才能の在り方について思うこと

無駄づかいすんな!どうかしている


世の中と言うのは不公平なものだと思っているのですが、その一つに才能というものがあります。

小学校の頃を思い返してみれば、友達の篠田君は足が速かった。
それに比べるとなぜ自分はこんなに足が遅いんだろうと当時は悔しがったものです。
更に篠田君は女に手を出すのも早くて結婚して子供を作ったも一等賞。
おまけに浮気を切っ掛けにしたドロドロの離婚訴訟を起こされるのも一番早かったです。

そのあと中学校に入ってサッカー部に入部してみたら嫌味で大嫌いなアイツは絶対的なエースストライカーで高校サッカーでも活躍して卒業後はJリーグにスカウトされて未成年で喫煙していたことがバレて破談になるという本物の才能を持っていて、善良で才能の全く無い自分は万年補欠でした。
片やサッカー強豪校ではなく弱小校であるにも関わらずです。

更に高校の頃を思い返してみると
友達にバンドやろうぜと声を掛けれられて試しに弾いてみたら、
そもそも楽曲の中で流れているギターの音がどれか分からないので弾きようもないないという残念さ。
しかし誘ってくれた八橋君は初めて聞いた曲でも次に聞いた時には殆ど弾けるようになっているんです。
高校を卒業して一年後に偶然会った時にはキャバ嬢に今は喰わせて貰ってる。
更に2年後には会った時にはプロデビューしてグラビアアイドルと付き合ってる。
羨ましい・・・。

以上のように自分の人生は似たようなことをずっと繰り返しているなぁ等と思います。

よく誰にでも一つ位は才能が与えれられていると聞くのですが、そんなものを与えれられた覚えはないという人は自分を含めて決して少なくはないと思うのですが皆さん如何でしょうか?

ただ同時に思うのですが才能を与えた神からすれば「あいつ、世界一のサッカーの才能を与えたのに、いつまで経ってもサッカーしねえなぁ、おかしいなぁ。なんでブラジルのサンパウロに男として生を受けてサッカーを一度もやらないでカバディとか始めてんの?普通、一度くらいはサッカーに手?を出すよね?」となっている例だってあると思うのです。

例を思い出してみると、
高校生の頃に身長2メートルの大男がいました。教室の入り口を潜って入って来る姿を初めて見た際にはクラス全員が大いに驚いたものです。
ただ、当の本人はカードゲームを愛する至ってまともな男でした。
その体格。そして残念ながら俊敏ではない動きを差し引いても柔道なんかをやっていれば相当なものになったと思うのです。
体格というのも神から与えられた才能の一つです。
しかし当の本人はカードゲームを愛する内向的な人物だったので部活には入っていませんでした。と言うよりも体を動かすこと自体が嫌いだと言っていました。
そして周囲の期待をよそにカードで生きていくと豪語していた彼のカードゲームの強さを、よく彼と一緒にカードゲームに興じている別の友人に聞くと「ああ、あいつ?半端なく弱えよ」という言葉が返って来ます。
彼は神から与えられた才能を全く活かしていないのです。

そして逆才能もあります。
彼のことはH君とでも呼びましょう。
彼はお笑い芸人を目指していました。
そして自分が知る限り彼ほどつまらない男を見たことがないという程に彼の放つ冗談はつまらないものでした。
当初、お笑いを目指すというH君のことを彼を周囲の誰もが止めました。
しかし彼は自分ほど面白い人間はいないから大丈夫だと自信に溢れていました。
なぜこれ程つまらない人間が自信を持つことが出来るのだろう?
言っちゃ難ですが、彼の自信には全く根拠がありません。
それどころか彼の放つギャグで笑った人間なんてまるっきり見たことがありません。
寒くて逆に笑ってしまったすら無いのです。
もしかしたら失笑はいくつかあったかもしれない程度です。

当時はお笑いブームでダウンタウンが全盛期の頃でした。
そこを端緒として彼にお笑いを目指す切っ掛けを聞いてみようと思いH君に「ダウンタウン面白いよね」と言ってお笑いの話を振ってみたのですが、彼からは驚きの言葉が返ってきました。
「え?あんなの何が面白いの?」
耳を疑う言葉でした。しかも彼は真顔です。
これがまだ笑顔だったら、こんなつまらない人間が面白いダウンタウンをつまらない呼ばわりするというギャグが成立して笑うことも出来るのですが真顔なので本気です。
そこでよくよく聞いてみると驚くべき事実が明らかになりました。

彼は本当にダウンタウンがつまらないと思っていたのです。
お笑いの頂点であるダウンタウンをです。
勇気を出して更に聞き込んでみます。
彼もお笑いの頂点はダウンタウンであるという認識は持っていました。
その前提でダウンタウンを見た彼は思ったそうです。
お笑いの頂点がこんなつまらないなら、それよりも面白い自分は容易にお笑いの頂点を取れる筈だと思ったのだそうです。
以上の事実から浮かび上がるのは彼の笑いのツボが人と全く違う場所にあるということです。
故に彼の放つ頗る寒いギャグは彼にとっては素晴らしく笑えるギャグだったのでした。

彼の放った素晴らしいギャグの一つを紹介します。
夏の暑い日の教室です。
教師が教室に入って来ました。
H君はおもむろに立ち上がると「先生、今日は暑いですね」と聞きました。
教師は「おお、そうだな」と答えました。
以上です。
これがH君の中では最高のベストギャグだそうです。

統計学的に言うなら、
平均値にいるのが我々としましょう。
並外れて面白い外れ値にいるのが松本人志、
並外れてつまらない外れ値にいるのがH君。

そんな彼も高校卒業前に、どうやら自分は面白くないという事実に何が切っ掛けだったのかは知りませんが気が付いたようで卒業後の進路は専門学校進学を選んでいます。
卒業後は公務員になって堅実に人生を歩んでいます。
この男は本当に心の底からつまらない奴なんだと思いました。

しかし今になって思い返してみると彼がお笑い芸人を目指すと言っていたのは、もしかしたら途轍もなく壮大なH君が体を張った一発ギャグだったのではないだろうか?と思ったりもするのですが考え過ぎですね。

このように才能のあるなし、もしくは神から与えられた才能を全く活かさない、それか、ある意味では人並み外れてつまらないという、それを活かす場所は全く存在しないという残念な才能を与えられたとしても大抵の人間というのはどうにか生きているようなので人生というのは案外ちょろいもんなのかもしれない等と思うのでした。

それではこの辺で