低周波音問題は孤独

騒音に困る男性 騒音

自宅前にスーパーのまいばすけっとが出来たら騒音問題で悩む羽目に陥ったのですが途中でどうやら単純な騒音問題でなく、これには低周波音の問題も含まれているのではないかと気付き、そのことを市役所に相談すると全く相手にして貰えず途方に暮れています。

そこで初心に帰れではありませんが、そもそも低周波音とは何なのかという部分を書いてみたいと思います。

低周波音のイメージについて

正直、余り良いイメージではないと思います。
私も被害に遭うまでは低周波音?なんか電磁波みたいなイメージだよね?
みたいなことを思っていました。
つい最近も全く効果の無い「電磁波対策」に効果があると謎のワッシャー(ホームセンターで一個7円位ではないかと思われる)が2枚2,000円でメルカリに売られていて話題になりました。

今までの私なら笑えるネタとして扱っていたと思うのですが、今は笑えません。
と言うのも同じような製品が「低周波音」に効果があると謳っていたら私は真剣に購入を検討したに違いないからです。
騒音・低周波音問題は実際に遭遇してみると、これが辛い辛い。

今回の被害を受けたことで学んだのは、世の中には当事者にならないと理解することの出来ないことが存在するのだということです。

低周波音とは何か?

一般的に人が聞き取ることのできる音域は20Hzから20,000Hzと言われています。
低周波音は1Hz~100Hzの帯域の音をさし、その中でも1~20Hzの音は超低周波音と呼ばれます。
環境省の「よくわかる低周波音」というパンフレットを見ると人の耳は2000Hz~5000Hz付近がよく聞こえ、これは周波数が低くなるほど聞こえ辛くなり100Hzを下回ると音の感度が極端に低くなるのだそうです。
更に以前には低周波空気振動と呼ばれていたようです。
この低周波空気振動というのは、20Hz 以下の超低周波音が原因として発生する物的被害の中に戸や窓がガタガタする置き物が動いていしまうというものがあるので、これも特徴を捉えた名前のようには思います。

低周波音の被害はどんなものか?

生理的には頭痛や耳なり吐き気がしたり、胸や腹を圧迫されるような感覚を受ける。
といったものが代表例になるようです。
私の場合は、頭痛はしませんが胸を圧迫するような感覚は覚えますし吐き気もしました。
船酔いの症状と言うとイメージも湧きやすいかもしれません。
また常にゴーッと響き続けているので不眠状態にもなります。
参考:低周波音問題対応の手引書 環境省(平成16年6月)

それなら耳栓をすれば良いのでは?と思いますよね?
私も初めの頃はそう思って仕方ないと耳栓を買いましたが低周波音は普通に耳栓を通過して聞こえてきます。これは低周波音以外の音が耳栓でカットされることで更に気持ち悪くなるというトラップです。低周波音被害を受けている人のあるある話です。

詳しい人に話を聞いてみると音は低いほど長波になり、高い音ほど短波になる。その為に低い音ほど障壁を潜り抜けてしまうとのことなので耳栓も通過してしまうのです。

低周波音被害に遭うと孤独

低周波音の被害を受けて一番つらいのは被害を理解されないことです。
私の実感としても低周波音を感じ取れるかどうかは個人差が大きいように思いました。
同じように低周波音による被害を受けている人に話を聞いたことがあるのですが、その方はマンションの一室を購入したら、その部屋が下の階にある部屋から低周波音が伝わって来ていて酷い目に遭っているという状態でした。
もちろん苦情を販売会社に申し立てて業者が複数名でその人の部屋に被害を確認しに来たそうなのですが内1名は低周波音の聞き取れない人であったようで「大した被害も無いようなので私は帰っても良いですか?」みたいな対応をされて傷ついたと言っていました。
おまけにその人は犬を飼っているそうなのですが、いつからか犬もごはんを食べなくなってしまったと仰っていたので被害は深刻です。
結局、その人の場合はマンションを買ったのに実家に避難して暮らしているそうです。
しかし家族も同様に低周波音が聞こえない人なので被害を誰も理解してくれず孤独を深めるという状況に陥っていて他人事では無いなと思いながら聞いていました。
低周波音被害を受けたことで他の人には聞こえない音が聞こえていると自分は頭がおかしくなってしまったのだろうか?と疑い精神病院に行った人もいるようです。

