人は影響を受ける生き物である

思考から行動へ 徒然日記


昔から部屋の掃除や片づけはしっかりやりなさいと親から子供へと伝え続けられています。それでも片づけられない人間の数は多く、知人の中でも部屋を片づけるには焼却処分か業者に依頼するしかないのではないだろうかという人が居たりと簡単なようで中々に難しい問題だったりします。

斯く言う筆者自身も部屋に例の黒いアイツが出て来て退治した後に泣きながら掃除をするという事もあるので他人事ではありません等と考える掃除が面倒臭い悲しい笑いです。

今回はファスト&スローの第4章を読んで人というのは思ったよりも影響を受けやすいものだということが分かったのでお伝えします。

プライミング効果とは?

受けた影響が無意識に反映される現象のことです。
周囲から悪しざまに言われると段々と自分が言われているような人間と思えてきてしまう等もこれの一つです。
悪口ばかり言っている人とはなるべく距離を取った方が良いというのは間違いないのかもしれないので、やはり出来るだけポジティブな人と一緒にいた方が自分の為にも良いようです。

影響を受けるとは?

人は連想する生き物です。

例えば
ブラシ

と書いてあるのを見て何を思い浮かべましたか?

掃除をしている時に質問されたら掃除用のブラシ
髪型やヘアケアの話をしている時に質問されたヘアブラシ
歯医者の話をしていている時なら歯ブラシ

以上のような回答となると思います。
このように人は影響を受けます。

思い浮かべるイメージは行動にも影響を与えます。

ジョン・バルフが実験です。

複数人の若者いくつかのグループに単語5つを提示してその内の4つで文章を作らせる。

そのうちの高齢者を想起させる単語を含めたものを作らせたグループは実験終了後に移動させると明らかに遅くなっていたそうです。

以上のように高齢者をイメージしたことで若者たちはヨボヨボ歩いて遅くなりました。

行動が影響を与えるイデオモーター効果

そして、先ほどの実験ではイメージによって行動が影響を受けたのですが、逆に行動が思考に影響を与えるイデオモーター効果というのもあります。

先述のジョン・バルフの実験しています。

今度は被験者達に高齢者のような行動を取らせます。
その後にいくつかの単語を見せます。
そうすると「忘れっぽい」「年老いた」といった単語を通常よりも早く認識したのだそうです。
今回は高齢者のような動作をしていた影響から高齢者のイメージが強くなったことで関連する単語の認識が強くなっています。

人の判断も影響を受ける

このような影響が判断を求められた際にも表れることが実験によって明らかにされています。

実験内容:
オーディオの音質調査と被験者達に偽りヘッドホンでラジオの論説番組を聞かせる。
また被験者達の二つに分けて音の歪みを調べるため以下の動作を取りながら聞くよう指示します。
1のグループ:頭を上下に振りながら聞く
2のグループ:頭を左右に振りながら聞く

頭を上下に振りながら頷くようにして聞いていたグループ:
Oh!!Yes!!俺のソウルが正しいと言っているぜ!!と被験者達が言っていたかどうかは不明ですが、このグループは番組のラジオで流れていた論説を肯定的に捉えました。

頭を左右に振りながら否定するようにして聞いていたグループ:
なんか生理的に受け付けないって言うか、なんか聞いてて嫌な感じがしたから反対です。と根拠はあるかもしれないけれど、その理由を考えるのも嫌だから考えませんという俗に言う生理的に嫌と言ったかは不明ですが、物事を否定するように首を横に振っていたグループはラジオの論説を否定的に捉えました。

つまり1のグループはずっと頷いて同意するような動作をしていた影響でラジオの論説を肯定的に判断。
2のグループは首を振って否定するような動作をしていた影響でラジオの論説を否定的に判断しました。

このように人というのは言葉から連想して思考へ影響を与えるだけではなく行動からも思考へも影響を与えることが判明しています。
うーん、もしも借金の保証人なんぞを頼む機会が訪れれば、是非ともXjapanでも聞かせてヘッドバッキングでノリノリになった後に頼むと相手は何となく引き受けても良いような気がする・・・となって保証書に判子を押してくれ易くなるのかもしれません。
それと時々、女性が何であんな男と付き合う事にしたのか未だに理由が分からないという謎のグチをこぼしているのを聞くことがあるのですが、もしかしたらこういった影響を受けていた為かもしれません。

