不動産売買の自爆営業は家を買うらしい・・・。

自爆失敗 徒然日記

数々のブラック企業を渡り歩き、行った先々でひどい目に遭ってきた私ですが、昨今のコロナ禍の影響で求人も減っており、またブラック企業が黒々と輝く時代がやって来たのかと思うと暗い気持ちになっています。

そんな中で不動産営業をしている友人から自爆営業なるものが存在するという話を聞いたので書いてみたいと思います。

友人は某不動産のフランチャイズチェーンに務めています。
彼の会社の専務は嘗て伝説の営業マンと呼ばれていたそうです。
専務は都内に4件の一軒家を持ち、自宅以外はそれぞれ賃貸に出して家賃収入を得ているそうです。

そう話して彼は私に質問しました。
「専務が家を4軒持っている意味って分かる?」
「え、不動産投資で不労所得も得られている成功者ってことじゃないの?」
「違う。長い営業マン時代に4回のスランプがあったってこと」

えーっと・・・。
え?

何でもスランプを迎えて何か月も販売実績が出せない。仕方ないので家を自分で買うことで自分の成績にすることを自爆営業と言うのだそうです。

「都内で家を買うと数千万するよね?
それを売れないからって自分で買うの?」
「そう。コンビニでも催事のケーキの売上が悪いと店員が買わされるっていう話を聞くだろ?」

因みに会社から補助金などが出るのかも聞きましたが一切出ないそうです。
それは会社から強要されるのかも聞いたところ、それは言われないが暗に「おまえもそろそろ自分の城を持っても良いんじゃないか」的なことを言って追い込まれるそうです。そういった売り上げがないことに対する追い込みから、最初は抵抗するらしいのですが、段々とそれなら自分で買うことで難を逃れようという気分になってくるのだそうです。
それじゃあ売り上げがなくて家を複数件買っている人が沢山いるのかと聞けば、銀行が家のローンを通さなくなるので普通は1件位に落ち着くそうです。
件の役員は営業としのて優秀さが災いして歩合給で給与の額が中々の額になっていたことから銀行が住宅ローンの決済を通してしまったことでお金を借りることが出来てしまったので家を複数件持つ事となったようです。

凄い話を聞いてしまったと驚いていたら友人は更に追い打ちを掛けるように話します。
「そういえばうちの会社で求人広告を出してたんだけどさ、求人の説明文で営業社員の80%が持ち家を持っているのをPRしているんだ。断言しても良いけど、元々自宅を持っていた奴を除けばほぼ全員が自爆営業で買ったんだぜ」

不動産営業の恐ろしさの一端を垣間見ました。

話を聞いていて私に一つの記憶が蘇ります。
そういえば以前に勤めていた会社の後輩がいつもお金が無いと言っていて、今どき昭和テイストの珍しい奴だなぁと思っていたのですが、彼の経歴を思い出してみると採用面接の際に彼は新卒で不動産会社に入社してから浦安にマンションを買って住んでいると言っていました。どうやらそのローンが結構な額で毎月お金に困っていると聞いたことを思い出します。

そうです。彼のキャラクターから考えると不動産会社でもうだつの上がらない営業マンであったことは疑いようがないのです(失礼)
そうか、彼も売り上げが上がらなくて半ば無理矢理マンションを買う事になって、しかも、その後にも売れることが無かったか再び売れない時期が続いたかして、更に一時逃れとして2件目のマンションは賃貸で貸せば良いとか自己洗脳して買おうとするも銀行の住宅ローンの審査が通らなくて買う事が出来ず、結局マンションを買った挙句に会社を辞める羽目になったのかと思い当ります。

彼は営業マンの癖に自分の着る服にすら無頓着な人間でした。夏になるとスーツから塩を吹いているのを注意されているような人間が何で浦安の小奇麗なマンションなんか買ったんだろう?更に給与の金額を考えれば酒好きで居酒屋によく通い、ギャンブルも好きという彼の金遣いの荒さを考えれば江東区の南砂辺りで月の家賃3~4万円程度の風呂トイレ共同の安アパート位で丁度良く、月5~6万の賃貸でギリギリ位な筈です。そんな人間が瀟洒なマンションなんて文字通り10年早いのに、この子はなんで分不相応な物を買ってわざわざ自分を苦しめているのだろうと思っていました。彼にそのことを聞くと一様に暗い顔で黙り込んでしまうので、その答えを聞けずにいたのですが、そうか不動産営業で売り上げが出なくて無理矢理自爆営業で買わされたものであったか。

以上のように友人から自爆営業の恐ろしさを聞くことで長年の疑問が解けてスッキリしましたけど暗い気持ちになってしまいました。
あと家賃は給与の手取り3分の1以内に収めるのがセオリーなので皆さん気を付けましょう。

それでは本日はこの辺で