質こそが日本企業の特徴でもあった。ところが、高度経済成長期やバブル景気が終わりを迎え、「成熟期」に入った日本ではすでに、体育会系組織は時代にそぐわなくなってきているのだ。
ダイヤモンドオンライン 

>そうして尻を叩いて社員を酷使することで短期的な生産性は上がります

本当にその通りです。基本的にはブラック企業というのは軍隊式の運用体制を敷いています。そして一部の人間の考えを忠実に実行すれば良いという考えの下に運用されています。

以前に中小企業に勤務するというのは、その企業の社長に忠誠を誓うつもりでいた方が良いと言われた事があるのですが、私もそういった企業に所属してみて、その通りだと思いました。

一般的にマネジメントのタイプとして、
社員の能力が高ければ「放任型」
社員の能力が低ければ「独裁型」
が良いと言われています。

そして中小企業という事は基本的には社員の能力に期待できません。
(社員を育てられる企業と一部の例外を除く)
従って、中小企業という事は一部の例外を除けばマネジメントスタイルは独裁型への傾向が強くなります。また「うちの会社は営業会社だから」という会社は殆ど間違いなくワンマン社長か一部のマネージャーが独裁体制を敷いていると思った方が良いです。

しかし、このタイプの企業が残っていく事は難しいと思っています。
原因は顧客ニーズの多様化にあります。
不動産会社を例として説明します。

以前ならば建売住宅のパンフレットを渡して取り敢えずお客さんを現地に見学に連れて行けば成約するという流れがあったのだと思います。

従って営業マンに求められるものは、
・顧客を探してチラシを夜な夜なポストに数多く投函して反響を待つ
・不動産の購入を考えるお客さんに当たるまでドアのチャイムを数多く鳴らし続ける
・電柱にチラシを貼る(違法ですけどね)
・断られてもお客さんに顔を出して仲良くなる
(寧ろ断られてからが本番という迷惑極まりないアプローチ)

このように営業マンはお客さんにどれだけ断られてもアタックを続ける「根性」が求められていました。
このタイプの営業マンが通用した時代は独裁型マネジメントが最適です。マネージャーは営業マンを脅すか高い報酬によって釣るといった飴と鞭を駆使して奴隷の如く働かせる事で成果を上げる事が出来たのです。

しかしニーズの多様化によって高い専門性と提案力が求められるようになってきた事で、これが崩れつつあります。
以前のニーズと現在のニーズを比較してみましょう。

以前の顧客ニーズ
・とにかく一軒家かマンションで買える所
・新築
・住むイメージの沸く立地
・駅から近い

現在のニーズ
・子供の教育の為に程度の良い中学のある学区内
・両親との同居と介護の可能性からバリアフリー住宅にしたい
・住みたい場所があるが物件がないので中古住宅をリフォームしたい
・夫婦共働きなので資金負担の割合に応じて持ち分を分割したい

と言ったように現在は以前のニーズに加えて更に細分化されたニーズに応える必要が出ており、それに応える為に営業マンに高い専門性とお客さんのニーズを顕在化する提案力が求められます。しかし理由は後述しますが独裁型マネジメント下に置かれた社員は顧客の求めに応えられないケースが多いです。
そして、これに応えられない場合はどうなるか?お客さんは星の数ほどある別の不動産会社に行きます。

この様な傾向はBtoCに限った事ではなくBtoBの業界でもそうなのではないでしょうか。
これに応える事が課題となっている企業は少なくないはずです。

独裁型マネジメント下の社員が顧客のニーズに応えられない理由

例え崇高な理念を掲げたとしても、独裁マネジメントは結果的に社員を奴隷労働に近づけます。そして奴隷に思考する事は不要なものであり、その手法が洗練されればされる程に社員から思考力を奪っていきます。しかし、顧客の求めるものは社員の専門性や提案力といった思考力です。
従って、独裁型マネジメントを行うマネージャーは成果が出ないと力を入れる程に顧客と接する社員からは思考力が失われる事となり、それに失望した顧客が離れる事で業績が下がり続ける下の図のような悪循環へと繋がり、最終的には市場から姿を消すことになるのではないでしょうか。

独裁型マネジメントの現状

これが私の考える「独裁型」マネジメントが変わらなくてはならないと考える現状です。