営業の採用面接でマーケティングをやりたいはあまり言わない方が良いかもしれない

面接 ブラック企業の社窓から

以前勤務していた会社では営業マネージャーの真似事をしていて主には何の責任も取らない無責任な上層部のアドバイスと言う名の思い付きと言い掛かりを御座なりにやっつけるか有耶無耶にして無かったことにするのかを主な業務としていた悲しい笑いです。
その中で営業の採用も担当していました。

その会社は典型的な中小企業だったので新卒採用で一から育てる余力なんか当然ないので求めるのは中途採用の即戦力です。
採用の合否は極論すれば面接官の独断と偏見とタイミングで決まるものだと思っているので今回の記事はあくまで面接官をしていた一個人の独断と偏見によるものだという前提で読んでみて下さい。

営業は嫌いですか?

営業の中途採用の面接をしていて「当社に入社したら何がやりたいですか?」という質問に意外なほど返って来る答えが「マーケティングをやりたいです」でした。
その答えを面食らいながら聞いていました。
言ってみれば営業とマーケティングの関係は車の両輪です。どちらが欠けても売り上げに繋がらないというのは確かな事実です。
今の時代は営業の人間だってマーケティングのことを理解しているに越したことは無いのですが営業とマーケティングは別の職務であることは分かっていて欲しい所です。

マーケティングが何か本当に分かってる?

面接官が応募者からマーケティングがやりたいと言われて思うのは「これ営業の面接なんだけど・・・」です。
なので「将来的にマーケティングがやりたいのは分かったけど中小零細企業に営業マンをマーケターに変える教育リソースなんか無いし何となく営業の経験だけでマーケティングが出来るようになれると思ってない?」「マーケティングって営業と対立することが多いけどその点は理解してる?」と思って聞いていました。

ちなみの思っていたことを本当に聞くと間違いないく場が凍るので最終的には「うんうん。気持ちは分かるよ」的なことを勝手に思って流すようにしていました。

マーケティング部が無い会社の場合

会社側の都合で言ってしまうと通常マーケティングを掛けることで効果が出て来るようになるには時間が必要です。
加えて中小零細企業に営業をマーケターに変える教育力なんか存在しません。
そうなるとマーケティングをする事が決まればマーケティングの経験者を中途で採用するか外部のマーケティング会社に依頼するかのどちらかになるので、わざわざ手間暇を掛けて効果が出るかも分からない営業の人間をマーケターにすることは通常ないと思った方が良いと思います。

マーケティング部がある会社の場合


次に応募企業にマーケティング部と営業部が別部署で存在している場合です。
マーケティングには商品が売れる仕組みを作ることも含まれます。それは極端な言い方をすれば営業がいなくても商品が勝手に売れていく仕組みを作ることです。従って営業とマーケティングは近い位置に立ってますが、残念ながら両者は対立する概念でもあるとも言えるので基本的には仲が悪いか現在進行形で関係が悪くなっているかのどちらかのケースが多いです。なのでマーケティングがやりたいけど経験を積んで機会を待つために先ずは営業に入ろうと考えるのは巨人ファンの集まりに阪神ファンが入り込もうとするようなものなので止めておくが吉です。

それでも採用される場合

しかしそれでも会社の状態やタイミングによって営業として採用されるケースをいくつか書いてみます。

応募が少なくて取り敢えず採用となるケース

所謂、応募した先がブラック企業で入社しても何人か辞めることを見越して多めに採用することになっている。その中で応募者の中から消去法でまともなそうな人間をピックアップしてみたらマーケティングをやりたいと言っていた人がその中に入っていて、上手く育ってくれれば良いなで採用して直ぐに辞めちゃってもそれはそれで別にどうでもいいやというケース。

営業の適正はあるので採用されるケース

こいつ100%マーケティングに向いていないと思うけど営業としては向いていると判断されるか、それともしたらこいつ将来なにをやりたいという質問に特に思いつくことが無くてマーケティング的なことがやりたいですと適当に抜かしてるだけだなと判断されれば「マーケティングに専念することは無いと思うけど営業はマーケティング思考も大事だからね」と適当にお茶を濁した言葉を掛けられて採用されるケース(結構多い印象。ちなみに私が担当していた時もこのパターンで普通に採用してます)

中小企業の求める人材

基本的に中小企業が営業を中途で募集する際に求める理想の営業志望者は「マーケティング?広告?そんなものはF○ckだぜ!どんなターゲットもテレアポかドアノックで売って来てやるよ」という力強い言葉を吐いて地雷原の中に突っ込んで行ける爆死上等の恐れ知らずなソルジャーです。
加えてソルジャーとして活躍した暁には「ソルジャー」から「鬼軍曹」にランクアップして「マーケティング」とか寝惚けたことを言わず何も考えずに上司の方針に従って部下を率いて突き進んで欲しい。例え其処が地獄の底であったとしても。
でもマネジメントの方針が間違えていた時は文句を言わないで欲しいし責任の追求もしないで欲しい。そして何も良い案が思いつかず困った時は都合よく知恵を出してくれる。そんな人材を求めているのです。まぁそんな清楚なAV女優みたいな奴いるわけないですけどね。

最後に

身も蓋もないことばかり書きましたが冒頭でも述べた通り採用の合否は基本的に面接官の独断と偏見と会社の状況や部署の状況で決まります。まぁ確かに営業部が「ウホウホッ」ばっかり言ってる営業ゴリラしかいない状況なら一人位まとな奴がいないとやばいかな?って思うようなタイミングがあって普通に採用される可能性も無いとは言い切れないのですが、でもそういう所にマーケティングをどうしてもやりたいという人が入って幸せになれるビジョンも思い浮かばないので若いなら経験や知識が無いと諦めず最初からマーケティング募集の求人に応募して欲しいというのが営業面接でマーケティングをやりたいと言われて率直に思う所です。

それで駄目なら営業として入社して実績を積み重ねて経営陣の信用を得て影響力を行使することでマーケティング部を立ち上げて、そこで頭の良いマーケターを困らせるマネージャーになることは可能だと思うので頑張ってみてください。
後は営業経験者として言わせて貰うと営業だってやってみると結構やりがいのある仕事ですから今まで営業を使い捨ててきたブラック企業に在籍していて酷い目に遭ったからと見限らずに、まともな会社の営業を頑張ってみて欲しいとも思うのです。

それでは今日はこの辺で