最近、自民党政治に於いて二階俊博幹事長の悪評を耳にすることが増えてきたように感じます。
それは日韓議員連盟の常任幹事を務めていたり、日中緑化推進議員連盟に加盟しているといったり嘗て小沢一郎氏の側近を務めていたという点から来ているのかなという気がします。
実際に悪行を働いているのかどうかは後世の歴史家が解き明かしてくれると思うので任せるとして彼の就く自民党の幹事長というポストは本来どういったものなのかということを書いてみたいと思います。
先ず政党の中の幹事長の役割を調べてみました?
まず幹事長は政党の中のナンバー2のポジションになり、選挙対策、国会運営、党務全般を担っています。
よって自民党内だけではなく民主党にも幹事長はいます。
共産党だけは幹事長ではなく書記局長という呼び方をしています。
会社で言うなら副社長。身近な所で例えるとバイト先の居酒屋の副店長。
なので組織内の取りまとめはこの人が担うことになりますし、何か問題が起きた際の相談を先ず受けるのもこの人で解決に向けて実際に動くのもこの人。
自民党の中での幹事長
通常の政党の中においての幹事長はナンバー2ですが、これが政権与党に限ると政党内の実質的なトップになります。
なぜでしょうか?
通常の政権与党のナンバー1は総裁、代表と呼ばれますが、政権与党のトップは通常であればイコール内閣総理大臣です。自民党総裁が総理大臣であるということは普段は自民党にいません。
そうなると残ったナンバー2の幹事長が繰り上げで実質的な自民党のナンバー1となります。
(副総裁という役職も存在しますが現在は空席)
幹事長の持つ権力
先ず政治資金244億9千万円(2019年度)の使い道を決めることが出来ます。
これだけでも相当な権力を持つことになるですが幹事長の権力はそれだけに止まりません。
自民党の公認を誰にするか決められます。
幹事長の一番の権力の源泉となっているのはこれではないでしょうか。
それでは選挙で自民党の公認を受けられるメリットです。
・公認を得られれば公認料という選挙資金を貰える
・選挙参謀や運動員の派遣
・党の幹部も応援に来てくれる
昔から政治家、落選すればただの人と言われますからね。立候補者にとって公認を得られるか得られないかでは天国と地獄のような差が生じます。
公認を得る為には幹事長の靴の裏を舐めることも辞さない!という人が大勢いる訳です。しかも選挙は定期的にやってくるのですから、新人議員が幹事長に逆らうことは二世議員でよっぽど堅い地盤でも引き継いでいなければ無理だという話です。
おまけに地方の国政報告会にも応援で来てくれるとなれば、恩義でますます頭が上がらなくなるのです。
以上のような理由から幹事長というのは総理大臣への登竜門の役割もあるようで安倍首相も幹事長を経験しています。
幹事長経験無しで総理となったのは最近だと小泉首相。菅首相です。
菅首相については今まで安倍首相に代わって党内の取りまとめを行っていた関係と人事を握っていた兼ね合いから二階幹事長の協力は必要不可欠なものであった筈です。その影響力から見て幹事長が次の首相を決めたと言っても過言ではない程の影響を与えたと想像できるので、おそらくですが自民党内において二階幹事長の影響力というのは今まで以上のものになっているのではないでしょうか。
しかし改めて振り返ってみると二階幹事長はずっと自民党にいた訳ではなく小沢氏の側近として鳴らして自由党結党に参加したりと、さながら凄腕の傭兵といった生き方です。その上で自民党に戻って来て要職である幹事長の重役を任されているというのはやはり異色です。こういった昭和の大物政治家といった風情の人が生き残っているのが政治の面白さなのかもしれません。それと次に書くのは全く真偽不明の噂ですが、バカ息子にどうしようか頭を悩ませたり、時にはその息子からバットを持って追い回されたこともあるという話を耳にすると何となく微笑ましく思ったりするのは私だけでしょうか。
それでは今回この辺で