チームワークについての本を読んでいるのですが、チームを組むとその中にチームの成果にただ乗りするフリーライダーが問題になると知りかつての上司が一人思い浮かんだので今日はその人について書いてみます。

ベンチャーに営業として転職する

当時の私はほぼ立ち上がったばかりのベンチャーに営業として転職するのですが、配属先である営業部の上司は営業部長と役員を兼ねており一部上場企業に在籍していたという経歴を持つ人でした。
そのことを初めて聞いた時はこの人どんな凄い人なんだろう!と驚き同時に自分は身を引き締めていかなければと思ったものですが仕事が始まってみて思ったのはこの人ほんとうに邪魔だなぁでした。

二人ぼっちの営業部、後に敵対

営業部と言っても上司と私の二人だけです。
そこでは営業先はおろか営業手法も全て手探りで探し出さなければならないという状態でしたので営業先で使う営業資料すら無い状態でした。

愉快な打ち合わせ

配属されて初めての打ち合わせの際に上司は言いました。
「俺のことは役職名とか付けず、○○さんで良いから」
おお!この人は自分の能力に余程の自信があるに違いないと思いました。
続けて出て来たセリフにも痺れました。
「思っていることは何でも言って良いから。議論して良いものを作り上げていこう」
こいつぁ凄ぇ人の下に付いちまったぜ!?と思っていた時期が私にもありました。
ここまで書いて思い返してみると、この人は本当に印象に残る名言というか迷言を数多く残してくれた人なので敬意を込めてこれからこの人のことを迷言上司と呼びたいと思います。

この迷言上司についてですが蓋を開けてみて分かった事です。
悪い意味で単なる批評家だったということです。
従って、
出した案に対しては基本的に全否定。
代案はなし。
叩き台にして発展させる気も無し。
迷言上司自身の考えはない。
たまに出てくる意見は的外れ。

加えて迷言上司は極度の負けず嫌いでした。

通常で考えるなら新規で営業方法を見つけなければならない。その手法を探すための打ち合わせということであれば正解に近付きそうだという意見が出ればそれを叩き台として正解に辿り着くべく議論を重ねるというイメージだと思うのですが、それは私の勘違いであると直ぐに気が付きました。

打ち合わせを何度か行って分かった事ですが迷言上司は部下の意見を認めるということはイコール自分が言い負かされたと受け取る人でした。
依って、私の意見が受け入れられることはありません。
それでも上司が明確な道筋を示してそこを目指して欲しいというのなら、部下の立場なので当然従うのですが先述した通り迷言上司に自分の考えはありません。

詰まり迷言上司と私で行っていた打ち合わせというのは、ずっと二人でディベート対決で戯れていたようなものです。
そして負けず嫌いな人が言い負けそうになるとどうなるか?
「俺はそれが正しいとは思わないな」(根拠無し)
という感情論で話が進まなくなるのです。

じゃああなたが案を出して下さいよと堪らず言ってみると上司は答えます。
「俺は出て来たものを判断するだけだ」
「不毛」という言葉の意味を正しく理解出来た瞬間でした。
私は頭を抱えざるを得ませんでした。
ここで判明したのは上司が自分を全知全能の神であると考えている勘違い野郎であるということでした。
更に言ってみればお客さんの状況もろくに分からない状態で的確な判断なんか出来る筈が無いのです。
今でも迷言上司が打ち合わせで何を求めていたのかは今でも分かりません。
それともしたら異世界転生もののなろう系が如く俺ツエエエのように「一部上場企業の俺がベンチャーで無敵だった話」みたいなものを求めていたのでしょうか?いや、でもそれだったら自分から意見を出す筈だから、やっぱりどうしたかったのでしょうか?

迷言上司にクビ寸前まで追い込まれてみる

しかし、こんな迷言上司ですが私には一生勝てないだろうなと思ったものが一つだけあります。
社内営業です。

こんな調子なので営業部(?)立ち上げ当初は全く売り上げはありませんでした。
そこで上司が何をやったか?
私のネガティブキャンペーンです。
お陰で私は使えない人ということでクビ寸前まで行きます。恐らく当時の私は何も知らない他の社員から会社の寄生虫だと思われていますし実際にそう扱われています。

この人は役員で出社義務が無いのを良いことに結構な割合で会社をサボって(そうとしか思えなかった)出社してこない人でした。
(代わりに、たまに出社した日は夜遅くまで他の役員に私の悪口をせっせと流布しているのではありますが・・・)
売り上げが出ない責任を私に押し付けると今後の活動方針を決めた上司はこれ以上自分が営業活動に関わると火の粉が降りかかってくると思ったのか途中で完全な放置プレーになります。
これは私にとって非常に幸運でした。
お陰で私は鬼が居ぬ間に何とやらで上司を完全に無視して思い通りに営業活動が出来たので実績を出すことが出来て首を繋げることが出来たのです。代理店営業でしたので実績が出るまでタイムラグが発生したことで本当にギリギリというか崖に落ちた後に助けられるみたいな感じでしたが・・・。

左遷されてみる

初めての受注が決まった時は喜びました。
この時の私は生まれたての赤ん坊のように上司のことも未だ半信半疑位のもので、親は全て皆こどもを愛するに違いないという思い込みでたまたま出社していた上司にわーいわーい褒めておくれーと無邪気に成果を報告します。

初めての成約に対して尊敬する上司から頂いた祝いのお言葉です。
「こんな赤字にしかならないような案件取って来やがって」

思えば迷言上司のシナリオは私が迷言上司の言うことを聞かず勝手に動いているせいで売上が上がらないのであって自分に責任は無い。全て私が悪いというものだったと思うので営業実績が上がることは迷言上司にとっては問題であり、逆に言えば私にとっては売り上げがあがれば私一人の手柄となる構図が意図せず出来上がっていました。
そこから迷言上司の方針は私の手柄の横取りにシフトします。

