前回「川口市資材置場公害問題」は公害であるとする根拠について述べました。
そして公害の要件の中に面積は含まれていません。
今回はクルド人問題と密接にしている資材置場から発生している公害問題を川口市がそもそも調査しないので解決する筈が無いと思ったので書きます。
資材置場の経営者を悩ませる環境コスト
一部の資材置場は公害と見做すことの出来る騒音や振動、大気汚染等を発生させても取り締まられることがありません。つまり川口市で資材置場が公害を発生させても問題ないと保証している状態となっています。
この中にクルド人が経営する資材置場も相当数含まれています。
調べてみると資材置場の経営者が頭を悩ませるのは、運営に伴って生じる騒音や振動と大気汚染によって生じる公害問題の対策に掛かる環境コストです。
簡単に調べてみても以下のような項目の対策が必要になります。
- 低騒音型・低振動型の機械や設備の使用(騒音と振動の対策)
- 作業時間や作業方法の工夫(騒音と振動の対策)
- 防音壁や防振壁の設置(騒音と振動の対策)
- 粉じんの抑制対策(大気汚染の対策)
- 排気ガスや有害物質の抑制対策(大気汚染の対策)
そんな資材置場の問題に頭を悩ませる経営者に朗報です。
公害を起こしても免除される条件があるんです。
それをライフハックとしてお伝えします。
川口市なら環境コストを掛けずに資材置場を運営できる
環境コストを掛けずに川口市で資材置場を運営する方法です。
場所:川口市
面積:150㎡以下
これだけです。
理由をお伝えします。
川口市は以下の条例を理由として一部の資材置場を除いて環境測定を拒否しています。
(規制基準の遵守等)
第五十条 知事は、第一号から第三号までに掲げる工場若しくは事業場若しくは第四号に掲げる作業場等における事業活動又は指定土木建設作業において生ずるばい煙、気化した炭化水素類、粉じん、有害大気汚染物質、排出水、騒音、振動又は悪臭(以下この項において「ばい煙等」という。)の排出又は発生について、指定施設、当該工場若しくは事業場若しくは当該作業場等を設置している者、ばい煙等を排出し、若しくは発生する者又は指定土木建設作業を行っている者(以下この条において「工場等の設置者等」という。)が遵守すべき基準(以下この節、第九章及び別表第八において「規制基準」という。)を規則で定めるものとする。
一 指定施設を設置し、又は指定騒音作業を行う工場又は事業場
二 指定悪臭工場等
三 有害大気汚染物質又は排出水を排出する工場又は事業場で別表第五に掲げるもの
四 騒音又は振動を発生する作業場等で別表第六に掲げるもの
引用:「埼玉県 生活環境保全条例」
別表六
引用:「埼玉県 生活環境保全条例」
一 廃棄物、原材料その他の規則で定めるものを保管するために屋外に設けられた場所で、面積が一五〇平方メートル以上であるもの
生活保全条例 第五十条の内容
公害に関連する騒音、振動、大気汚染について規制する対象の指定
別表六で資材置場に関する内容
資材・廃材置場で150㎡以上のものを規制する
生活保全条例 第五十条と別表六を悪魔合体させると…
川口市は150㎡以下の資材置場を規制しない。
クルド人経営の資材置場の殆どは小規模なものです。
このように川口市が条例によって150㎡以下の資材置場は公害を起こしても良いと保証しているような状態となっています。
(もちろん他の法令で対応が義務付けられているので真に受けて資材置場を作った後に川口市がまともな対応を始めると規制されます)
いやいや、川口市は資材置場を規制する為に新しく条例を作っている。
そんな筈がない。資材置場については解決に向かっている筈だと思う人もいるのではないでしょうか?