悪用することも出来るプライミング効果

そこで男性諸君の為に女性を口説きやすくする方法を考えてみました。ついでに世の中には吊り橋効果なるものがある事も突き止めました。これは口説かれる側が不安や危険を感じてドキドキした場合に相手に恋をしてドキドキしていると誤解してしまう事を吊り橋効果と呼ぶのだそうです。

そこで吊り橋効果を使用します。
胸がどきどきするという事は、要は心臓が早く動いていれば良い。

未来に子孫を残す明日のために
場所:スポーツジム。
タイミング:ルームランナーか水泳等の激しい運動後。
BGM:歌詞に「私は恋をしているの、今まで何とも思っていたのに気が付いたらあの人に恋をしていたの~」的な恋愛に理由は必要ない。
従ってオマエの好みや意志も関係ないのだというような歌詞の含まれたものを流すことで相手の思考に口説かれやすい影響を与える。
口説き方:
これが難しい。相手に一緒にXjapanの曲をヘッドバンキングしながら聞きましょうとも言えないですしね・・・。
そうだ。相手の好みを調べて置きましょう。
そこで、さも相手にストーキング行為を働いて事前に好みを調べたなんて事はおくびにも出さすに次の様な会話をいくつか繰り返しましょう。
自分「私は食べ物だと(貴方の好きな)○○が好きなんですよー」
相手「えー、私も好きなんですー」
自分「あの食感が良いんですよね」
相手「そうそう、あのサクサクしたのが好きなんです」
・・・以下同じ様な会話を繰り返し相手に肯定するような頷きを繰り返させる。
自分「所で私は貴方が好きなので付き合って下さい」
相手「はいはい。分かります~」
自分「ありがとうございます」
相手「あれ?」
となるのではないか?

因みに相手をジムに誘い出す方法や話し掛ける方法。そしてジムのBGMを変える方法および相手の好みをストーキングして調べるにしても実際にどうやって調べるのかという点については一切お答え出来ませんし、そもそも例のように話せる関係を作れるなら付き合えるんじゃね?というツッコミは無用の介に願います。
私からは頑張れとしか言えません。

吊り橋効果について書いていて思ったのですが、なぜ不良は女性からもてるのだろうという疑問がありました。
これって、不良が怖くて不安を感じてドキドキしているのを女性が恋と勘違いしただけなのではないでしょうか?と思いました。

不良「おい!女!!お前なんだよーマジうぜぇ、殺すぞ」
(壁ドンッ)
女性「(ひい!殴られる!!怖い、助けて)」
(心臓がドキドキする)
不良「お!なんだよおまえ可愛いな、俺と付き合えよ」
女性(ひいい!!犯される。断っても殴られてしまうのかしら。怖いし殴られたくないけど胸がドキドキしているのは殴られたくないという恐怖ではなくて相手に恋をしているに違いないと自分に言い聞かせることで恐怖を回避したことを自分の中で正当化させる)
女性「はい、分かりました」

という心理から来る吊り橋効果とストックホルム症候群の単なる合わせ技だったのではないかと考えました。
(ストックホルム症候群:犯罪被害者と犯罪者との間に心理的な繋がりを築くことを言う。症候群と呼ばれることが多いが心的外傷後ストレス傷害(PTSD)に分類される。実際に被害者となりストックホルム症候群とされた女性は「犯罪行為に正当性を見出そうとするのは生き残る為の当然の戦略である」といったことを語っている)
そしてこういったアタックを受けた女性側にアドバイスするなら答えを出すには少なくとも一日は時間を置いて考えてから答えを出せるようにしたら良いのかもしれませんし、相手から時間の猶予を与えられないようならどうにか逃げて警察に相談ですね。

今回のまとめとして

今回、書いていて人というのは思った以上に影響を受けやすい生き物なんだと思いました。
周囲の影響を受けることで周囲に合わせるというのは言い換えれば空気を読んで合わせるという事。
これは周囲と歩調を合わせることで平和的に物事を進められるというのはメリットでもあると思うのですが、こういった反応は人体というハードを動かすプログラム群に含まれる脆弱性の一つであるという考え方も出来るのかもしれません。
こういった特性と上手く付き合えると人生にも良い影響を受けることが出来るのかもしれませんね。

それではGod bless you!

参考図書