読書感想「カラマーゾフの兄弟」 ドストエフスキー (著),‎ 原 卓也 (翻訳)

やっと読み終わった。
言わずと知れたドストエフスキー最後の作品。

この作品の中には違う作品がいくつも出来てしまうような要素が入り込んでいて、長いのだけれど飽きの来ない作りになっていたと思う。
特に大審問官の章なんかはあれだけで大長編が書けてしまう程に密度が高い。
しかも、この作品、実は2部構成になっており、これが終わった後もまだ続くかもしれなかったのである。その前にドストエフスキーが亡くなってしまった為にそれは為されずに終わったわけですが、でも、それは言われなくては分からない位にこの三巻での完成度は高い。

内容については、簡単に言うと血の繋がりによる呪いとでも言えばいいのかもしれない。どうしようもない父との繋がりを断てず挙句にその父と同じ女性を取り合ったり、それに乗じて父の子供かもしれない者が、その男を殺してしまう。
その罪を着せられた長兄ミーチャ、次兄イワンの父を恨んでいた為に巻き起こる、自分が殺してしまったのではないかと錯覚しての混乱。それは父を殺した男の告白と自殺により更なる混迷に陥っていく様は正に圧巻。

父と子。それは決して覆す事の出来ない事実である。
血の繋がりを断つ事は出来ない。
それが例え、どんなに憎み、軽蔑すべき人物であったとしてもだ。
常にその事実は自分に纏わり付いて離れる事は決してない。
しかし、その呪縛に捕われてはいけない。人への想い。女性への愛についても同様である。それらに縛られてはいけない。上手には言えないのだけれど、そういった話であったのかもしれない。すみません、総合小説の謂れの通り複合的な物語であり今の自分ではまとめきれないのですが読書好きなら一度は読んでみて欲しいと思う物語です。