どこの組織にも成果を横取りするだけの人がいます。

その人が無力なら救いもあるのですが、人の成果を横取りする能力だけ特化して高いという正に人の足元をすくうことに命を掛けて来たような人だと困ったことになります。

しかもそういった人が横取りに失敗すると、全力で潰しに掛かって来るので害悪以外の何者でもありません。まだ働かないおじさんの方がましだと思える程です。

そういった連中をどうするかで頭を抱えるマネージャーは少なくないのだろうと思います。

今日はそんな人が一人思い出したので書いてみます。

転職したら口先番長が現れた!

転職した先の上司は一部上場企業から保険会社に転職して、保険営業を掛けている中で経営者と出会い、そこで会社を立ち上げるという話を聞いて保険会社を辞めて済し崩し的に合流してきた人でした。

二人だけの営業部

営業部と言ってもいるのは上司と私の二人。
しかも上司は俺は判断するのが仕事だと訳の分からないことを抜かしているので実質わたし一人です。
そこには営業資料すらありません。
あるのはしょぼいパンフレットだけです。

打ち合わせといういがみ合い

初めて二人で打ち合わせをした時です。
〇〇常務と呼ぶと、
「俺のことを役職付けで呼ばないで欲しい」と言います。
俺は個人の力で勝負してる積りだからと宣いました。
凄い人だと思いました。
しかも続けて言うんですよ。
「お互いに議論して良いものを作ろう」
その時の私は感動に声が出ませんでした。
次の年には呆れて声が出ませんでした・・・。
本当に口だけと言うか・・・。
他にも数多くの迷言は放ってくれた人なので以後は上司を口先番長とします。

よく組織が批評家ばかりになると衰退すると聞きます。
その言葉の意味を口先番長のお陰で実体験によって知ることが出来たことだけは今でも感謝しています。

そして今になって振り返って考えてみると口先番長の一番の問題点は部下の意見を認めるというのが言い負かされるのと同義であったことです。
更に問題なのは口先番長は判断だけをするそうなので何も意見は出て来ません。でも意見を出せば全否定しかしません。

正に不毛。
私はこの地にぺんぺん草一本生えることはないであろうことを悟ります。
結局、迷言上司の求めているものが何だったのかは今になっても分かりません。
それともしたら、なろう系が如く「ベンチャーに転職したら無敵だった話」を求めていたのでしょうか?あんだけ無能なのに?

口先番長にクビ寸前まで追い込まれてみる

しかし、こんな口先番長ですが私には一生勝てないだろうなと思ったものが一つだけあります。
社内営業です。

こんな調子なので営業部(?)立ち上げ当初は全く売り上げはありませんでした。
そこで上司が何をやったか?
私が使えないというネガティブキャンペーンです。
お陰で私は使えない人ということでクビ寸前まで追い込まれます。恐らく当時の私は他の課の社員から会社の寄生虫だと思われていますし実際にそう扱われました。

この人は役員も兼ねていたので出社義務が無いのを良いことに結構な割合で会社をサボって出社してこない人でした(そうとしか思えなかった)
たまに出社した日は夜遅くまで他の経営陣に私の悪口をせっせと流布しているのではありますが・・・。
売り上げが出ない責任を私に押し付けると活動方針を決めた上司はこれ以上自分が営業活動に関わると火の粉が降りかかってくると思ったのか完全なる放置プレーになります。
これは私にとって非常に幸運でした。
お陰で私は鬼が居ぬ間に何とやらで上司を完全に無視して思い通りに営業活動が出来たので実績を出すことが出来て首を繋げることが出来たのです。代理店営業でしたので実績が出るまでタイムラグが発生したことで本当にギリギリというか崖に落ちた後に助けられたみたいな感じでしたが・・・。

左遷されてみる

初めての受注が決まった時は喜びました。
この時の私は生まれたての赤ん坊のようなものでしたから上司のことも未だ半信半疑位のもので、親は全て皆こどもを愛するに違いないという思い込みでたまたま出社していた上司にわーいわーい褒めておくれーと無邪気に成果を報告します。

初めての成約に対して尊敬する上司から頂いた祝いのお言葉です。
「こんな赤字にしかならないような案件取って来やがって」

この時の口先番長のシナリオは私が勝手に動いているせいで売上が上がらない。従って自分に責任は無いというものでした。そのため私が営業実績を上げることは口先番長にとっては問題であり、逆に言えば私にとっては売り上げがあがれば私一人の手柄となる構図が意図せず出来上がっていたのでした。
そこから口先番長の活動方針は自分がフリーライダーであったことを思い出したかのようにネガティブキャンペーンから手柄の横取りにシフトします。

この口先番長の動きに私も気付いてはいたのですが、いくら役立たずで社内営業しか能のない人でも敵に回すのは良くないと思い黙っていたのが完全な失敗でした。
ベンチャーで自分の手柄は声高に主張しないとダメです。

これをしなかったことで私に何が起きたか?
いつの間にか営業の売り上げの手柄は全て口先番長のものとなっていたようです。
私は販売しているサービスの現場スタッフとして左遷させられました。