私の場合も隣室のおじさんに騒音被害は無いですか?と聞いてみましたが低周波音の聞こえない人で「一度病院に行った方が良いんじゃない?」とアドバイスされて思わず「おじさんも耳が遠くなる前の若い頃なら聞こえたんじゃないかい?」と言い返して関係が悪化したりしています。

俺はなんて孤独なんだ…。
この低周波音を聞き取れる一流の音楽家になれる繊細な耳を持つことがまさかこんな悲劇を招くとは…。
こんな感じに悲劇のヒロイン気取りの出来る鍛え抜かれた鋼のようなメンタルを持っていれば多少は生き易かったと思うのですが、残念ながら私は普通に苦しむことしか出来ません。

そして何よりも辛いのは被害に遭っても、そのことが理解されないことです。
他人に被害を訴えてみましょう。大体は頭のおかしい人の扱いされるのがオチというものです。

低周波音問題解決に必要で一番むずかしい存在の証明

そもそも低周波音の問題を解決する為には低周波音の存在を証明しなければなりません。
しかし、それが最初にして最大の関門です。
ゲームでいえば最初に戦う相手がラスボスという難易度設定がおかしなことになっている点に低周波音問題解決の難しさがあります。

公害や騒音の問題については地方自治体に相談窓口があるので相談すれば直ぐに解決すると思う人もいると思います。
私もそう思っていました。
特に私のケースだと加害側がイオングループのまいばすけっとは事業場にあたるので騒音公害に当て嵌まりそうです。総務省は低周波音問題について公害の定義の中で以下のように述べています。

例えば、低周波音による紛争もそれ単独では先述の公害類型には該当しませんが、騒音・振動に関係するものと考えられる場合は公害類型に該当し、制度の対象になります。 総務省:「公害」とは?

これなら直ぐに解決するだろうと埼玉県の川口市環境保全課に低周波音測定の相談をした際には罰則が無いので低周波音の測定は行いませんと断られました。話し合っていたまいばすけっと西川口東店の店長も低周波音の測定を川口市環境保全課に相談に行きました。
どうなったでしょうか?

「低周波音は法的な制限がないため、市役所では計測できない」というようなことを川口市環境保全課からアドバイスされてまいばすけっと側はそれを理由に何もしないと宣言する始末になりました。

このように地方自治体で低周波音問題を解決することは出来ません(少なくとも埼玉県川口市では出来ません。川崎市はしっかり対応してくれるみたいです。ただ話を聞いていると川崎市の方が例外なのかもしれません)自治体の協力で解決出来た例も存在しますがその例は稀です。民間でも低周波音の測定を行ってくれる会社はありますが聞く所によると相場は20万円から…。

以上のように日本で低周波音問題解決が難しい理由は行政の怠慢にあります。

私も2022年の3月から被害を受けているのですが解決出来ていません。
未だに自室で寝ることが出来なくて台所で寝ている生活は終わっていないのです。
もう引っ越すしか手は無いのか…。と思うことも少なくありません。

低周波音被害の緩和方法

私が低周波音問題について唯一出来る確実なアドバイスです。
低周波音問題を解決した人も存在します。
しかし解決までには長い時間が掛かっており1年以上被害を受け続けていたという人も珍しくありません。
更にぶっちゃけた話をすれば低周波音問題を解決する唯一の手段は引っ越すこと以外にないというケースも少なくありません。

前述の通り問題解決機能を持っている筈の川口市環境保全課は動きません。
そして加害者側が低周波音の聞こえない人だと加害意識すら持たれません。
従って被害者は頭のおかしいクレーマー扱いされるようになります。

なので現在進行形で低周波音被害を受け続けている人へ私が唯一アドバイス出来ることは、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンかヘッドホンを買うことです。
これのお陰で私は自宅で過ごすことが出来るようになりました。
もちろん私も両方持っています。
寝る時はイヤホン
普段はヘッドホン
自宅では以上のように使い分けています。
詳しくは過去記事に書きましたので良ければ参考にして下さい。

低周波音問題に苦しむ人は当面これで凌ぐことを強くお勧めします。

いつか私も問題が解決したという報告が出来れば良いのですが・・・・

それでは今日はこの辺で

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