人は影響を受ける生き物である

思考から行動へ徒然日記


昔から部屋の掃除や片づけはしっかりやりなさいと親から子供へと伝え続けられています。それでも片づけられない人間の数は多く、知人の中でも部屋を片づけるには焼却処分か業者に依頼するしかないのではないだろうかという人が居たりと簡単なようで中々に難しい問題だったりします。

斯く言う筆者自身も部屋に例の黒いアイツが出て来て退治した後に泣きながら掃除をするという事もあるので他人事ではありません等と考える掃除が面倒臭い悲しい笑いです。

今回はファスト&スローの第4章を読んで人というのは思ったよりも影響を受けやすいものだということが分かったのでお伝えします。

影響を受けるプライミング効果について

まずは人は連想する生き物です。

例えば
ブラシ

と書いてあるのを見て何を思い浮かべましたか?

おそらく掃除の話から関連して掃除用のブラシを思い浮かべる人が多かったのではないかと思います。それとは別に髪型やヘアケアの話をしている流れであればヘアブラシを思い浮かべる人が増えるでしょうし、歯医者の話をしていたら歯ブラシを思い浮かべる人が増えるのではないかと思います。
更にこのプライミング効果はこういった思い浮かべるイメージが行動にも影響を与えるというのは怖い点だと思いました。

ジョン・バルフらが行った実験があります。
被験者:ニューヨークの大学生複数人(18~22才)
実験内容:5つの提示された単語の中から4つの単語を使用して短文を作るように指示。

これをいくつかのグループに分けて行います。

その中の一つのグループには5単語の内の半分は下記のような高齢者を想起させる単語を含めます。
1、フロリダ 2、忘れっぽい 3、はげ 4、ごましお 5、しわ

そして実験が終わった後に他の実験を行う為に場所を移動させると高齢者を想起させる単語を多く扱ったグループの移動時間は明らかに遅くなったそうです。
以上のように被験者達は高齢者達をイメージしたことで自分たちの行動に影響を受けてヨボヨボ歩いて遅くなったという事です。

イメージに人は誘導される

そして、先ほどの実験ではイメージによって行動が影響を受けたのですが、実は逆に行動が思考に影響を与えるイデオモーター効果というのもあります。
これも先述のジョン・バルフの実験を逆向きに行ったものがあります。そこでは被験者達に高齢者の如く行動を取らせた後に単語を見せると「忘れっぽい」「年老いた」などの高齢者に関する単語を通常よりも早く認識するようになったそうです。
この場合は被験者達は行動から高齢者を想起していた事から観念が強められたという事のようです。

人の判断も影響を受ける

他にも、何かの判断を求められた場合、自分の決断に影響を受けることは少ないと思っている人が多いと思うのですが、実は判断を求められる場合についてもしっかりと影響を受けることが実験によって明らかにされています。

実験内容:
オーディオの音質調査と被験者達に偽りヘッドホンでラジオの論説番組を聞かせる。また被験者達には音の歪みを調べる為に半数は頭を上下に振りながら、残りの半数は頭を左右に振りながら聞くように指示。

頭を上下に振りながら頷くようにして聞いていたグループ:
Oh!!Yes!!俺のソウルが正しいと言っているぜ!!と被験者達が言っていたかどうかは不明です。
このグループは論説を肯定的に捉えました。

頭を左右に振りながら否定するようにして聞いていたグループ:
なんか生理的に受け付けないって言うか、なんか聞いてて嫌な感じがしたから反対です。と根拠はあるかもしれないけれど、その理由を考えるのも嫌だから考えませんという俗に言う生理的に嫌という否定を行ったかどうかは不明です。
このグループは論説を否定的に捉えたそうです。

つまり、人というのは言葉から連想して思考へ影響を与えるだけではなく行動から思考へも影響を与えることが判明しています。
うーん、もしも借金の保証人なんぞを頼む機会が訪れれば、是非ともXjapanでも聞かせてヘッドバッキングでノリノリになった後に頼むと相手は何となく引き受けても良いような気がする・・・、ハンコポチーとなりやすくなるのかもしれません。
それと時々、女性が何であんな男と付き合う事にしたのか未だに理由が分からないという謎のグチをこぼしているのを聞くことがあるのですが、もしかしたらこういった影響を受けていた為かもしれません。