私もそう思っていた時期がありました…。
資材置場を規制する大型新人である新条例が役に立たない理由
それでは新しく出来た「川口市資材置場の設置等の規制に関する条例(令和4年7月1日施行)」について重要と思われる箇所を抜き出して解説します。
川口市資材置場の設置等の規制に関する条例 第一条
(目的)
引用:「川口市資材置場の設置等の規制に関する条例」
第1条 この条例は、資材置場の設置等に関し必要な規制を行うことにより、不適切な資材置場の設置等を防止することで、それに起因する危険の発生及び生活環境の悪化の防止を図り、もって市民の生活の安全の確保及び生活環境の保全に寄与することを目的とする。
第一条の内容
新しい資材置場の設置を規制する。
資材置場で困る人たち全ての希望を打ち砕く無慈悲な一撃って奴ですね。
オープニングから殺しに来ていることに驚きます。
でも川口市のやる事ですから。これだけでは終わりません。
この一文で条例に期待してはいけないことを理解して貰えたと思うのですが更に追い打ちです。
川口市資材置場の設置等の規制に関する条例 第六条
(資材置場の設置等の許可)
引用:「川口市資材置場の設置等の規制に関する条例」
第6条 資材置場の設置に係る工事に着手しようとする者は、あらかじめ、資材置場の設置等に関する計画(以下「計画」という。)を定め、市長の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる資材置場については、この限りでない。
(1) 資材置場の区域(資材置場の設置が一団の土地の区域において行われる場合は、当該一団の土地の区域)の面積が500平方メートル未満のもの
第六条の内容
500㎡未満の資材置場はこの規制の対象外
そうです。条例より更に緩い。
即ち問題に対しては現行の条例の方が有効ということになるのですが、その条例で問題が解決しないから大変なことになっています。
つまり「川口市資材置場の設置等の規制に関する条例」は川口市資材置場問題を解決するものではないということです。
野球で言うなら、凄いピッチャーが入団すると聞いて期待して待っていたら球拾いしか出来ない外国人が不法入国して来たみたいな感じですかね。
何れにせよ川口市が資材置場を解決するとして作られた条例は新規開設を規制するもので既存の資材置場は規制対象外です。
(その条例の中でも騒音などについて解決しない為の仕掛けが仕込まれているのですが、これはまた別に書きたいと思います)
そもそもこの条例を主導して制定したのは川口市 開発部 都市審査課です。
見て貰えば分かる通りなんですが「川口資材置場公害問題」は言うまでもなく公害問題です。
開発審査課の扱う内容ではありません。
そして公害について担当している部署がどこかを調べてみると川口市 環境部 環境保全課です。
このように本当に川口市資材置場問題について解決する積りであれば公害問題を扱う部署である環境保全課が主導しなくてはならないのではないかと思うのですが、なぜ開発審査課が主導したのでしょうか?
少なくとも「川口市資材置場の設置等の規制に関する条例(令和4年7月1日施行)」が川口市資材置場問題を解決するものではないことは明確です。
もちろん川口市が何もしない訳ではない
もちろん我らが川口市です。
もしも条例の規制対象外であったとしても善良な川口市民から苦情が出れば行政指導という大仰な名の付いた口頭での注意は行ってくれます。
但し、その内容は「苦情が出ていますが罰則はありません」とクルド人側に伝えて罰則が無いので運営を続けて良いと安心させてあげることです。
口頭注意した後にもしつこく解決していないと言ってくるクレーマー対策だってバッチリ用意されています。
もしも被害が続いているだけなのにクレーマーが問題を解決してくれと言い掛かりを付けてきた場合です。
「相手に対して嫌がらせになってしまう」
と伝えて1か月に1回程度は以下のような注意をしてくれます。
「罰則は無いんですが、苦情が出ています」
「そうですか。分かりました。改善の予定はありません」
(以後は苦情が出る度に毎月、同じループを繰り返す)
こうすれば川口市が公害問題に対応しなくてはならないという他の法令に背いていることにはならず。
且つ相手から怒鳴られたりすることなく他人事として処理出来ます。
そのため一部を除いて環境測定もしません。
だってですよ。もしも環境測定を行うことで環境省の定める環境基準を超える騒音等の数値が出てしまったら行政目標をクリアする為に対応する義務が生じて来てしまいます。
そのため被害者に対しては「私たちも騒音は確認しました(感想)」と測定を行わずに主観的な感想で済ませることで行政目標であるかどうか明確でないため努力目標を免れることも出来ます。
