学校教育で遠隔授業を選択できるメリット

教室の風景 社会派気取り

先日、学校でもIT環境が整えられる方針にあるということで、得られるメリットというのは大きなものになりそうだということを書きましたが、その後に進展があり、将来的には生徒1人につき1台のPCが与えられることになりそうです。
それに伴っていくつか思うことがあったので書いてみます。

筆者が学生の頃を思い返してみると教師にも問題のある人が結構な数いました。
思い出すだけでも、いい年をしてヤンキー風の格好をして生徒を威嚇する陰で教え子に手を出していた生徒と結婚して離婚してまた他の生徒と結婚したりという話を耳にするのは珍しくありませんでした。
今はどうか知りませんが当時は生徒と結婚する教師というのは当たり前に存在しており、感覚として教師は同僚の教師か生徒と結婚するものだと思う程でした。
考えてみるとこれは教師も生徒を異性として、且つ恋愛対象として見ているということの証左でもあるので、やはり教師というのは聖職者である以前に欲望を持った一人の人間であって、それを前提として学校運営の仕組のようなものが必要なんだろうとも思うのですが、それは話がずれてしまうので、また何れ。
他にも英語教師なのに英語が訛っている教師がいたり、黒板に書きはするけど、まともな授業を行っている姿を見たことがない教師がいたりといった具合です。
読んでいる人も実際にいた問題教師の姿が頭に浮かんでいるのではないでしょうか。

話は戻って生徒一人一人にPCが行き渡ればインターネットを通じて遠隔で授業を受けることが出来るようになります。
またそうなった場合は学校の担当の教師ではなく、選ばれた教師が全国に向けて一律の授業を行う形式になる可能性が高くなると思われます。
そのメリットで先ず思いつくのは英語の発音です。
学校の英語授業を思い出してみると、まともな発音が出来る英語教師の方が稀で思い出す限り殆どの英語教師の発音は海外では通じない所謂ジャパニーズイングリッシュでした。全国の英語教師全員に本格的な英語発音を身に付けさせるというのは、とても現実的に思えませんがインターネットできちんと発音できる一人の教師が授業を行うというのは実現可能性が高いように思います。
こういった点は大きなメリットになると思いますし教師の中には人間として問題があるだけならまだしも(いや、良くはないですけど)授業の質に問題がある教師というのも相当数存在しているので、そういった教師に運悪く当たったとしても全国一律の授業内容をインターネットを通して受けられるのであれば授業のクオリティは一定のものが保たれ最悪の事態は免れることが出来ます。
また現時点でも学習用の動画やホームページの質はかなり高く、きちんと品定めさえ出来れば学力を身につけるだけであれば学校に行く必要はないのではないだろうかと思う程です。

他に授業をインターネットで受けられるようになるメリットが何かないかを考えると、生徒が学校に行かないという選択肢を取れるようになることであるように思います。そしてこれはいじめ問題の解決を促すことにも繋がるのではないだろうかと考えています。

生徒が学校に授業を受ける為に通っているとすれば、自宅にいながらにして同じ授業を受けられる環境が別に出来る。それはいじめの被害を受けた生徒にとって学校に行かないという選択肢を選ぶことが出来るようになるということです。
(知り合いの子供が不登校になり保健室登校を学校に依頼するも遠隔授業を受けられるからと断られ、黒板の画像がボケて見えない動画を見て勉強になるかと憤っていました。結局、塾に通うようになり学校はやっぱり行っていないと言っていましたが、塾に行けるなら通えない要因のある学校に行く必要など無いと思うので良いことだと思っていたりします)
学校では授業以外にも集団生活や社会生活学ぶ場であるというお題目はありますが、いじめ被害を受けることが原因でPTSDに苦しみ社会生活に支障を来たすといったリスクを考えると、いじめを受けたら学校なんか行かずに遠隔授業を受けた方が生徒個人にとっても社会全体で見ても損失というのは遙かに少なく済みます。

そしてクラス内の生徒が学校に通える生活環境に居るにも関わらず遠隔授業を選択する生徒が増えて来た場合、それはクラス内で何らかの問題が生じている可能性が高いと思われます。
担任教師はクラスの運営を円滑に行う義務があります。
依ってクラス内に問題が生じれば同時に解決する義務が生じます。
少なくとも遠隔授業を選ぶ生徒の数が他のクラスと比較して突出して多ければ何れ管理者側から担任教師に運営するクラスに問題があるとして調査と解決に向けた取り組みを指示される筈です。
問題がいじめにあるなら解決に向けて取り組まねばならなくなります。
この様に遠隔授業という選択肢を生徒が持てるということはクラス内で起きている問題に対しての取り組みを学校側に対して促すことにも繋がるのではないかと考えられます。

学校の制度としても遠隔授業を選んだ生徒に対して学校で授業を受けたものと同じ評価を与えるようにすれば、いじめ被害を受けた為に学校に通えなくなったことでに教育を受けられなくなり学力に支障を来すといった弊害を除けるようになります。

しかし、いくら自宅に居ながらにして学習が出来ると言っても、さぼって生徒が授業を受けないという可能性も考えられますし生徒への評価に授業態度も含まれているという実情もあると思うのですが、それについては、どうでしょう。
例えば授業時間については自宅学習する生徒の姿をカメラに写すことで教師側から確認できるようにすれば授業態度を評価することも可能になるのではないでしょうか。
そうすれば自宅で学習をしているからと言って低い評価を付けようとしても授業態度がカメラに写り残されていれば抗議をした際に授業態度を振り返ることで根拠の疑義を問うことも出来ます。
プライバシーの問題については遠隔授業を受ける際のソフト制御で生徒の背景を設定すれば回避できます。
それともしたら学校に登校して教室ではなく空き教室や保健室などで授業を受けても良いかもしれません。
これなら体育や美術といった実技科目も別室で受けることが出来て生徒の自宅にネット環境が無い場合も対応できます。
モチベーションの問題もある程度は解決出来るかもしれません。

他にも遠隔授業を選択する際に許可制にして、選択した理由を回答するようにすれば水面化で表に出ていなかったいじめといった問題を顕在化させ且つ履歴を残せるようになります。
教師が許認可を行えば今までのよう問題を隠蔽される可能性もありますが許可を学校ではなく第三者機関のようなものに委ねられればリスクも減らせます。
加えてそういったデータを元にして教師の評価を行えれば問題のある教師が炙り出されることになるので教師の質向上にも繋がるのではないでしょうか。
このようにクラス内で起きている問題が表面化されるようになれば教師にとってクラス内の問題を隠蔽するメリットよりも何れ表面化することでリスクが大きくなり解決を行うことに対してのインセンティブが高いものになる遠隔授業というのは結果として学校の価値を遠隔授業が行われる前よりも高いものにしていくのではないかと思いました。

それでは今回この辺で