女性を口説き落とし易くする方法

そこで男性諸君の為に女性を口説きやすくする方法を考えてみました。ついでに世の中には吊り橋効果なるものがある事も突き止めました。これは口説かれる側が不安や危険を感じてドキドキした場合に相手に恋をしてドキドキしていると誤解してしまう事を吊り橋効果と呼ぶのだそうです。

そこで吊り橋効果を使用します。
胸がどきどきするという事は、要は心臓が早く動いていれば良いのです。

未来に子孫を残す明日のために
場所:スポーツジム。
タイミング:ルームランナーか水泳等の激しい運動後。
BGM:歌詞に「私は恋をしているの、今まで何とも思っていたのに気が付いたらあの人に恋をしていたの~」的な恋愛に理由は必要ない。従ってオマエの好みや意志も関係ないのだというような歌詞の含まれたものを流すことで相手の思考に口説かれやすい影響を与える。
口説き方:
これが難しい。相手に一緒にXjapanの曲をヘッドバンキングしながら聞きましょうとも言えないですしね・・・。そうだ。相手の好みを調べて置きましょう。そこで、さも相手にストーキング行為を働いて事前に好みを調べたなんて事はおくびにも出さすに次の様な会話をいくつか繰り返しましょう。
自分「私は食べ物だと(貴方の好きな)○○が好きなんですよー」
相手「えー、私も好きなんですー」
自分「あの食感が良いんですよね」
相手「そうそう、あのサクサクしたのが好きなんです」
・・・以下同じ様な会話を繰り返し相手に肯定するような頷きを繰り返させる。
自分「所で私は貴方が好きなので付き合って下さい」
相手「はいはい。分かります~」
自分「ありがとうございます」
相手「あれ?」
となるのではないでしょうか。

因みに相手をジムに誘い出す方法や話し掛ける方法。そしてジムのBGMを変える方法および相手の好みをストーキングして調べるにしても実際にどうやって調べるのかという点については一切お答え出来ませんし、そもそも例のように話せる関係が作れれば付き合えるんじゃね?というツッコミは無用の介に願います。後一つだけお伝えするなら頑張れとだけです。

でも、吊り橋効果について書いていて思ったのですが、よく何故か不良などが女性からもてるのだという疑問があったのですが、もしかして不良が怖くて不安を感じてドキドキしているのを恋をしていると勘違いしているからなんですかね。

不良「おい!女!!お前なんだよーマジうぜぇ、殺すぞ」
(壁ドンッ)
女性「(ひい!殴られる!!怖い、助けて)」
(心臓がドキドキする)
不良「お!なんだよおまえ可愛いな、俺と付き合えよ」
女性(ひいい!!犯される。断っても殴られてしまうのかしら。怖いし殴られたくないけど胸がドキドキしているのは殴られたくないという恐怖ではなくて相手に恋をしているに違いないと自分に言い聞かせることで恐怖を回避ししたことを自分の中で正当化させる)
「はい、分かりました」

という心理から来る吊り橋効果とストックホルム症候群の単なる合わせ技だったのではないかと考えました。
(ストックホルム症候群:犯罪被害者と犯罪者との間に心理的な繋がりを築くことを言う。症候群と呼ばれることが多いが心的外傷後ストレス傷害(PTSD)に分類される。実際に被害者となりストックホルム症候群とされた女性は「犯罪行為に正当性を見出そうとするのは生き残る為の当然の戦略である」といったことを語っている)
そしてこういったアタックを受けた女性側にアドバイスするなら答えを出すには少なくとも一日は時間を置いて考えてから答えを出せるようにしたら良いのかもしれませんし、相手から時間の猶予を与えられないようなら警察に相談しましょう。

今回のまとめとして

今回、書いていて人というのは思った以上に影響を受けやすい生き物なんだと思いました。周囲の影響を受けることで周囲に合わせるというのは言い換えれば空気を読んで合わせるという事。これは周囲と歩調を合わせることで平和的に物事を進められるというのはメリットでもあると思うのですが、こういった反応は人体というハードを動かすプログラム群に含まれる脆弱性の一つであるという考え方も出来るように思います。こういった特性と上手く付き合えると人生にも良い影響を受けることが出来るのかもしれませんね。

それではGod bless you!

参考図書