【続報】ブラックバイトによる団体交渉拒否とその後の動向 

壁から剥がれ落ちる塗装 社会派気取り


以前にも書きました。
「ブラックバイトによる団体交渉拒否とその後の動向」
についての続報となります

飲食店チェーン「しゃぶしゃぶ温野菜」のフランチャイズ加盟店を運営する会社と団体交渉をしていたところ、会社側から一方的に交渉を打ち切られたとして、労働組合「ブラックバイトユニオン」が11月5日、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。

ユニオンは、首都圏にある「しゃぶしゃぶ温野菜」の店舗でアルバイトとして働いていた大学生が、4カ月間も休みなしで働かされたうえ、約20万円の自腹購入を強いられたなどとして、9月下旬から、その店舗を運営する「DWE JAPAN」(千葉県成田市/DJ社)と団体交渉をおこなっていた。

DJ社側が「団体交渉の内容をブログにアップするなら、これ以上交渉することはできない」として、一方的に交渉を打ち切ったと説明している。翌20日、会社側に再度、団体交渉を申し入れたが、一切回答がない状況だという。

●署名提出も、レインズ社は受け取らず

こうした状況を受けて、ユニオンは11月5日、フランチャイズ本部のレインズ社を訪れて、インターネット上であつめた署名を提出しようとしたが、同社から受け取りを拒否されたという。青木氏は記者会見で「レインズ社はフランチャイズ加盟店に助言・指導にあたる立場にかかわらず、今回の被害を防ぐことができなかった。解決のために話し合いに応じる責任がある」と語った。

一方、レインズ社は11月4日、DJ社とアルバイト学生のトラブルの事実関係について「第三者機関」がまとめた調査報告書の概要を同社のホームページに掲載した。報告書のなかで、第三者機関は、「4カ月休みなく働かされた」「自腹購入させられた」という大学生側の主張について「事実として確認できない」と結論づけている。
yahooニュースより一部抜粋

レインズ社が依頼した「第三者機関」が出した結論は、大学生側の言っている事を「事実として確認できない」

大学生は嘘をついている

と言っているに等しいですね。

これが本当なのかどうか?というのが今後の争点となるように思えます。

ここでレインズインターナショナル社HPに公表されていた報告書の「第三者調査機関からの報告につきまして」から気になった点を抜粋して所感を書いていきます。
(文末に該当PDF資料のリンクを貼ります)

・当該の大学生とのヒアリングは行っていない
理由は大学生側がユニオンの前でないと協力できないと拒んだ為


レインズインターナショナル社が料金を支払って調査を依頼した第三者機関と称する「阿部・井窪・片山法律事務所」の行うヒアリングに大学生1人で立ち向かうのは荷が重たいと感じます。
ここにユニオンの人間が入るのは間違いではないと思います。

これを理由にヒアリングを中止するというのは怠慢では?
それかユニオンの人間がいると大学生の言葉尻を捉えて都合の良い調査結果を出すメリットがないので中止したのではないかと勘繰ってしまいます。

 

・損害賠償請求は行っていない
大学生に対して衛生管理指導を行った際に食中毒が出た場合に何千万の損害となる事を説明はしたが、損害賠償を請求した事実は確認できない

・懲戒解雇にすると脅したことはない
大学生に衛生検査を行った際に基準値を超えた為、改善されない場合に懲戒解雇になる場合もあると説明しただけである。

・損害賠償や懲戒解雇を盾に退職を拒んだことはない


上記の通り、損害賠償を請求していないし懲戒解雇にすると脅してもいない。従って、損害賠償請求や懲戒解雇を盾に退職を拒んだこともないという論法の様です。

 

・自腹購入は強制していない
店長はお金で解決することにならないと考え周囲にも周知していた。しかし、大学生の側より再三の申し出があった為、商品の前払いという形で処理をした。大学生が商品の提供を受けた事も確認できている。また、自腹購入を強制した事実は確認できていない。


商品の前払いとなっていますが、通常、販売価格と仕入れ価格には大きな差があります。
(飲食店の仕入値は一般的には販売価格の3割)
例えばスーパーに行けば60円で買えるネギをわざわざ200円で買いますか?また、懲罰では無く大学生の意思によるものと言いますが、どちらにしても料金を受け取っている時点でお金で解決している事と一緒では?

お金で解決する場合
大学生がミスをする

会社に損失が出る

損失分の料金を大学生が支払う

会社が支払いを受け取る

大学生による申し出だった場合
大学生がミスをする

会社に損失が出る

大学生が料金を支払うことを申し出る

会社がお金では解決にならないと言う

大学生が損失分の料金を支払う

会社が支払いを受け取る

どちらにしても過程に若干の違いはあっても最終的に大学生の支払ったお金を会社が受け取っている時点で同じではないでしょうか。

 

・連続長時間勤務について
4ヶ月連続の勤務と1日12時間働いていた事実は認められない。出勤記録も大学生が指示に従わずに取っていなかった為、店長が大学生に確認を取って記録していた。


今回、大学生に対しての店長が行った嗜虐的な行動や言動も問題になっていると思います。その店長が大学生の出退勤の記録を付けている時点で、信憑性について著しく欠けるとしか言い様がないのですが・・・。
店長「オマエの勤務時間はこうだよな」
学生「あの、もっと働いていると思うんですが」
店長「何時間かは遊んでたのと一緒だろ」
学生「・・・はい」
となっている可能性を考えます。

 

・脅迫的言動について
大学生の日々のミスの頻発と態度が悪くなり、他の従業員からも相談を受けていた為に厳しい口調での注意叱責となった。


これについては音声を聴くのが早いと思います。
音声がこちら(「しゃぶしゃぶ温野菜」ブラックバイトの実態 )


厳しい叱責というか、正気ですか?とは思います。


報告書が全体を通して大学生の言っている事は全て嘘で全て大学生が悪いと述べています。

おそらくこの報告書はフランチャイズ元であるレインズインターナショナル社が加盟社であるDWE JAPAN社から提示された資料と証言によって構成されている為、成果物がこうなるのは必然だと思います。ですので、例えば裁判などによって、大学生側の主張が全面的に認められた場合、レインズインターナショナル社および調査を行った阿部・井窪・片山法律事務所は、DWE JAPAN社によって提示された資料および証言を信じただけで我々も被害者である。という保険を掛ける意図は十分に達成できるのではないでしょうか。

この報告書について一つ提案させて貰うなら、この書類のタイトルを「第三者調査機関からの報告につきまして」ではなく「DWE JAPAN社の主張について」にすればより実態を表せて良かったのではないかと思いました。

また、一つツッコミを入れるとすれば、これを調査と言うには不十分です。調査と言うからには加害者側と被害者側、両方の言い分を聞くのが筋であって、今回は加害者側だけしか調べていない時点で著しく公正さを欠いています。

そして個人的に思ったのは、この会社は当該大学生をどれだけ貶めれば
気が済むのだろう?です。

この事件については、ブラックバイトユニオンが東京都労働委員会に不当労働行為の救済申し立てを行ってるのでこの結果を待ちたいと思います。

今回とりあげている報告書について
※文章を筆者が抜粋し、その際にある程度の編集を行っています。
なるべく公正を期しているつもりではありますが大学生側への肩入れを否定できません。オリジナル文書のリンクを貼りますので各自、目を通して公正な判断をして貰えれば幸いです。

レインズインターナショナル社「第三者調査機関からの報告につきまして」PDF