これに私のプライドはズタズタになり泣きたい位に嫌でしたが、喉元過ぎれば熱さ忘れるとは昔の人は上手いことを言ったもので現場に行ってみれば売り上げに追われるプレッシャーからも解放されるし現場のおばちゃんは何か知らんけどお菓子とかくれて優しくしてくれるしで、まあ別にこれはこれで良いかな?と思って営業が売れないので暇な現場でおばちゃん達と茶飲み話をして過ごすという安寧の日々を送っていたた再び営業の現場に呼び戻されます。

営業に戻れた理由

理由は私が左遷された後もお客さんから私へのお問い合わせが会社に数多くあった事。
それと営業の現場のことを分かるのが私以外誰もいなかったからです。
「俺は判断するだけだ!」と常日頃豪語していた口先番長ですが、当然ながら判断するだけじゃ売れんわなということで私が左遷されてからフォローも何もしていないので売り上げは再び右肩下がりになったことで他の役員の力で営業に呼び戻されたのでした。

更に奏功?したのは会社の状況が急速に悪化していて私の代わりの営業を入れて一から育てる時間的な余裕が無かったこと。おまけに実際の営業ノウハウのようなものはおまえみたいに頭の悪い奴の意見なんざ知らんとばかりに口先番長から一切聞かれなかったので私が独占する状態になっていたのも幸いしました。
(口先番長からしたら馬鹿にして見下していた人間から教えを受けるという格好になるのが許せなかったのだろうと思います。このクソみたいなプライドのお陰で命拾いしたみたいです)

口先番長の世迷いごと紹介

結局、本社に戻ってから営業活動については私一人で回すような状態になり再び迷言上司からいくつか迷言を頂戴したので紹介します。
「報告は事細かにしないと俺がオマエを守ってやれないんだぞ!」
あなたの力で左遷させられましたけど何か?
それと以前、報告は結果だけで良いとか言ってましたよね?

「俺はオマエのことは評価出来ないから自分で他の役員にPRしろ」
オマエは何の為に居るんだ?

結局、会社は潰れた

どうにか自分の立場を取り戻すことは出来ましたが結局そのあと会社が乗っ取り工作を受けて販売商品の8割方を販売出来なくなるという窮地に陥り事業清算となって終わってしまいました。
おまけに業者から入金の催促が掛かって来ても口先番長は何もせず私にその対応をしろと言う始末。最後に会社の片付けをする日には自分の荷物を段ボール一箱に詰めたら何もせずに帰ってくれたので、本当にこの人は何もしない人なんだなぁと心の底から私を呆れさせてくれました。

あなたの隣に口先番長

役員の中に創業者の友人あるいは経営者が何となく凄いっぽい経歴の持ち主に口先のハッタリで騙されて雇ってみたら口先番長のように実務能力の全くない単なる批評家で事業の妨げにしかなっていないというのはよくある話なんじゃないかと思います。

ここまで書きましたが社内の役員クラスにこういったフリーライダーが入り込んだ時に迅速に排除する方法というのは思い浮かびません。しかも件の上司のように社内営業だけは出来る人だと被害はより甚大になっていきます。
思うに役職者の役割は成果を出すことと責任を取ることです。
経営陣はその点をなあなあにして徹底していなかったのが失敗の元だったのだろうと思います。

「まともな上司やったら今でも笑っていられたんやろか」

なぜか唐突に関西弁で嘆いてしまいましたが、振り返ってみれば口先番長がまともなマネージャーならチームとして具体的な営業手法を固めることも出来たと思います。少なくとも販売するサービスのパンフレットも無くA4紙のペラ紙に印刷しただけの資料で営業を続けるという体たらくは避けられた筈です。
更に売り上げに繋がる手法が見つけたなら、それをブラッシュアップして営業チームを組織してトライアンドエラーで出た結果を共有して売り上げを拡大させていくといった流れは十分に取れたと思いますし、そうすれば会社の資金にも余裕が出来て資金繰りの点を相手に付け込まれて事業を失うことも無かったと思うのです。

組織で戦えるようにならないといけない

会社で最大の失敗はお客さんを集められる営業が私ひとりだけだったことです。

私があげていた売り上げで養えたのは会社の事務所経費と管理部門の人件費位のもので、大多数の現場スタッフの分は丸々足りない位の金額だったので日々確実に会社が窮地に陥っていくのを見て取れるような有様でした。

結局のところ私自身も経営陣と信頼関係を作れず傍から見たらスタンドプレーに終始していただけです。これに先述の通り営業部というチームを組織して事にあたることが必要でしたし、更に言えば営業部だけでなく会社という組織全体で問題を共有して向き合える体制作りを行う必要があった。
結局、個人事業主の集まりで会社という組織になれなかったのが最大の敗因だったんだろうと今になって思います。

それでは今日はこの辺で

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投稿者: 悲しい笑い

新卒でいきなりブラック企業に入社してから数々のブラック企業を渡り歩いた途中でどさくさに紛れて営業マネージャーをやったり新規事業の立ち上げ等を行っていました。 投稿はその都度、興味の湧いたものを書いています。