前回、人とは影響を思った以上に影響を受ける生き物だということを書きました。しかし調べてみると人間というのは結構複雑な生き物のようで考えてもみない予想外の影響を受ける事もあるようです。
斯く言う筆者も前回は掃除の影響について書こうと思っていたら思わぬ方向に話が膨らんでしまって、気付けば一つの記事で文字数が3千文字を越えてしまったので(一つの記事の適正な文字数は1500字位らしいです)二分割にして整合性を取っていたら更に書きたいことが増えて気付けば1500文字に抑えた筈の記事は3千文字を越えてしまいましたが、面倒臭いからそのまんまで良いやwどうせ誰も見てないし(笑)となって仕事を休みそうになるくらい落ち込んで今回の記事を書くに至ります。
それでは今回もファスト&スローの第4章を読んでお届けします。
思いがけない効果
では、他にも人は思わぬものから影響を受ける一例を挙げます。
お金からの影響です。
心理学者キャスリーン・ヴォースの実験内容
・いくつかの単語を見せて、そこからお金に関わる文章を作る
(例えば、高い、額面、給料、通帳等)
・実験を行った部屋の中に居る被験者達の周りにはお金に関わるものが無造作に設置して気分だけお金持ちにします。
(机にはモノポリーの紙幣が積まれ、スクリーンセーバーには紙幣が舞っているといった具合。何も知らずにこの風景だけ見たらいじらしくなって泣いてしまいそうです)
これらのお金のイメージによって被験者達は思わぬ影響を受けます。
・自立性が高まる
-難問を解かせると普段の二倍以上の時間を掛けて、それでもだめならようやくヒントを求める
-初対面の人と話をさせる際に椅子を用意するように指示すると、お金の影響を受けない学生達よりも二つの椅子の距離を多く取った
(決して何か臭そうな奴が来るから椅子を離して置こうとなった訳ではないと思います)
-一人で居ることを好む傾向が強まった。
・利己心が強まる
-実験者が難問を解こうとしているのに対して手助けする時間を惜しむ
-実験者が鉛筆の束を落とすと拾い上げる本数はお金の影響を受けなかった学生と比較して少ない本数しか拾わない
実験結果を見ると、どうやらお金というものは人に思いがけない影響を与えるようです。
自立心が高まる
自立心が高まるのは良い事だと思うのですが、その分、利己的な嫌な奴になるのは頂けません。お金を持っているという事は多くの物事を所持金を支払うことによって解決出来ます。愛はお金で買えませんが、お金で買えるものが多いのも世知辛い事実です。また、お金を持っているという事は、その人の能力等に他者より秀でた報酬として多く受け取っている事が多く、その分が自己評価の高まりに結び付き他者に依存しなくても良いという行動へ無意識に繋がっているのかもしれません。
もしかしたらお金の影響を受けた人間は異性を口説く時も先ずは諭吉さんの描かれた紙の束で相手の横面をひっぱたいてから始めようとするかもしれません。Twitterで調べた情報によると金持ちの親父はパパ活なるものをする女性を金の力で手に入れた後は金持ちの親父同士で女性の変な性癖を披露し合って笑い合ったりするらしいです。筆者も多額の金を手にして資本主義の豚仲間とブヒブヒ言えるようになりたいもんです。って怖い!!お金!?
利己心の高まり
これも自己評価の高まりから偉くなったような気分になり、その偉い自分が下賤の者の為になぜ働かなければならんのだ。となるのか、もしくは自立心の高まりから自分の事は自分でやるべきであるという認識が高まることで、それを他者に対しても求めるようになるということなのでしょうか。
ここまで書いていて今回の実験は急にお金を持った気分になった人たちが実験対象となったようなので、被験者が実際のお金持ちが対象だった場合はどうなるのだろうというのも気になる所だと思いました。
金持ちと貧乏人の間にある壁
しかし人が思わぬ所から影響を受けるのは確かなようです。昔から相手がお金持ちである身分違いの恋をテーマにした物語で「所詮、私たちは住む世界が違う」と登場人物達に言わせる障壁が設定される事が多いですが、この辺りは実際にお金持ち側からすると相手が容易に助けを求める姿勢や皆と助け合って楽しくやろう的な部分に嫌悪感を感じてしまう部分となるのかもしれません。また貧乏人側からすると金持ちの自立心の高さは冷たいと映るのではないかと思います。そう考えるとマンガやドラマでよくある貧乏な友達の家にお金持ちが呼ばれて晩飯でも食べて行きなよ的な流れから大家族で楽しく食事して「家ではいつも一人で食事していたのに、大勢で食べる食事がこんなに楽しいのか」的な場面がありますが、実際のお金持ちのメンタリティからすれば苦痛意外の何者でもなく実際にそういった場面に遭遇したら「食事も静かに出来んのか、この貧乏人共は」と思われるのがオチなのかもしれません。そう考えると身分違いの恋で乗り越えなくてはならない壁は意外に高いですね。
金は無くても金持ち風の嫌な奴にはなれる
そして書いていて気が付いたのですが、今回はお金を持つ事によって受ける影響について書いていたのですが、これって例えばなんですがPCやスマホの待ち受けを札ビラが舞う画面に設定されることによっても多少の影響を受けるという事です。今のご時世だと白い犬や昔話の登場人物達や毒キノコの会社から搾取されているとも気付かず、自宅の電気代も払えずに止められても何故か世界の高級品であるiphoneなんぞを持っている輩も大勢います。そういった人達の待ち受けも同様に札ビラの画面に設定すれば、あっという間に金持ちの嫌なメンタリティ部分だけは持っているダメ貧乏人が生まれてしまうのです。そうなると利己的なので人が寄って来る筈も無いのに気持ちだけは一人前の自立心で一人で居ることを好むので孤独死街道まっしぐらな人間が誕生する訳です。これは怖いのでなるべくなら人に優しくするようにして、せめて他人から好かれる人柄を演出して老衰か何かで孤独死したとしても死後一週間程度で心配した誰かに死体を発見して貰える位にはなりたいものです。
影響を自覚せよ
ここで一つ朗報ですが、実は嘘でも何でも優しい人を演じているとやがて本当に優しい気持ちになるという神様のご褒美を貰えるようです。昔おばあちゃんが人には優しくしなさいという言っていたのですが今になって考えてみると、いやいや優しくする人は選んだ方がいいだろと捻くれた筆者は思のですが人生を楽しく過ごす為には重要な言葉なのかもしれません。
人は無意識に思わぬ影響を受けることがありますが、自覚的に影響をコントロールすることはもしかしたら可能なのかもしれません。本当の金持ちなら大抵のことはお金がどうにかしてくれますが、残念ながら貧乏人は皆と助け合って生きていくしかないのです。情けは人の為ならずの精神でせめて人に好かれる人間になる影響を受ける事で老後を少しだけ暮らし易いものにできるように頑張りましょう。
そして掃除しろよという事については、またしても書くことが出来ませんでしたが、まぁ良いや。
それでは皆にGod bless you!
参考図書