真田丸感想50話最終回感想【番外編】且元の願い

2016-11-27-23-18-45

真田丸の中では描かれませんでしたが、大坂夏の陣に於いての且元を書いてみたいと思います。

慶長二十年一月、大坂夏の陣が始まる前の事です。
且元は家康に目通りを願い、面談が叶うと家康とごく短い挨拶を交わすと改めて平伏すると言上を述べます。
「御前様。お願いしたき儀がございます」家康は鷹揚な態度で「なんじゃ東市正(ひがしいちのかみ)」と聞きます。且元は額に汗を掻きながら苦しそうな笑顔を浮かべながら「拙者、実は胃を患っておりまして、そろそろ隠居したく考えております」「ならぬ。お主も知っての通り儂は大坂を攻める。そこでお主の力を借りる事もあるやも知れぬ」と即座に家康は且元の願いを却下しますが且元は必死に食い下がり「拙者は秀頼公の下に居りました。そこを攻めるなど・・・。どうかご容赦願えませんでしょうか」且元は哀れに見える程に頼み込みます。その様子を見た家康は苦笑を浮かべると「いやいや分からぬか。儂は秀頼を殺そうとまでは思って居らぬ。儂も秀頼のことを頼まれて居る。だが、やり過ぎる事があるやも知れぬ。そこでお主が居れば、無事に秀頼公を保護することが出来るやも知れぬではないか」「誠でございますか。拙者が居れば秀頼公をお助け頂けますか」家康は鷹揚に「うんうん、城を攻め落とすは最早容易いが、無駄に抵抗されては助ける事も出来ぬ。そこでお主の力を借りることもあるやも知れぬ。良いな」この言葉に且元は嬉しそうな笑顔を浮かべて平伏します。

且元が家康の前を辞した後、控えていた正純は「御前様、秀頼を助けるとは誠でございますか」と聞きます。その問いに家康は苦笑を浮かべながら「そんな訳が無かろう。だがあやつが居れば使える事もあるかもしれぬからな」それを聞いた正純は且元の辞した方向を哀れそうな表情を浮かべて一瞬だけ見やり「左様でございますか」とだけ答えます。

且元は大坂夏の陣では徳川秀忠の隊に編成されて後方に配置されます。
途中、毛利勝永と幸村の予想外の勢いと大野治房の善戦に且元も驚かされますが戦自体は三日間という短い期間で終わりました。
大坂城が落城してから且元も中に入ります。しかし、戦は家康勢の勝利が決まっていたにも関わらず城では騒ぎが収まっていませんでした。
理由は秀頼の行方が不明であった為です。
その頃、秀頼を始めとした三十余名は本丸から離れた木立の中に設けられた花見の宴などの為に用いられた「山里曲輪の朱三矢倉」へと身を潜めていました。その中には大野修理と秀頼を助ける為に戻ってきた毛利勝永も含まれます。秀頼を探す家康の捜索網は確実に傍に迫って来ており、見つかるまで長い時間は掛かるまいと修理は悟っています。
そこで修理は秀頼だけでも助けられないだろうかと考え始めます。茶々は幸村の最後の策である千姫が助けてくれると皆を励ましますが、修理は戦が終わった翌日になっても辺りの剣呑な雰囲気が変わらない事から何かしらの手を打つ必要があると考えます。

修理は周囲を見張らせていた斥候から且元が今回の戦に参加している情報を掴みます。そこで且元に秀頼の命乞いを行う為に家康への取り成しを依頼する使者を送ります。

且元は使者の訪れに驚きます。しかし秀頼が未だ生きており自分を頼ってきた事を喜びます。且元は使者に向かって今は徳川方に味方しているが太閤様の恩を忘れたことは無かった。これは自分の最後の大仕事だと家康に取り成しを行い必ず秀頼の命を助けると使者に伝えます。

且元は頃合いを見計らって家康に秀頼の助命嘆願を願う為に探しますが、秀忠は配下の者から且元が家康を探していることを聞くと且元を呼び出し「東市正。父上を探していると聞いたが如何した」と理由を問い質します。且元は慌てた様子を浮かべて「いえ、少々お話がありまして・・・」と言い淀むと「なんじゃ。儂に用件を言うてみろ」と問い詰めると且元は動揺しながら「いえ、秀忠様へお伝えする程ではございませぬので」「儂では不足と申すのか」と秀忠は怒り始めてしまい且元は慌てふためきながら「いいえ、そのような事はございませぬ。御前様にお伝えしたき儀がございまして」「だから何なのじゃ。訳も分からぬ事をさせる訳にいかぬだろう」これに進退極まった且元は遂に秀頼の隠れている蔵の場所が分かった事、依然、家康に秀頼を助けると言われたことを伝え、秀頼の助命嘆願を行う為に家康を探していたのだと答えます。

秀忠と且元は家康の控え屋敷を訪れると且元が家康に会いたがっている事を伝え、表に待たせている事を伝えます。すると家康は秀忠の耳元に口を近づけ「秀頼を絶対に許すな。良いな」そう小声で伝えます。これに秀忠は無言で頷いて出て行きます。続いて且元が家康に面談すると秀頼の助命嘆願を行います。これに家康は「秀頼は無事であったか、それは良かった」と喜んだように言うと、且元は念を押すように「それでは、秀頼様の命をお救い頂けますか」と確かめると「当然であろう」と家康は答え、且元を喜ばせます。

しかし、その頃、秀忠は既に秀頼達の隠れる蔵の周りを武将達に包囲させていました。家康を案内して蔵にやって来た且元はその様子を見て驚愕しますが、秀忠の姿を見つけると急ぎ駆け寄り「秀忠様、お止め下され、先ほど御前様にも秀頼公の命をお救い頂けるとお約束頂いたばかりなのです」と必死に止めようとします。それを武将達も周囲から遠巻きに見詰める中で家康も「のう、秀忠。なにも命まで取る必要は無かろう。直ぐに包囲を解け」と言うと、秀忠は困惑した表情を浮かべて少し考え込みますが「いくら父上の言う事でも為りませぬ。これによって徳川の天下が成るのです」と家康の言葉を一蹴すると周りの武将達に家康から秀忠へと権限が委譲された事を示すと豊臣の時代に終止符を打つべく秀頼を殺すよう命令します。蔵に対しての攻撃が再開され銃弾が撃ち掛けられます。これを且元は「お止め下され、お止め下され」と泣き出しそうな顔で必死に止めようとしますが秀忠はそれに取り合わず、且元は家康へも「御前様。秀頼様をお助け頂けると仰って頂いたではありませぬか」と詰め寄りますが家康は「すまぬ。将軍様に受け入れられなければ叶わぬのだ」と断ります。やがて耐え切れなくなった且元は鉄砲手達に掴み掛かり鉄砲手達が困惑した表情を浮かべますが秀頼は再び「構わぬ。撃て」と号令を下すと銃撃は継続されます。

蔵の中に居る秀頼達は観念すると秀頼は勝永の介錯にて切腹。他の者達もそれに続きました。

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