読書感想「カラマーゾフの兄弟」 ドストエフスキー (著),‎ 原 卓也 (翻訳)

陰鬱な曇り空徒然日記


読み終わった!
言わずと知れたドストエフスキー最後の作品。

作家の村上春樹も総合小説と称えている。

この作品の中には違う作品が出来てしまいそうな要素が入り込んでいて長いのだけれど飽きの来ない作りになっている。
特に大審問官の章はあれだけで大長編が書けてしまうのではないかと思う程に密度は高い。
しかも、この作品は2部構成になっており、これが終わった後もまだ続くかもしれなかったのである。

その前にドストエフスキーが亡くなってしまった為に結局それは為されずに終わったわけですが、
言われなくては分からない位に完成度は高い。
この作品が完成させたその数か月後に死去してしまうのですが、
家族に看取られながらのものだったと聞くと
彼の波乱万丈に思える人生と作品に出て来る破滅的な登場人物達のことを思うと僥倖であったのかもしれないとも思います。
ただ、一ファンとしてはカラマーゾフの兄弟の続編も読んでみたかったですね。

話を戻して作品夫内容は、
簡単に言うと血の繋がりによる呪いとでも言えばいいのかもしれない。
どうしようもない父との繋がりを断てず挙句にその父と同じ女性を取り合ったり、
それに乗じて父の子供かもしれない者がその男を殺してしまう。
その罪を着せられた長兄ミーチャ、次兄イワンの父を恨んでいた為に巻き起こる自分が殺してしまったのではないかと錯覚しての混乱。
それは父を殺した男の告白と自殺により更なる混迷に陥っていく様は正に圧巻。

父と子。それは決して覆す事の出来ない事実である。
血の繋がりを断つ事は出来ない。
それが例え、どんなに憎み、軽蔑すべき人物であったとしても。
常にその事実は自身に纏わり付いて離れる事はない。
しかし、その呪縛に捕われてはいけない。
人への想い。
女性への愛についても同様である。
それらに縛られてはいけない。
上手くは言えないけれど、そういった話であったのかもしれない。
すみません総合小説の誉れの通り複合的な物語であり今の自分ではまとめきれないのですが読書好きなら一度は読んでみて欲しいと思う作品です。