この名言上司の動きに気付いてはいたのですが、いくら役立たずで社内営業しか能のない人でも敵に回すのは良くないと思い黙っていたのは完全な失敗でした。
ベンチャーで自分の手柄は声高に主張しないとダメです。

これをしなかったことで私に何が起きたか?
いつの間にか営業の売り上げの手柄は全て迷言上司のものとなっていたようです。
私は販売しているサービスの現場スタッフとして左遷させられました。

これに私のプライドはズタズタになり泣きたい位に嫌でしたが、喉元過ぎれば熱さ忘れるとは昔の人は上手いことを言ったもので現場に行ってみれば売り上げに追われるプレッシャーからも解放されるし現場のおばちゃんは何か知らんけどお菓子とかくれて優しくしてくれるしで、まあ別にこれはこれで良いかな?と思って暇な現場で茶飲み話をして過ごすという安寧の日々を送っていたところ再び営業の現場に呼び戻されます。

営業に戻れた理由

理由は私が左遷された後もお客さんから私への問い合わせが多くあった事。
営業現場のことを分かるのが私以外誰もいなかったからです。
「俺は判断するだけだ!」と常日頃豪語していた上司ですが、当然ながら判断するだけじゃ売れんわなということで私が左遷されてから暫く営業の売り上げグラフは積み重なっていったのですが、その後のフォローも何もしていないので再び売り上げが下がるというグラフが出来上がったことで他の役員の力で営業に呼び戻されたのでした。


更に奏功?したのは会社の状況が急速に悪化していて私の代わりの営業を入れて一から育てる時間的な余裕が無かったこと。おまけに実際の営業ノウハウのようなものはおまえみたいに頭の悪い奴の意見なんざ知らんとばかりに迷言上司から一切聞かれなかったので私が独占する状態になっていたのも幸いしました。
(迷言上司からしたら馬鹿にして見下していた人間から教えを受けるという格好になるのが許せなかったのだろうと思います。このクソみたいなプライドのお陰で私は命拾いします)

迷言上司の世迷いごと紹介

結局、本社に戻ってから営業活動については私一人で回すような状態になり再び迷言上司からいくつか迷言を頂戴したので紹介します。
「報告は事細かにしないと俺がオマエを守ってやれないんだぞ!」
あなたの力で左遷させられましたけど何か?
それと以前、報告は結果だけで良いとか言ってましたよね?

「俺はオマエのことは評価出来ないから自分で他の役員にPRしろ」
オマエは何の為に居るんだ?

結局、会社は潰れた

しかし、どうにか自分の立場を取り戻すことは出来ましたが結局、その後に会社が乗っ取り工作を受けて販売商品の8割方を販売出来なくなるという窮地に陥り事業清算となって終わってしまいました。
おまけに業者から入金の催促が掛かって来ても迷言上司は何もせず私に会社に居残ってその対応をしろと言う始末で更に最後の会社の片付けの日には自分の荷物を持ったら何もせずに帰ってくれたので、本当にこの人は何もしない人なんだなぁと私を呆れさせてくれました。

あなたの隣にもフリーライダーはいるかもよ

ただ今回書いたようなフリーライダーによる問題は他の企業でも起きていると思っています。
例えば、役員の中に創業者の友人あるいは経営者が何となく凄いっぽい経歴の持ち主に口先のハッタリで騙されて雇ってみたら迷言上司のように実務能力の全くない単なる批評家で事業の妨げにしかなっていないというのはよくある話なんじゃないかと思います。

ここまで書きましたが社内の役員クラスにこういったフリーライダーが入り込んだ時に迅速に排除する方法というのは思い浮かびません。しかも件の上司のように社内営業だけは出来る人だと被害はより甚大になっていきます。
思うに役職者の役割は成果を出すことと責任を取ることです。
経営陣はその点をなあなあにせず徹底するべきだったのが失敗のもとだったのだろうと思います。

「まともな上司やったら今でも笑っていられたんやろか」

なぜか唐突に関西弁で嘆いてしまいましたが、振り返ってみれば迷言上司がまともなマネージャーならチームとして具体的な営業手法を固めることも出来たと思います。少なくとも販売するサービスのパンフレットも無くA4紙のペラ紙に印刷しただけの資料で営業を続けるという体たらくは避けられた筈です。
更に売り上げに繋がる手法が見つけたなら、それをブラッシュアップして営業チームを組織してトライアンドエラーで出た結果を共有して売り上げを拡大させていくといった流れは十分に取れたと思いますし、そうすれば会社の資金にも余裕が出来て資金繰りの点で付け込まれて事業を失うことも無かったと思うのです。

組織で戦えるようにならないといけない

結局、凡人一人で出来ることには限りがあります。
私があげていた売り上げで養えたのは会社の事務所経費と管理部門の人件費位のもので、大多数の現場スタッフの分は丸々足りない位の金額だったので日々確実に会社が窮地に陥っていくのを見て取れるような有様でした。
結局のところ私の在籍していた営業部について何が問題であったかと言うと信頼関係が作れず私のスタンドプレーに終始していたことです。これは先述の通り営業部というチームを組織して事にあたることが必要でしたし、更に言えば営業部だけでなく会社という組織全体で問題を共有して問題に向き合える体制作りを行う必要があった。
繰り返しになりますが自分一人でなく組織で仕事を出来るようにならないといけなかったのだろうと思います。

それでは今日はこの辺で

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投稿者: 悲しい笑い

ブラック企業を渡り歩き、どさくさに紛れて営業のマネジメントや新規事業の立ち上げをやったりしていました。