以上の理由から公害を解決する為に必須である環境測定が行われるのは一部のみです。
(騒音の中に含まれる低周波音測定は確実にやってないでしょうね)
解決策としては、環境保全課が無くなると県庁がこの問題を扱うことになるので、個人的には隕石でも落ちないかなぁと思ったり思わなかったりします。
川口市への疑惑
川口市資材置場問題は川口行政にとって解決する必要のあるものであることは明白です。
しかも被害は現在進行形で続いているため喫緊の課題である筈です。
その状況下で繰り広げられた以下の茶番が繰り広げられました。
テレビ朝日がクルド人問題について現地のクルド人の経営する資材置場を取材したところ川口市役所に理由を聞いてくれと言われ市役所へ訪問。
その取材に対して川口市は資材置場を規制する条例を定めることにしましたと回答。
今まで書いていた内容を見れば分かる通り以上のやり取りは茶番でした(笑)
ですが、書いていて思ったのですが、もしかしたら行政の中で川口市資材置場問題を解決してはいけない理由があるのではないかと思いました。
取材を受けたクルド人が取材を拒否しながら「市役所へ聞いてくれ」と答えています。
これは川口市役所がクルド人にとって有利な発言をするという確信があるということです。
そこで川口市役所に行ってみるとクルド人問題の中に含まれる「資材置場を規制する条例を定めることにした」と答えています。
川口市の資材置場を問題視する取材を受けた中での回答です。
普通に考えると
「うちは開設の審査をする開発審査課。
資材置場問題は公害問題で担当は環境保全課の管轄。
だからそっちに行ってよ。
あと、うちも資材置場問題に関しての条例は作ってるけど、
それは新設を規制する条例。
この問題は資材置場問題は既存の資材置場が起こしてるんだから、
うちで作ってる条例じゃ解決しないよ」
というようなことを伝えるのが流れとしては自然です。
ここで疑惑が生じます。
川口市には資材置場問題を解決することの出来ない何らかの理由があるのではないでしょうか?
しかしこの問題は報道されて全国に知れ渡ってしまいました。
これを無視すると川口市の行政が機能していないことも知れ渡り体面が保てない。
そこで問題を解決する条例を制定すると形だけ宣う。
なぜなら条例を制定し施行されるまでには時間が掛かります。
その期間が過ぎれば世間も川口市資材置場公害問題のことを忘れて、いつも通り諦めてくれるか引っ越していなくなるかして、いつも通り済崩し的に解決すると想定したのではないでしょうか?
これも目論見通りでしょうか?
2023年度で川口市は前年比で人口が2793人減少。
外国人の人口は1463人増加。
(下記記事内の人口動態調査内にある埼玉県川口市を参照しました)
【人口動態調査、関東の市区町村別の日本人と外国人の人口】
【日本人、全都道府県で初の減少 外国人299万人が底支え】日本経済新聞より
川口市の行政が主導して問題は解決しない
川口市 開発審査課に資材置場に関していくつか問い合わせてみました。
先ず川口市で把握している資材置場の数は790箇所。
その中で条例の規制対象となる500㎡以上のものと規制対象に入って来る150㎡以上のものが其々いくつあるのか質問した際の回答です。
「把握していない」
この回答を見る限り川口行政によって川口市資材置場公害問題が解決される可能性は無いと限りなく低いと言わざるを得ません。
環境測定が必要な理由
最後に環境測定が必要な理由を述べて締めにしたいと思います。
環境測定されただけでは問題は解決しません。
なぜなら現行法で罰則が無ければ、業者は何もしなくて良いからです。
では、なぜ環境測定が必要なのでしょうか?
正しく現状を把握し被害の存在を確定させる為です。
測定の行われていない被害は主観的なものに過ぎず被害妄想と同義です。
測定が行われれば客観的な被害を伴った解決すべき公害となります。
現行法で解決出来なければ新たに条例を制定します。
実効性を伴う条例が施行されれば資材置場問題は解決します。
更に言えば環境測定と資材置場の何が公害を発生させているのか調査し把握している必要があります。
それを行わないとどうなるか?
その答えの一つが「川口市資材置場の設置等の規制に関する条例(令和4年7月1日施行)」です。
故に川口市は面積の大小に関わらず環境測定と原因の調査を行う必要があります。
このまま現状を許し声をあげなければ今後も川口市であれば環境コストを掛けずに資材置場を運営出来るとして悪質な業者が更に増えていくだけではないでしょうか。
それでは今日はこの辺で
こちらもどうぞ
下の記事も参考にして貰えれば幸いです。逆に川口市が問題を解決なしくてはならない法的根拠についてが下の記事です。
(問題を放置している川口行政の方が驚きだったりはするのですが)